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感想・レビュー・書評
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あいつは見るのだ、本物の戦を。
信長vs本願寺、睨み合いが続く難波海に敢然と向かう海賊王の娘。壮絶な陸海の戦いが幕を開ける。
時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。
時代背景、登場人物、物語の推移のすべてが秀逸。
展開が面白く、登場人物たちの魅力を十分に引き出している。
能島村上の景姫に心惹かれずにはいられない。
木津川合戦に至るまでの推移や合戦の模様も、
まるでその場にいるかのごとく伝わってくる。
決して重苦しい小説ではないが、読了後の満足感がたまらなくいい。
何度も再読したい一作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
のぼうの城でもそうだったが、最初は歴史物に馴染めず1巻目の途中まではなかなかページが進まなかったが、途中からストーリーに引き込まれた。時折分からない言葉もあったが、ダイナミックな言動がつたわり面白かった。
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戦国時代に、瀬戸内海の覇権を握っていた海賊王の村上武吉。
その娘が主人公です。
この娘、
「兄弟の中で唯一父親の豪胆さをうけついでいて、海賊仕事に精を出す毎日をおくる、嫁の貰い手がない醜女(しこめ)」
という、ものすごい設定になっています。
この娘が、信長の時代の、石山本願寺の合戦や、木津川口の戦いで活躍します。
これはそのうち映像化されるだろうな~。
20161031 -
戦国時代の瀬戸内海賊を、景を通してコミカルに書かれている。読み手を飽きさせない作品と思う。
能島に戻った景姫の小袖に腰巻き姿を見てみたいと思ったのは私だけでしょうか? -
歴史小説を多く読んできたつもりだったが、今まで知らなかった織田VS本願寺の中の局所戦である、第一次木津川口の戦いがとても鮮やかに記述されている。その当時の織田家包囲網の状況、日本の海戦について記述されておりとても新鮮だった。また、岡山の瀬戸内から大阪にかけての瀬戸内海の風景についても素晴らしく感じることができた。
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何のために戦うか、
何のために生きるか、
何のため命をかけるか、
お前は何に命をかける、と問われたような作品。
本を開く前は海賊娘が織田方に武勇をひらめかすのかと想像していたけど、その予想はすぐに外れた。冒頭では天真爛漫な姫を描かれていたが、はじめて戦場に赴いて戦慄してしまった。今後のどうなるのかとハラハラと読み進めると、要所要所で登場する父の姿に感激。残虐な海賊の頭領とは思えず、ただ娘を思う一人のバカ親父だった。それでいて毛利の知将でさえ描けなかった戦の展望を一人描ききる名将っぷりも遺憾無く発揮する影のキーマンがいた。
メインは娘中心に進み、迷いのあった姫も最後には己の心を決め、どう生きるのか、腹に括り最後の戦いに臨んだ様は海賊たちにも読者にも勇気を与えたのではないかな。
お前はどう生きるのか?
迷いながらでも前に進む若者の物語。 -
面白かった。史実に忠実に描き、さらにストーリーもしっかりしているのでどんどん引き込まれていった。第四巻を読む頃には、読むスピードが倍速になっている自分が笑えるほどであった。
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面白かった。史実に忠実に描き、さらにストーリーもしっかりしているのでどんどん引き込まれていった。第四巻を読む頃には、読むスピードが倍速になっ...面白かった。史実に忠実に描き、さらにストーリーもしっかりしているのでどんどん引き込まれていった。第四巻を読む頃には、読むスピードが倍速になっている自分が笑えるほどであった。2018/09/26
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なんといっても主人公の振る舞いが豪胆で、行動基準がわかりやすく、読んでて気持ちよかった。
いつか海賊の地、瀬戸内に行ってみたい。 -
主人公の景がとてもかっこよかった。村上海賊の男立ちも、眞鍋海賊も義清も孫市も、みんな自儘に生きるその様はとても憧れる。こんなカッコよく生きるなんてきっと私は無理だ。