絶歌 [Kindle]

著者 :
  • 太田出版
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感想 : 11
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感想・レビュー・書評

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  • 出版当時、「こんなん、絶対買わんっ!」と思っていたのだが、
    貰ったので一応読んでみたんだが…。

    何これ?長編ポエムなの?って感じで、彼が起こした事件以上に
    胸糞悪いんですけど。

    なんだろうな、永遠の中二病が書いた文章のお手本ですって感じ
    なのよ。必要以上に言葉を重ねて文章を飾ってるよね。いわば
    文字数稼ぎってやつね。

    医療少年院でどのようにして自分が犯した罪や、ご遺族のお気持ち
    に向き合ったのかまったく分からない。これじゃ、被害者のご遺族は
    2度目の殺人に見舞われた感じだわ。

    ナルシストで、承認欲求が強くて、自己顕示欲の塊。それがポエムの
    ような文章を書き綴ることで自己陶酔に陥っている。

    本書の出版は被害者のご遺族から強い反対の声があった。それにも
    関わらず、あえて出版したのは何故なのか。尚、本書の印税は
    2000万円とも言われ、当初は事件の賠償金に当てるはずだった
    そうだがご遺族は受け取りを拒否している。

    アメリカ・ニューヨーク州のように、日本にも「サムの息子法」が
    必要かもしれんな。

    全編「なんじゃ、こりゃ」な作品だが、最後の最後で彼は本当に
    更生したのか疑う期日があった。

    「何故、人を殺してはいけないのか?」との問いに、彼はこう答え
    ている。

    「どうしていけないのかは、わかりません。でも絶対に、絶対に
    しないでください。もしやったら、あなたが想像しているよりもずっと、
    あなた自身が苦しむことになるから」

    だめだ、こりゃ…。

  • これは
    最近読んだ生欲はどうなるんや

    意味分からんマジウケる~~(・∀・)(オーディブルうざナレ)
    じゃ済まんやん。。

  • 地元で起きた事件なので、どういった背景でこの事件が発生して少年Aがどのような人生を歩んでいるか興味があり読んだ。
    そもそもこの本は被害者のご遺族の了承を得ずに無断で作成され、ご遺族が望んでいる毎年の贖罪の手紙も本作が公表されたことを機に途絶えている。
    少年Aは自分の耐えられない程の自己顕示欲と遺族の感情を天秤にかけて前者を取った。

    許せないことだが、本作を読んで少年犯罪に対する考え方が変わったことも事実である。
    再犯をする馬鹿とは違い、作者は今を必死に生き、自分の罪と向き合い苦しんでいる(結果的に遺族間叙情を踏みにじる最悪の形となったが)。

    再教育プログラムはうまくいかず失敗したという見方が大半だが、私はそうは思わない。
    周囲の人の優しさに触れた時に、作者は良心の呵責で苦しんでいる。反省をまるでしていない者や人の心がない者はそもそもそれができないはずである。

    死刑にするより十字架を背負って生きる方が断然苦しいことだということがよくわかった。そうなると死刑にすべき人間とすべきでない人間の境界はどこなのかという疑問が生じる。
    妻にこの本を読んだ話をしても「やることやってるから死ねばいいしサイコパスだから本に書いていることも適当だと思う。苦しんで生きているならいい気味である」という反応が返ってきて、私がこの本を読む前の気持ちと同じだなと思った。
    ただ、この本を読んでもしかしたら彼は本気で自分の罪と向き合って生きているのではないかと思った。少なくとも今の私より何倍も必死に生きている。その姿勢は見習わないといけないと感じた。

    一生忘れないような本だったために、ただただ遺族関係者に同意をとらず出してしまったことが残念でならない。
    もう取り返しはつかないので、遺族が望む贖罪の手紙は再開してほしい。でないと彼らがあまりにかわいそうではないか。

  • ところどころ散りばめられた文学的表現が
    "知性"をひけらかす為なように感じ鼻につく。
    普通の人間だと思われたいのか、異常者だと思われたいのか、一貫性が無い。
    時系列もバラバラ。

