スピノザの世界 (講談社現代新書) [Kindle]

著者 :
  • 講談社
4.11
  • (2)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 66
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (177ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • スピノザの独特の(難解と感じるほどに)認識の仕方、その哲学を理解するための導きとして書かれています。なぜ「エチカ」の書き方に辿り着いたのか、著名なのに著作が少ない理由、スピノザの個性(個性が必要ない)的な考え方。その全てに通じる思想に忠実に貫かれていること、それを幸福と考えていること。その徹底さを知ることから、スピノザが何をしようとしていたのかを伺うことができます。世の中に必然があるとまでは言えませんが、ちっぽけな人間が考えることなど知れていて、大きなものの存在の中で生きているに過ぎないことを感じられます。そのようなものについては、知覚できなく、認識できなくとも、必然的に存在していることを証明という形で示されているスピノザとその著「エチカ」の基本的なエッセンスを学ぶことができます。

  • ■著者が扱っているメインテーマ
    スピノザの望んだ世界、ミニマリズムとは?

    ■筆者が最も伝えたかったメッセージ
    自分はこの世に一人しかいないという必然と
    現実が一つで、それは神であるという必然性とつながっていることになる。

    ■学んだことは何か
    すべての事物が必要性と理解できれば、どんな嫌な感情が生じても
    共通の原因の「神あるいは自然」が認識でてきているので、感情に振り回されることが少なくなる。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1951年生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。
著書
『スピノザの世界―神あるいは自然』(講談社、2005年)
『デカルト、ホッブズ、スピノザ―哲学する十七世紀』(講談社学術文庫、2011年)
『哲学者たちのワンダーランド―様相の十七世紀』(講談社、2013年)
『スピノザ『神学政治論』を読む』(ちくま学芸文庫、2014年)などがある。

「2017年 『主体の論理・概念の倫理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上野修の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×