完璧な母親 (幻冬舎文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ちょっとややこしい話。

    溜池で女の子が1人溺れて、それを助けた男の子も溺れる。女の子の母親(妊婦)が棒切れで助けようとする。棒に男の子が捕まるが、自分の娘を優先して男の子のコメカミを打って娘だけ助ける。
    目撃者に永遠にゆすられる。

    母親は生まれてきた子供が男の子でコメカミにアザがあったことから生まれ変わりだと思って冷たくするし虐待もする。

    死んだ男の子の母親は、次こそは完璧な母親になろうと、同じ誕生日に女の子を産み、死んだ男の子と同じ名前をつけて生まれ変わりだと言い聞かせて育てる。誕生日にも、死んだ兄の分と自分の分の誕生日プレゼントを貰う。

    生まれ変わりの男は、家庭崩壊し、姉と母とは別で育ち新聞記者になる。姉を探すと、引き篭もりになった姉に再会し、自分は溺れた男の子の生まれ変わりだとのたまう。

    生まれ変わりの女は、人を愛せなくなり、母親との関係も歪が続く。

    姉の方が事実を母親から聞いて母親を刺殺し、全ての真実を知る物語。イヤミスかな…

  • 掴みはよかったけど、伏線の回収が出来ていないところがありモヤモヤする。著者の文章が読みやすいのが救い。

  • インパクトのあるタイトルから手に取りましたが、読むのを途中で止めようか迷いました。第三章から話が変わったと思ったら後半に繋がります。母親も十人十色。完璧な母親はいないはずだが、それを求めるのは結局自分自身じゃないだろうか。

  • これはミステリーなのか。一応推理要素はあるが心理描写が多めで中弛みしてしまった印象。蔓井親子の下りはもう少し短くても良かったかもしれない。登場人物がみんな不憫で悲しい。


  • もっと「きっもちわる……」を求めていたから物足りなかったかも〜

  • 著者の作品を、できるだけ時系列で読んでみようと思い、初読でこれを選んでしまったのはちょっと間違っていたかもしれません。
    社会的に注目を浴びがちなテーマを扱っていること自体が、根本的な部分で下駄を履いていることを改めて感じました。
    輪が閉じていないので、ミステリーとも言いがたい・・・。
    なんともいろんな意味で後味の悪い作品です。

    全体的に惹きつけられるものもない(むしろ途中で投げようかとすら思えるほど)ので、後味の悪さが作品の良さ、というものでもありません。
    好きな人は好きなのかもしれませんが、私にはちょっと消化不良感が満載の作品でした。

  • 「本格ミステリ」にしては伏線回収もろくにされず結末もやっつけ感?満載で物足りなかったが、話運びに勢いがあり一気に読了。自分の記憶にない「お兄ちゃん」を物心つく前から認識させられ、常に自分を素通りする母の目に「お母さんは、いいお母さん」と唱え続けた幼少期に、心のどこかが壊れてしまった波琉子。最愛の第一子を救えなかった知可子と、7歳まで亡き息子の身代わり人形として愛され続けた波琉子二人の親子関係は大人になってからも平然と続くが、「赦す」「赦される」の絶妙に張り詰めた糸はどう解されるのか…?全編読んでも二人の行き着く先は曖昧で、はっきりとした結論が出ず何がしたかったのか?という印象。第二章で登場する姉弟ー秋絵と成彦とは正に「お兄ちゃん」の死によって繋がっていたが、その繋がりはあまりにも悲しく、全員の人生を壊した要因でもあった。とはいえ「悲しすぎる」という以外に特に感想はなく、家族愛やら過去の因縁やら毒親やらというテーマで考えるにしても只々不完全燃焼。既婚者と一夜の関係を持った波琉子が決意する「兄を産み落とす」どうこうも中途半端。そこまで”家族”や”母親”に拘るのなら、命を宿すという母親の母親たる行為についてちゃんとしたオチが欲しかったかも。

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道札幌市育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。
著書に『熊金家のひとり娘』『完璧な母親』『大人になれない』『いちばん悲しい』『ある女の証明』『祝福の子供』『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』などがあり、近刊に『レッドクローバー』がある。

「2022年 『屑の結晶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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