    こういった猟奇的殺人鬼は家庭環境が良くなかったりというステレオタイプがあったが、本件はその限りではない。
    家族にも愛され、どこで道を踏み外したのか分からない。
    "精神的奇形児"として生まれてきてしまっただけなのかもしれない。

  • 犯行に至るまでの描写は胸糞悪かったが、しかしマイルドに感じた。それでも本当に人を殺めた人間にしか書けないものだとも思う。更生へ向かう気持ちの独白は、自分に酔ったナルシズムさは散見しつつも、彼の本心だとも感じた。母親に対する描写の少なさに違和感がある。祖母からしか無償の愛を与えられなかったのだろうか。
    創作の才能はあると思うので小説等書けばいいんじゃないか。(別名でもうやってるかもしれないけど。)

  • あとがきで泣いた、人や物の表現も読み物としてとてもユニークであったり、強烈な場面もしっかり書き込まれていて魂の一冊といえる。途中でお勧めされている漫画や小説の好きなシーン、大体自分と同意見のものばかりなところにもシンパシーも感じれた。でも勧めるにはかなり人を選ぶ必要がある、基本的に相手を怒らせてこの本の嫌味をたっぷり吐かれて終わるので。

  •  この本は、被害者遺族の同意なく書かれ、出版された。
     真摯な気持ちを伝えたいのであれば、私達野次馬ではなく、まず被害者遺族に伝えるべきだし、そうであれば、被害者の同意なく出版されることはありえない。後悔も反省もしていないことを行動で表しているようなものだ。
     けれど、被害者遺族視点の『淳』を読みどうしても、少年側の視点が見たいというゲスな感情から本書を読み始めた。
    (出版開始時に炎上したときから本書を読みたいと思っていたが、どうしてもこの本を買った金が、出版社やましてや少年A本人にいくことは忌避したため、古本屋で購入した。この事件関係では『少年Aこの子を生んで』という少年Aの母親視点の本をまず読んだのだが、これも被害者遺族への同意がなく出版されていたと購入した後に知り後悔した)

     まず内容はかなり読みにくい。学がないとはこういうことなのか、と思わされる。一方的な独り言を聞いているような、頭に入ってこない文字の羅列。
     出版するのだから添削すればいいのに……まるでこのレビューのよう。とりあえずダラダラ書いて推敲もせず放り投げたような文章。
     内容は、『それっぽい』ことを言っているが、かなり稚拙。
     前半は冷めない中二病。後半はそれっぽい反省。
     淳くん殺害事件にばかりふれるが、その前に殺した彩花ちゃんや、重傷を負わせた女の子についてはあまり触れない。やはり、世間への認知度が段違いだから、というのが大きく感じる。
     自分が変質的な殺人者として見られることに喜びを感じているのが未だ大きいのだろうな、と思う。
     命の重さについてではなく、自分が世間にどう見られるか、という……その、どこまでも「自分」「自分」「自分」という考えに、やはり本質は何年経っても変わらないのだな、と。
     また、淳くん殺害前に、友人に暴行(殺人未遂)を起こしていたとは知らなかった。この件は、学校内で問題となり、親を呼び出したが、警察沙汰にはならず、事件発生の防止につながらなかったことは残念だ。
     この暴行の内容は、少年Aの「決闘しよう」という言葉に、友人は遊びだと思いのったが(とくに険悪な雰囲気でもなく少年Aも怒っていたわけではないので)、少年Aは、腕時計を拳にまき、前歯を欠けさせるほどの力で殴り、ナイフをだしおどした、という内容。
     確かに、これだけだと、この後に行う殺人事件を防ぐのは難しく見えるが、実はこの時点で少年Aは、少女の殺人事件と、傷害事件を起こしている。もし警察に言っていれば、少年Aにナイフで傷つけられたものの生存した少女の証言により少年Aは逮捕できていたのではないか。実際、少女はかなりしっかりした子で淳君事件の後にAに対して自分に傷害を負わせたのはこの人で間違いないと証言している。
     しかし、Aの家族のAに対する愛情の深さがすごい……。出所したAを受け入れ日常会話をし、気を遣う。Aに暴行を受けた弟ですら、Aが兄で良かったと言う。
     警察も始終Aに親切で優しい。Aを責めない。逮捕が遅くてごめんとまで言う。法治国家において警察官は犯罪者に罰を与える者でないのだから、極めて正しい態度なのだが、被害者が守られず苦労している中で、優しい人に囲まれぬくぬくと世間のバッシングから保護されて生活することに理不尽さを感じる。
     出所した後も3ヶ月、3人という人員をさいて守っているのももやもやしてしまう。何故被害者ではなく加害者に人員をさくのだろう。いや、(Aを被害者とする)犯罪抑制なんだろうけど……。わかっていてももやもや。
     まあ、つまり、読んで得られるのはもやもやだけです。
     野次馬根性は満足するのでしょう。おすすめはしませんが。

