- Amazon.co.jp ・電子書籍 (95ページ)
感想・レビュー・書評
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ライター二人が語るイベントというところで、実際は客席交えた会話も出てくる。いわゆるイベントの起こしという形。
臨場感として、場の雰囲気が出ていると思っていて、なかなか興味深い。
ライターがテーマだが、自営業、フリーランス、仕事とか、働き方のテーマを横断するかなと。
面白かったのは、ライターとして「いやしさ」みたいなのがあったほうがいいという話。卑しさとなると思うが、これは一発なにかやってやるでもいいし、これだけはやらないとなとか、このテーマであればお金が微妙でもやりたいとか、自分なりのテーマみたいなものとか、こうしていきたいというもの。
確かにそういうものがほぼないなら、ある仕事を回していくという意味で、会社などに勤めた方が楽だと思う。逆にそのシステムが合わないというのを「駄目人間」とは言葉遊びに過ぎないが、そうなるなら別のことをやっていくみたいな着地になるかと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Kindle Unlimitedに入っていたので読んでみたもの。
ベテラン・ライター(米光)と駆け出しライター(青柳)の対談。2014年に行われた同名トークイベントの書籍化である。
分量も少なくて(文庫本50ページくらいに相当)サッと読めるが、私には得るものはなかった。
タイトルのとおり、〝主人公〟は若手ライターの青柳美帆子のほうなのだが、彼女の書いたものや人となりを知らないとわからない部分も多い。私のまったく知らない人なので、その分置いてけぼり感。
ただ、ベテランライター代表である米光一成は私と同い年でもあり、彼の発言には共感できる点が多かった。たとえば――。
《ライターがライター業界を語るときの罠があると思うのね。ジャンルによってもぜんぜん違うし、出版社によってもローカルルールがたくさんある世界なのに、自分の見えている場所のことをライター業界全体だと思ってしまう。紙だからいいとか、ネットだからダメとか分類が雑すぎる》
《週刊誌で〆切3日前に書評を書いてくれという依頼が来て、3日では書けませんって断ったの。まだ働いてたし、そのころ、推敲は書き終わったら一晩寝かせてからするというルールを厳守してたからね。で、その断った枠に誰が書いてるんだろうと気になって見たら、永江朗さんだった! しかもすばらしい出来でさー。永江さんみたいな大ベテランの方が断らずにやってるのに、おれなんかが断ってたら、やっていけなくなると思った。それから反省して断らないことにした》