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- / ISBN・EAN: 4988142261816
感想・レビュー・書評
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切なさやら寂しさやら温かさが詰まっていてすごく好き。
見方によってはえ~なにそれ~っていう部分もあるけれど、
一度は故郷を離れる決意をした人は共感できる部分も多いのでは。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずっと泣きっぱなしだった。劇場じゃなくてよかった。愛情と優しさに溢れた作品。
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まず、シアーシャ・ロナンの存在が良い味わいに仕上げていることをまず言っておきたい。
映画の進行は自分が新たな地で築いた幸せのカタチと、自分を作り上げてくれた肉親と故郷への郷愁がエイリシュの心の中で揺れる姿を描写することで観るものを惹きつけていく。
私は、トニーの不安でたまらない気持ちと独りになった母のエイリシュを手元に置いておきたいとすがる気持ちが交互に、アイルランドに戻るエイリシュ心に‘ 『それでいいの』と囁きかけていた。
結婚や移住といった自分を作り上げてきた世界と離れて、新たな世界に入るということは多くの人が経験することだけれど、この地理的な別世界にしろ関係的な新たな世界に住むにしろ、自分を作り上げてきた世界の延長線上にあるようでいて、同時にそこには住むことはできない世界でもある。
その世界から抜け出さないと手に入らない自分の将来の姿があるのも事実。
決断をしなければならないことには随時出くわす。だけど、決断って何か分岐点のようなイメージが強く、右に行ったら成功で左に行ったから失敗みたいな捉え方をする人がいるけど、全然違う。むしろ前に、そしてちょっと上に進むために必要な階段みたいな感覚があり、しなければならないんだよ。
失敗、成功はその判断の結果ではなくてそれに寄せる信頼とか、エネルギーとか、行動の方が影響していることがほとんどだ。
だから、エイリシュが幸せになる姿を見せることで、新たな風が母親にも吹いてくる。
もし、エイリシュがアイルランドに残ることを決断したなら、トニーにも新たな風が吹いて新しい世界が築かれてくる。というもんだ。 -
50年代の街並みの美しい映像と、バランスよく考えられた衣装の配色の秀逸さだけでも一見の価値があるおしゃれさなのに、内容もテンポ良く、台詞も全てが粋で、観た後もじんわり静かに胸を打つ秀作でした。
故郷とは生まれ育ったところとは限らない。
自分のための人生が歩めた所、そして初めて自分らしく居られる場所こそ本当の故郷なのだと改めて思う。
最初、とても自信なさげで、言いたいことも言えず内向的だったエイリッシュが恋を知って、だんだんと自信を持ってきらきらと魅力的なニューヨーカーになっていく様子がトントン拍子に描かれていたので、後半に起こった予想外の展開がズシンと響く。
最愛の姉ローズとエイリッシュの文通は清らかで、でもそこにはきっと微かな嘘があったのだろう。
故郷に縛られるローズはどこかで自分の不遇を嘆きながらもエイリッシュに彼女の叶えられなかった人生を託していたのかもしれないと思うととても切ない。
運命は本当に意地悪で、目の前に何もない時もあるのに、いきなり選択肢をいくつも突きつけて試してくるものだ。
自分がもし、エイリッシュの立場だったらどうしてたのだろうと悩んでしまう。
もしも自分の中での答えは決まっていたっても、周りの環境が本当の自分を解放させることを許さないこともある。
この場合は、彼女にとっての完全悪、魔女のケリーがある意味一役買ってくれたわけで、どんな人にもある意味人の人生を動かす役割があるんだなぁと思ってしまった。
つぐないや、ラブリーボーンの時のあの美少女シァーシャ ローナンが大人の女性になっていたことに時の流れの早さを感じつつ、未だあの透き通る瞳に純朴さが残っていて、エイリッシュのキャラクターをより愛おしい存在にしてくれていました。
パッケージにもなっているレンガ壁に寄りかかっているエイリッシュの画は色合いがとても綺麗でおしゃれだなと思っていたけど、とても意味があるシーンたったのね。
本当に早く観れば良かったと悔やんだ作品でした。 -
2017.8.29