  • 読んでいるだけで吐き気がするようなくらい人の心を踏み躙る内容だった。本当の意味で後悔や反省をしているならこの本を遺族に無断で発表なんてしないだろうし、そもそも本当に後悔や反省をしていたとしても被害者は帰ってこないし、遺族の傷も癒えません。

    この本の発売に際して関わった人間たちに新しく利益が少しでも入ることが嫌だったので古本で手に入れた友人から借りましたが、正解でした。
    何を書くことがあるのだろうと読み始めましたが、もう二度と読まないと思います。オススメもしません。

  • 評価に価しない。最低最悪の本。著者ともども、太田出版を大いに批判する。

    絶歌
    神戸連続児童殺傷事件
    元少年A
    太田出版
    2015年6月28日発行

    借り物じゃなきゃ、そのまま古新聞と一緒に捨ててしまうような本だった。レベルが低すぎる。反省が読み取れるとか取れないとか、以前の問題。知識も思考も浅薄極まりなく、本を出版するレベルではない。屁理屈にもならない論理で出版した強欲な太田出版は、親会社に所属する成金お笑い大物芸人が自分を文化人だと勘違いしているのと同じで、自社を文化貢献企業とでも思っているのだろう。
    「罪と罰」はじめ、色々な著作物を引用し、あたかも理解し、正しく引用しているかのように書いているが、全体を通してコピペのような安っぽさと、奥行きのなさがぷんぷん。作家か評論家気取りで、三島由紀夫論、村上春樹論を語るが、とんちんかんのきわみ。チェ・ゲバラ評に至っては「根っからの戦闘ジャンキー」などと、まるで勉強していないことを露呈している。

    この本が出た時、各公立図書館は購入予定なしと答えていた。大阪市の図書館も断言し、検索しても出てこなかったが、最近調べてみるとちゃんと税金で購入しているではないか。しかも、初版本。元々、買っていたくせに市民に虚偽報告をし、ほとぼりが冷めた頃に公にしたということだろう。知っている人にはこっそり貸していたはずだ。強い憤りを感じる。でも、我々の税金で買われた以上、読まないわけにはいかない。

    何年か前、英会話講師を殺した千葉大生の市橋達也が書いた本を読んだ際、宣伝になるから書かなかったが、結構、面白いと思った点があった。しかし、この本はまるでダメ。まあ、それは言えると思えるのはたった1ヵ所だけだった。表面的には謝罪を繰り返しているが、随所で剥落し、取り繕いであることがバレている。事件と母親は関係ない、自分は何と言われようが仕方ないが、母親が非難されることは我慢ならない、と安っぽいドラマのセリフのような下りがあるが、誠に稚拙で、自己分析しているように書いておきながら、少年犯罪と母親との関係を無視しろなどという主張は、噴飯ものもいいところ。

    こんな本は絶対買ってはいけない。そして、出版を思いとどまらせるべきだった太田出版も許してはいけない。図書館で借りて、読んで、著者にも出版社に対しても、大いに批判して欲しい。

  • 少年Aの心情が書いてあって、初めはかなり怖かった。

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