団地 [Blu-ray]

監督 : 阪本順治 
出演 : 藤山直美  岸部一徳  大楠道代  石橋蓮司  斎藤工  冨浦智嗣  竹内都子  濱田マリ  原田麻由  滝裕可里 
  • Happinet
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953086210

感想・レビュー・書評

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  • 映画に限らず、タイトルが単語で終わっている作品は見られる前からその中身をあれこれ予想される。
    本作に関しても、(父のように)きっと如何わしい内容あるいはホラー作品を予想する人が出てくることだろう。ただの団地生活を描いたものでは絶対ないはずと私も思っていたが、蓋をあけて見ればただの団地生活、そしてほんの少しの異世界だった。

    斎藤工のやたら朗らかな表情に珍行動、「五分刈りです」を始めとした珍語録のほか、シュールな場面・登場人物が盛り沢山。(斎藤工は群を抜いてシュールだった、あの「五分ー…」はいつ見ても笑いを誘う)
    一人の住人が消え、それに伴って団地の住人がこぞって警察沙汰にさせようとする等、暫くあり得なくもないエピソードが続く。「あり得ないということがあり得るのが団地」という奥さんの発言にも妙に信憑性がわくし、「団地」というコミュニティをよく表していると思った。

    ほぼ全員が関西弁で(よく他の作品で見られる)変な関西弁が展開されることもほぼなかった。(奥さんの関西弁が少し引っかかったが、関東出身の夫の影響だろうと考えることにした)
    過去に悲しみを抱えつつも今を淡々と生きる藤山直美と打たれ弱すぎる岸部一徳の夫婦漫才が本作の中で一番好きだ。夫の珍行動に振り回されながらも、終盤にはせっせと漢方薬作りに二人で勤しむ姿に自然と心が温まる。
    藤山直美と言えば松竹新喜劇のポスターでお見かけすることが多く、彼女の作品にお目にかかったのも本作が初めてだが「笑いあり涙あり」のお話が本当によく似合っている。

    斎藤工ファミリー登場への持って行き方が聊か雑だったが、この時にあの「あり得ないということがあり得るのが団地」発言が生きてくる。(彼らと行動を共にしても夫婦漫才のペースを失わない藤山さん岸部さんがやっぱり好きだ笑)
    何処にでもあるような日常に思えて、実はあり得ないことだらけの団地生活。蓋をあけて、しっかり中身を見て頂きたい。

  • ほのぼのゆるゆる系かと思ってたらとんでもない!予想外の展開にびっくりしました。
    団地の中で繰り広げられるゆるーくて意味のなさげな会話の1つ1つ、そして色物的なおかしな人々が全部伏線とつながって行く、コメディ的要素もありながらちゃんと真面目で深さもある、なかなかの骨太なストーリーだったのでいい意味で期待を裏切られます。

    深い悪意はなくても、ちょっとした好奇心でじわじわと人を貶める人の噂とか、他人から何かを奪おうとする欲を持つ人間たちの愚かさや、弱さなんかを、団地というわかりやすい枠を通して見せる。
    傍観してちょっと嘲笑いながら、ちょっと我が振り治そうと思ったりする。

    藤山直美さんの真面目すぎて滑稽な主婦ヒナ子と、地味でおとぼけな岸部一徳さん演じる清治。
    いそうでいない、親近感のわく山下夫婦に加えて、斎藤工さん演じる瞬きせずにヘンテコな日本語を話すこんなやつ居ないと言い切れる真城さんのキャラクターがツボでした。
    こんなこと言うと全国の女子から総攻撃受けそうですが、私実は斎藤工さん苦手でした。
    器用すぎるイケメンに胸焼けしてて、、、
    でも、これ観て流石だって思いました。
    苦手なこと忘れてすっかり真城さんの虜です。

    星新一の世界観が子供の頃から大好きなのですが、この作品はあの星新一の作品を読んだ時の??感とワクワク感、満足感が似てるんです。
    地味だけど、なんだかほっこりするようなあったかいナニカを与えてくれる、日本映画でしか観られない雰囲気の作品でした。

  • 意外な結末。いい話だった。

  • [鑑賞方法:ユナイテッド・シネマ・アシコタウンあしかが]

    ■一言
    エキストラで父、出てます。

    ■感想
    舞台は大阪。大阪と言う名の異世界。普通の団地社会にありがちな「日常」と「風景」にまさかの展開。なぜそうなる?

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著者プロフィール

映画監督。
1989年、『どついたるねん』で第32回ブルーリボン賞最優秀作品賞を受賞。
『顔』では、日本アカデミー賞最優秀監督賞、キネマ旬報ベストテン第1位など、主要映画賞を総ナメに。
その後も『KT』『亡国のイージス』『闇の子供たち』『座頭市 THE LAST』『大鹿村騒動記』など多数の作品を手がける。
最新作は、湊かなえ原案、吉永小百合主演の『北のカナリアたち』。

「2013年 『大阪に東洋1の撮影所があった頃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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