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感想・レビュー・書評
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その仕組みから、よく分からないと言われる量子コンピュータが、どの様に人工知能に活用ができるのか?その交わる部分は、どの様なもので、何が起きるのか? この本を読んで、量子コンピュータと言われるものが、2種類(量子ゲート方式と量子アニーリング方式)存在していたと言う事を知った。本書では、量子アニーリング方式を中心に、その仕組み部分にフォーカスが当たっている。
アニーリングという言葉は、日本語だと焼きなましと言うらしい。これは量子に対して横磁場をかけて少しずつ弱めて行くことで、解を導けることから付けられたそうな。量子アニーリングをベースに作られているDwave社の量子コンピュータは、2000量子ビット程度を使用し、これがキメラグラフと言われるアーキテクチャで接続されて処理をしていて実用化されているという。
量子ビットは一つで同時に0,1のどちらの状態も保持できるらしいのだが、疑問だったのは、横磁場を弱めていく事で、状態が安定して、0か1が確定し、解が導けると言うところ。これは、計算の前に、ビット間の『相互作用』を設定しておく事が肝で、相互作用が分かっている前提の元で、『最適解を高速に導ける事』が、量子コンピュータという事らしい。
現在の人工知能のベースとして注目が集まっている機械学習は、大量のサンプルから、微調整をしながら、相互作用(アルゴリズム)を導きだすという事で、結論としては、機械学習で相互作用を見つけて、その相互作用を量子コンピュータに設定する事が出来るって言ってるような… なんか、ぐるぐるしてしまった。
著者は、共に大学教授の西森氏と大関氏で、物理の先生かつ、『量子アニーリング』の発案者という事で、考え付いた先生達によって書かれている。
なんか、読解力が足りないからか、量子コンピュータと人工知能の交わる部分がイマイチすっと入って来ない… と、悩んでしまったのだが、この領域は、最先端であり、答えはこれから創り出していけば良いんだな!と。
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今流行りの(?)D-Wave量子アニーリングマシンとか、それをどう最適化問題や機械学習に利用するのかなどわかりやすく説明されていた。特に引っかかるところもなくわりとするすると読めた。
D-Waveの技術基盤には日本発の成果も多いので、それと絡めて、基礎研究の重要性をアピールしつつ、基礎研究するだけでなくその応用・ベンチャー志向についても強くアピールされている。
著者の一人がベンチャー企業を立ち上げた、というニュースが流れてきていたタイミングで1年以上前に買ってあったこの本を読んだ。 -
量子コンピュータがどのような構成なのか知ることができた。量子云々で貫き通して欲しかったが、人工知能の事が中途半端に書いてある。