自衛隊メンタル教官が教える 折れないリーダーの仕事 [Kindle]
- 日本能率協会マネジメントセンター (2017年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (223ページ)
感想・レビュー・書評
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長期(1年以上)のチームマネジメントを行うリーダー向けに、ダメージコントロールと休憩の重要さを説いた本。
ここを乗り越えれば終わりというようなものがなく、いつも火事場なチーム向けというか。
自分自身、休憩が下手なので意図して休むことが学べた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
勝つためのリーダーシップではなく、負けないためのリーダーシップという考え方が新鮮だった。
と同時に直前に読んだ本とは真逆の考えの人間関係を含めた部下の心のケアをすることがリーダーの仕事だと断言されていた。
自衛隊という統率された組織でさえ、部下の心のケアをする重要性が謳われているくらいなので、一般企業でもやはり必要だと改めて思えるようになった。
以下簡単にメモとして記載しておく
ストレスお第二段階に陥ると、余裕がなくなり同じことでも2倍のストレスを感じる状態になる。そうなると、疑心暗鬼になり、些細なことも悪く捉えてしまったり、論理的な思考が成立しなくなる。
そういう第二段階のストレス状態になった人に対しては目標を1/3程度に緩めて、チームとしてやらないことを決める必要がある。
それによる弊害ももちろんあるが、それを恐れてはいずれ隊は全滅してしまう。
だからこそ、リーダーは何を止めるかの決断をして、それを部下に伝える必要がある。
そういう時に特に大事になってくるリーダーの心構えとして
「指揮の要決」がある。
①部下の掌握
②企図の確立
③企図の明示
上の3つがポイントになるが、企図の明示で重要なのは全員の前で行うこと。任務の指示も個別に出すのではなく、全体の前で共有する。
ストレスの第二段階になっていると、自分だけがしんどいのではないか、あいつは楽をしているのではないかという疑いの心が大きくなるので、できる限りの公平性を示すためにも重要なのだそう。
さらに、心身の疲れ具合に関しても全体の前で共有するそうだ。そうすることで誰かがストレスを感じた時にチームとして手を差し伸べることができるようになり、何事も情報共有が命なのだそう。
これは私としては目から鱗だった。
悩み事は、プライバシーに配慮して個別に聞くのが当たり前だと思っていたけれど、詳細でなくてもどれくらいストレスを抱えているかなどはチームメンバーで共有しておいた方が、チーム全体のパフォーマンスは上がるというのも納得だった。 -
読み直しで合計2回読みました。
斜め読みではなく精読で読みました。
リーダーシップを学ぶために読みましたが、自己マネジメントとの観点からみても良書でした。
社会は戦場である。 -
組織には体と心の充実が必要であり、どちらが不調でもいずれ破綻をきたす。
組織を維持していくには、メンバーの体調に気を使い、不良があれば休息させ、なんとか維持をしていく、というサバイバル時のマネジメントが書いてあり、根性論ではなく、実践しやすいと思った。 -
チームの疲労度に合わせて、取るべき対応が違うという考え方を初めて知ることができた。
疲労度が上がると、感情コントロール力、判断力も落ちてくる。そんな中で、リーダーとしてどう振る舞うべきなのか。
世の中には、勝つためのリーダーシップ論の本が多い。
この本では、負けないためのリーダーシップ論について考えることができた。
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元自衛官によるリーダー論。しかもメンタル教官。自衛隊の環境をビジネスに置き換えて、解説。前半は堅いかなとおもいつつも、後半から自衛隊でのエピソードを交えた解説がリアリティーをよんで面白い。本書の構成も狙いを持って練られた点があとからわかり、前半の堅さとは真逆の性格も併せ持つ著者のイメージが親近感を誘う。ステージ別に執るべきスタイルが違うという点は初めて知った。