君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 複雑すぎて少々(いや随分)分からない部分が多い。
    並行世界への移動プラス時間移動など、「僕が愛したすべての君へ」よりも複雑で、深い。

    主人公の暦は、栞を助けるためだけに自分の人生を捧げていて、それに付き合ってくれた和音は素敵な女性だと思う。

    それぞれの並行世界でそれぞれの苦悩があり、その世界の自分がその苦悩とたたかっている。

    2冊とも読まないと完結しない物語。

  • 切なさという点ではこちらの方が切なく、虚しい気持ちになった。
    両作品とも読むと本当に素晴らしい作品だと感じた。

  • 両方読まないと謎だらけ。
    両方読んでも、謎は残る。

  •  『僕が愛したすべての君へ』とパラレルワールドになっているSF恋愛小説です。どちらから読んでもいいということで私はこちらを先に読みました。
     複雑な設定に加え、さまざまな平行世界や時間軸が登場するので難解な部分もありますが、繰り返し同じ説明が入り、読者が置いてきぼりにならないように工夫されています。テンポよく読み進めることができました。

    ~~~~~
     最初の印象では、いかにも男性が書いた恋愛小説、と感じさせる要素が目につきました。主人公・暦のヒロイズムに溢れた言動や、少し無鉄砲だけれど純粋無垢なヒロイン・栞の描かれ方などです。
     しかし、物語が進んでいくと予想を裏切る展開の連続にどんどん引き込まれていきました。絶望的な結末の予感と緊迫感で一気に読みきりました。

     栞を救うことに人生を捧げる暦の死生観には胸を締めつけられるようでした。幽霊になった栞の感情が希薄になっていったように、暦は自分の人生への執着をなくしていったのかもしれません。最後には自分と栞が出会うことがない世界で生まれ変わることを選んでしまいます。それは一見、本末転倒のようにも思えますが、可能性の限りを尽くした結果の諦めであり、暦の気持ちを思うと、ただひたすらに虚しく、切なくなりました。
     しかし、感情を揺さぶるバッドエンドだからこそ惹きつけられ、とてもつない読了感を味わうことができたのだと思います。心に爪痕を残していく作品でした。この作品に出会えて本当に良かったです。

  • もう一冊のほうに比べるとバッドエンドです。自分と知り合ってしまうととたんに不幸になる彼女の運命に、耐えられない主人公が一生かけて彼女を救う話。
    それだけのために生き、自分はどうなってもいいという狂気が見え隠れします。
    そしてもう一冊につながるので、両方読んでこそですね。

  • 「僕が愛した…」と合わせて読了。

  • 「僕を愛したすべての君へ」と対になるSF小説。私は「僕を愛したすべての君へ」を先に読んでからこちらを読んだ。
    主人公はどちらも同じ。子供時代から老年期までの一生を描いているのも同じ。ただ異なる並行世界を生きていて、それゆえにそれぞれ決定的に違いつつも、想像しない形でお互いに関係していた。
    どっちを先に読むべきだったのか、はもう今となってはわからないけど、なんとなくこの順番で読んで良かったと思う。そうでなかったら両方読めなかったかも。そのぐらい、こっちは悲しかった。でも、これだけ悲しいと思えるのも、「僕を愛したすべての君へ」の後に読んだからなのかも。とか色々考えさせられる。なんにせよ面白かった。

  • (2022/343)『僕が愛したすべての君へ』と遂になる、別の並行世界を生きる暦の物語。ワンアイデアをベースとしたSFファンタジー✖️純愛なのは同じ。僕としては『僕が愛した〜』から読むことをお勧めする。ワンアイデアでもある並行世界に関する描写は『僕が愛した〜』の方が頭に入り易いと思うし、冒頭でのリンクが楽しめるし、本作の主人公の狂気も何とか許容できる(正直、本作の並行世界での暦は好きになれない)。

  • 友人に勧められて読んでみた。
    普段読んでいるものとジャンルは異なるが、アニメを見ているかのように楽しめた。突然両親が出てこなくなる壮年期などに、おや?と感じてしまう節はあったが、それも含めて主人公が1人の女性しか見えていない演出なのかな。サクッと読めるので、一日でもう一作(僕が愛したすべての君へ)読める!

  • 2冊セットで愛おしく泣ける。どちらから読んでも、また他方に戻っても。

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著者プロフィール

1981年大分県生まれ。2012年、第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『ミニッツ ~一分間の絶対時間~』(電撃文庫)でデビュー。初の一般文芸作品『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ともにハヤカワ文庫JA)を同時刊行して、大きなヒット作となる。ほかに『ラテラル ~水平思考推理の天使~』(電撃文庫)、『正解するマド』(ハヤカワ文庫JA)など、トリッキーなアイデアを武器とした作品を得意とする。

「2021年 『アイの歌声を聴かせて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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