スナックちどり (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 二人の女性のふたり旅。

    ばななさんの小説はいつも優しくて、なんだか心が疲れていたり傷ついていたりしているタイミングの人にピンポイントで刺さり、おそらくとても癒やしを与えるストーリー。

    この物語も、それぞれに結構辛い体験をした直後に、ふたりのいとこ同士がイギリスのランドエンドという、文字通り世界の果てのようなところに旅して、お互いに心の安らぎというか平穏を取り戻していく過程のお話。

    ひとつひとつのエピソードや、心優しい素敵な登場人物たち、とくに二人の祖母であるスナックみどりのママ。
    彼女のことがとてもとても大好きだったんだろうなぁ、というちどりの言葉がいちいち染みる。

    何もかもが暖かく、優しく、傷口を癒してくれるような文章。
    これぞよしもとばななワールド。


    夕方になって窓を開けると気持ちのいい風がおだやかに吹いていたので、まだ明るい青い空と雲と、古びた白い壁の建物を見ながら、ベランダで窓枠に持たれてずっと読み続けた。

    不思議なもので、その本を読んでいたとき、そのときどこで、どんな状況だったのかを明確に覚えている本というのがある。

    多分この景色と、この風と流れていたビル・エヴァンスのHow My Heart Sings #2 (Live)を、この小説のタイトルを目にするたびに思い出すんだろうなぁ。

  • ん〜吉本ばなな節

    人間の寂しさとか、
    愛しさ、とか、、、
    物語に流れる空気感がいい〜

    異国の静かな街、ってのがまたいい〜んだろうな

    食べて、寝て、泣いて、笑って、少し先の未来の話をして、セックスして、、、
    限りなく日常なのに、
    非日常な旅の途中ってのがいい

    やっぱりここに戻りたくなるよ、吉本ばなな、笑

著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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