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感想・レビュー・書評
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芸術家 岡本太郎さんの実母である岡本かの子さんの作品。初出は1939年ですがkindleで青空文庫の作品として無料でダウンロードできました。
彼女の「いろいろあった」生きざまにとても興味があります。
紙の本は馴染み深いのですが、kindleで絶版となるような作品を安価あるいは幸運にも無料で読む機会を得られるのは本当に有り難いことです。
本作は大きな仕掛けや展開があるわけではなく、鮨屋の娘である「ともよ」の目から見た世界が淡々と広がります。まるで映像の世界で親の商売や学校、大人の雰囲気を覗き込むような感覚。
次第に話題は店にたまに姿を見せる男性客である湊氏の生い立ちに焦点が絞られていきます。湊氏が語る自らの家族の風景。鮨との邂逅。
俯瞰した視点ながら風景や人々の営み、家族という器の中でのやり取りや心の機微がふわりと浮き立つのがとても興味深い作品でした。
昔の作品は何か古臭かったり、当時の価値観を受け入れ難かったりという思い込みがありますが、人の本質はさほど変わってはいないのではと、自分が年齢を重ねたからこそ思うようになってきました。
違いこそ面白がって読み、変わらぬ本質的な部分に関しては納得。そう思うと実はクラッシックはもっと光を当ててもよいのではないかな。
有吉佐和子さんの作品をきっかけに昭和の作家の作品に出逢えて豊かな時間を過ごすことができています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大好きな岡本太郎のお母さん、
自由に生きた人
などという印象で著書はあまり読んだことなかった
けど、古本食堂を読んで、読んでみようと思った。
突飛な文章かと思ったら、
シンプルでしみじみとよかった。
オーディブルで読んだけど、
これは絶対文字を読んだ方が良い本だと思う。 -
食に関して知ることができた
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食べ物にまつわる思い出はたくさんある。食べることは生きることだからかな?再読だけど、またしんみりしてしまった。
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面白い。髑髏魚というのは、トランスルーセント・グラスキャットフィッシュだろうか。想像力を掻き立てられる。
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「鮨屋の娘の主人公は、それぞれに鮨を楽しむ他の客とは雰囲気の違う男性客が気になりはじめる。ある日町で偶然会い話をするなかで『お鮨本当にお好きなの?』と聞くが、彼は『鮨を喰べるということが僕の慰めになる』と答え、、、?」
時間や金銭や労力を「ちんまりした贅沢」に使う。最も早い正解は、スマホ一つですぐ答えが出るけれど、そればっかりで走り続けてちゃあ息切れしちゃうもんなぁ。気力体力の回復に大事な事だな。
ただ、彼にとっての鮨はもっと根本的なところでの回復、、、というか癒しだったのかな?
命を繋いでいくのに必要不可欠な「食事」を「苦痛」と感じる。。。なんて生きにくい性分なんだ!(笑)
主人公に話を聞いてもらった事は、それこそ「慰め」になったんじゃないかなぁ。気持ちに一区切りがついたというか。
ふらりと別の鮨屋に行ってる。気もするし、もう鮨にこだわる必要はなくなったんじゃないかなー?だからお店に来なくなったんじゃないかなー?って気もする。