- Amazon.co.jp ・電子書籍 (185ページ)
感想・レビュー・書評
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・toppointで読む
・イスラムは商人の宗教
・コーランとハディース
・聖と俗を区別しない。日常にまで入り込む宗教
・アッラーは支配者、人は奴隷
・法は、その事物の性質や理性的判断ではなく、神の意思で善悪が決まる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シャルリー・エブドの襲撃事件を受けて、キリスト教圏vsイスラム教圏のしがらみがよくわからないともやもやして読んだ3冊のうちの1冊。イスラム教への入門として本当におすすめの良書だと思いました。
take out
- 「イスラーム文化は異なる文化伝統の入り乱れ...複雑で内的矛盾に満ちた構成をもった国際的文化。...にもかかわらずイスラームは自分たちは一つの共同体だと自覚をもっている。」誰でもイスラーム教徒になれる⇔ユダヤ教は選民意識に支えられた閉ざされた情的共同体
- 「イスラームはコーランの解釈学的展開としてできあがった文化。公私にわたる人間生活の内外すべて、...カヴァーするような大きな「コーラン」解釈学的文化がつくりあげられた」⇔聖俗二元論的キリスト教と対立
- コーランでは神からの啓示を受けたもの(イエスを含む)を信じるように書く。中でもアブラハムの教えを重視。ムハンマドは予言者系列の最終点にいる。
- ムハンマドの歩みに合わせて、イスラーム文化には2パターン存在する。
1. 前期メッカは苦難の時代=終末論的。現世は束の間、来世は不滅。内面重視。神の呼びかけにどう応えるか。=シーア派(古代イランのゾロアスター教の二元論的世界表象の影響)(この系統に、スーフィズムも)
2. 後期メディナは栄光の時代=積極的な現世評価。来世が至上価値だからこそ、現世もそれなりに価値を認めよう。共同体内の社会的な契約重視。イスラーム法へ結実=スンニ派 ⇒現世への態度:イスラームは「正しく生き、正義の社会につくり直していこうという積極的態度」⇔仏教は「現世を厭い、世を逃れてたった一人孤独の静寂のうちに解脱を求めよう」
⇒このような相対立する三つのエネルギーの間に醸し出される内的緊張を含んだダイナミックで多層的な文化がイスラーム文化