笑いのカイブツ [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 現代の純文学私小説、と感じた。
    狂気、エンタメへの渇望、笑いをやりとおす人の正義と愛、認められない悔しさ、社会の折り合いへの反発。

    後半にいくにつれ、カイブツが見えてくる。

    主人公を潰した「業界」は、くしくも映画が話題になっている2024年現在、その歪みが摘発されつつある。


    同時代の人が書いた私小説(しかも、プロフィールを見たら同い年だった)は、近すぎて苦手なのだけど、はまった。
    痛くて読めなくなる直前、自己愛と挫折、絶望が、ぎりぎりのところで表現されているからだろうか。


    発売時、書店で装丁が印象に残ったのを覚えている。
    でも、タイトルから、いわゆる「業界」的な売れっ子の話かと思って、手にとらなかった。
    テレビとかでもてはやされる、「さすがこの人、カイブツですわぁ」みたいな、外向き破天荒なかんじを想像していた。

    だから読んでみて、本当にカイブツやってたんじゃん、この人と思った。


    ここまで振り切れる人は、なかなかいない。
    めちゃくちゃ辛そうだけど、こんなに時間と自分の力を、愛する表現に振り切れたら、どんなに幸せだろうと思ってしまった。

  • 笑いにストイックに生きるには、こんなにも人生を捧げることが必要なんだなぁ。
    笑いだけじゃなく、何かを突き詰めるというのは、このくらいやらないとダメなのかもしれない。

    反面、興味あることだけ突き詰めて、他の部分が疎かになってしまうと、社会人として生きるのは難しいと考えさせられる内容もあった。

    コミュニケーションは一番大事ですね!

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