イギリス近代史講義 (講談社現代新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • イギリス近代史というタイトルだが、それよりも遥かに広い視野の本。
    はじめに経済成長の意味、その起源、ヨーロッパの世界支配、次にイギリス産業革命を切り口に、なぜイギリスで起こったのか、衰退したのか、その原因は何かということをイギリス社会を描写しながら軽快に語っている。
     読みやすい本だが、内容は重いものであり、2010年発行だが、日本の衰退が盛んに言われる中、ますますこの本から学び考えることが多いと思う。

  • 川北さんの著書は何冊か読んだことがあり、今回も偶然見かけたので購入。イギリス産業革命の原因を奴隷貿易による資金確保だと結びつけるのは、受験生にとっては分かりやすく、理解しやすい解釈であるが、それだけでは説明がつかないという視点が述べられている。

    また、イギリス文学好きな自分としては、文学作品の例を出しながら説明してくれているのが、わかりやすく楽しかった。イギリス社会がかなり昔から晩婚社会であったという事実も、今までのイギリス文学作品を振り返ってみると「確かにそうだ!」という発見があった。

  • あとがきで「近代経済史のような、社会史のような、文化史のようなよく分からない構成」と作者が書いてる通り。経済史の配分が重め

  • 再読。通史と言うより、著者の言いたいことなどを興味深そうなことと絡めてトピカルに述べる感じ。まさに大学の講義。改めて感じたのは、成長パラノイアということについて、昔から言われていることだが成長神話はいまだになくなっていないなあと慨嘆。もっと本書などは読まれるべき。成長の裏に悲惨があるのだ。また、ヨーロッパの主権国家とアジアの帝国の対比なども詳しくわかりやすく書かれていて良かった。15でねいやが嫁に行かなかったイギリス。ライフサイクルなども面白い。「衰退」についての議論などは改めて深めてみたい。

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著者プロフィール

1940年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科博士課程中退。大阪大学大学院文学研究科教授、名古屋外国語大学教授、京都産業大学教授、佛教大学教授などを経て、現在、大阪大学名誉教授。著書に『工業化の歴史的前提』(岩波書店)、『洒落者たちのイギリス史』(平凡社)、『民衆の大英帝国』(岩波書店)、『砂糖の世界史』(岩波書店)、『世界の歴史25 アジアと欧米世界』(共著、中央公論新社)、『イギリス近代史講義』(講談社)、訳書にウォーラーステイン著『史的システムとしての資本主義』(岩波書店)、コリー著『イギリス国民の誕生』(監訳、名古屋大学出版会)、イングリッシュ/ケニー著『経済衰退の歴史学』(ミネルヴァ書房)、ポメランツ著『大分岐』(監訳、名古屋大学出版会)他多数。

「2013年 『近代世界システムIV』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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