- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4562474172509
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
たまたま『シェイプオブウォーター』と連続で鑑賞。ギレルモさんの第1作、『クロノス』。ビデオ版や旧DVDは『クロノス/寄生吸血蟲』。すげータイトル笑。
ホラー映画のようなタイトルだけど、ギレルモさんはやはりダークファンタジーの人なので、ホラー=怖い映画って感じではないですね。
じゃあダークファンタジーって何?と考えると、やはり「独特の世界観が…」とかバカみたいなことしか言えない笑。元々18〜19世紀頃からゴシック小説、幻想怪奇小説があって、ユニバーサルやハマーフィルムが映画化して、他にラヴクラフトなんかもあって…という感じ。ダークファンタジーでもホラーで怖いものもあるし、そうではないものもあります。
『クロノス』にはのちのギレルモ作品の要素がすごく詰まっている。ダークファンタジー的要素はクロノスのガジェットだけど、血を吸わせたら不老不死の吸血鬼になる…ってこれジョジョの石仮面と全く同じやないか!!笑
これの源流を調べると、イタロホラーの巨匠、マリオバーヴァ監督の『血ぬられた墓標』(1960年)という映画らしい。あと同監督の『呪いの館』にも荒木先生は影響を受けて、スタンドができたみたい。マリオバーヴァはあと『エイリアン』の元ネタの『バンパイアの惑星』なんかも監督している。
それと、石仮面に似てると昔から言われてたジムキャリーの『マスク』ですが、これ原作漫画で登場したのが1987年と、ジョジョと同時期。こちらはそのまま『The Mask』(1961年)という映画が元ネタなのかなと。
だから色んな人たちが、この時代の映画を元ネタにしてるようですね。
古い吸血鬼映画の翻案という点で、『シェイプオブウォーター』とやってることは全く同じ。しかも「彼」と同じく、『クロノス』でも主人公のおじいさんは一度死んで復活します。彼の名前はそのままへスス…Jesus。そういえば先日観たシドニールメット監督の『質屋』にもやはり同じくヘズス(Jesus)というキャラクターがいました。
他に、ロンパールマンの役名はアンヘル(Angel)、孫娘はアウロラ(オーロラ、暁や光の女神)。これは『パンズラビリンス』の女の子がオフェリアだったように、直接的にそのキャラクターを提示している。あと緑色の服!
それと、像の中からゴキブリが…というのは『ミミック』ですね。パンチョビリャの敵、ビクトリアノウエルタ。
カトリック圏でキリストと吸血鬼を同一視するというのは、これはかなりヤバいことなのではないかと…。『シェイプオブウォーター』は「神」の見た目がもしああだったら?で、マイノリティの象徴だった。例えば神様が黒人だったら、WASPはどうするか?みたいな。
あと、メキシコからすればクロノスと同じく、キリスト教って後から入ってきたものだよねとか、ギレルモさんみたいなオタクにとっての崇拝の対象は、吸血鬼や半魚人だよねとか、色々と思いました。
映画としてはあんまり面白くないですが、ギレルモさんのやりたいことというのはすでにこの第1作で明確になってますね。 -
妙に天使的存在の孫娘アウロラが気がかりな映画だった。祖父がいかに窮地に陥ろうと事態を見守っていた。
本作がすごく面白かった点は、誰も得をしないというところ。けっきょく人は、どれだけ奇妙な事態に陥ったところで、プラスマイナスゼロに落ち着くのだとでも言いたげな映画だった。そしてそれはおそらく、十中八九真実だろう。 -
リマスター版とはいえ画に古さを感じますねぇ
なんと言うか、ヘルレイザースの箱とか、ファンダムズの玉とか、あと虫型のタイプライターってなんだっけか…?そういったギミック付きの小道具がイカして見えるそんな年代の作品って感じ…ロンパールマンがこれだけ若いとなるとねぇ〜そらそうだ。名前がangel だったりjesus だったりそこから暗示させるものって何かな…
正直、面白くもなんともない…デルトロ監督の初期作品という事で鑑賞して見たけど、つまんねえ作品(>人<;) -
確かにギレルモ監督の全てが詰まっている。が、なにぶん古い~。
じいちゃん、若返ったからって何で嫁とデキちゃうんだよ。アウロラガッカリよ。 -
ギレルモ・デル・トロの長編デビュー作だそうで、とても監督らしい映画。おとぎ話のようで品が良い。女の子がミステリアスでいっそう可愛く見えるし、機械のデザインもときめく。ストーリーはシンプルだけどなかなか引き込まれる映像。ファンの方は彼の原点を知る上で是非観て下さい。