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感想・レビュー・書評
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Twitterでおすすめとして流れてきた本書。
天皇が変わり、平成から令和に時代が変わったにも関わらず、
象徴としての天皇が何をしているのかも知らない中で、
「皇室外交」という、聞きなれない言葉に惹かれ購入。
実際に、日本において、天皇皇后両陛下は、象徴であり、政治や経済には関与しておらず、影響をもたらしていないという認識だった。
ただ、実態との、また世界からの見られ方のGAPを知ることができた本書。
平成天皇皇后のことを中心に書かれた本書ですが、
読了後、長い間お疲れ様でした、と言いたくなります。
日本人として、読んでおきたい本かと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Kindle Unlimitedで読了。こういう本にたまに出会えると良いなぁと思います。
本来「外交」という機能を持たないはずの日本皇室が、実際に果たしてきた役割を丁寧にまとめあげた本。端々の会話や晩餐のメニュー/ワインリストまで載せつつ、その背景までを紐解いていきます。
読了してみると、日本国民の象徴としての役割を、こうもひたむきに果たされていることか、と頭が下がる思いでした。同時に、なるほど日本国の国際関係において皇室が果たす役割は大きいのだなと。
ボリュームも軽めなので、ぜひ広く読まれてほしい一冊です。
※個人的には、読書に関して上皇后さまが仰っていた下記の文には胸を打たれました
読書は、人生の全てが、決して単純でないことを教えてくれました。私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。 -
今まで知らなかった皇室外交の成果が分かってとてもためになりました。
皇室の外遊がこんなに意味があるなんて知らなかった。
そして、天皇陛下と皇后陛下のお人柄の良さが伺えて、このような方たちが日本の象徴として活躍していただけることをありがたく思いました。
私も自分の姿勢を見直さなくてはとも。
いろんな人に広く読んでいただきたい一冊。 -
詳細については知らないことだらけでしたが、皇室に対するポジティブなイメージは元々持っておりその理由を言語化した時に同本の内容とあまり差はなかったです。
皇室外交はないです、という立場は理解するものの、そういうスタンスだからこそポジティブな影響がある側面と、日本でポジティブな感情を集め続ける存在としてだけでも外交の的にはなる側面も感じた。 -
外交がそこまで上手ではない日本において、皇室がどのような役割を果たしてきたのか理解できる。
天皇家が云々ではなく、皇室って国として有利な武器だよねって思えた -
これを読まなかったら全然、明仁天皇がなにを思って行動してきたのかに思い至らなかった。
ニュースなどで第二次世界大戦時に日本軍が占領した国に訪問し、慰問されているのを知ってはいたけれども、なぜ天皇がそれをされているのかの背景がわからなかった。
しかし、この本を読んでいる途中で気がついたのだけども、明仁天皇の父親が昭和天皇だったからなんだなと。父である昭和天皇には戦争を認めた責任者であり、戦闘の継続を認可していた人物でもある。
このことに気がついた時、自分の父親が日本人だけでも300万人が戦死、日本人以外にはどれくらいの死者や、戦争被害者を生み出してしまったのかということに対する責任を感じずには居られなかったのではないだろうか?たぶん、日本のA級戦犯の身内の中で唯一表に出ている方なのではないだろうか。
明仁天皇が御退位されるまでの、数年の活動には謝罪と責任に対する義務感があったのではないだろうか。その行動を日本人として受け止めなくてはと思える、とても良い本でした。 -
「天皇は国民の象徴である」「天皇は政治に関与しない」
教科書などで誰しも一度は見たことのある文言だと思うが、タイトルにある「皇室外交」が示す通り、実際には皇室の方々の一挙手一投足には(本人の意志に関わらず)意味が出てしまう。これにより、他国への訪問や来訪自体に外交的、政治的意味合いを完全には排除できない。
この皇室外交という概念を理解できただけでも本書を読む価値はあったと思う。
SNS等で有名人が「影響力を考えろ」と(しばしば批判的な意味で)投げかけられているが、影響力の究極体が天皇の一挙手一投足である。とすると、これらの批判もくだらないと一蹴してよいのかと考えてしまう。そして外交のセンシティブなやり取りが本書で理解できた。
加えて皇族は世界でも有数の歴史を持つ一族であり、選挙のたびに交代する大統領とは異なり、各国の王族としての時代を超えた深いつながりが存在する。
最近では小室雅子さんの件もあり、皇族と現代の人権感との乖離が取り沙汰されることも多い昨今、皇族自体の継続についても物議を醸しているが、本書を読んで皇族の実利的な意味を含め、考え方を改めさせられた。 -
目次
第1章:宮中晩餐会では「だれに対しても最高のものを」がルール
第2章:昭和と平成、皇室2代にわたるミッテランとの友好
第3章:皇室外交の要としてのおことば オランダの反日感情を融和した両陛下
第4章:美智子妃とヴァレリーさんの頬ずり フランス3代の大統領と皇室
第5章:英王室と皇室の長く深い縁 戦中、戦後の怨讐を超えて
第6章:終わりなき「慰霊の旅」 サイパン、パラオ、フィリピン
第7章:国際政治に寄せる両陛下の関心 歌に込められたその思い
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タイトルの通り皇室外交について、新聞記者の著者によって書かれた本。第1章で宮中晩餐会の理念を解説し、その後は具体的な外交の事例を紹介していく。
皇室は政治とは無縁であるはずだが、実際は紛れもない外交資産であると著者は説く。そのへんの話(政治と皇室の関係)や宮中晩餐会、ひいては皇室外交の理念を解説していた最初の方は面白く読めたが、後は具体例が続き、第4章ぐらいから完全に飽きてた。途中から not for me というやつだったのかもしれない。 -
ニュースでちらっとしか見ることのない、陛下の海外訪問などの歴史や話。
皇室には外交はないというが、海外からみれば外交以外のなにものでもないだろう。もっとニュースなどでもスポットをあてていい。 -
皇室が以下に各国と歴史的な信頼を築き、外交に寄与してきたかを物語る本。
国賓の扱いや、歓迎会でどのようなワイン、料理が出ているのかなどなかなかこの本で無いと知れないような事を知れて、皇室や天皇陛下の昔の話も知れて興味深い本でした。
最後になってくると同じような話が続いて少し冗長でした。