ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 長編処女作にして衝撃のサイバーパンクSF!エポックメイキングな作品▲脳神経を焼かれハイテクと汚濁の都〈千葉シティ〉で腐る元凄腕ハッカー。能力の再生を引き換えにヤバい仕事を受ける▼ハッカー「ケイス」がサポートにネット上を跳躍し、全身武装の肉体改造を施したサムライ「モリィ」が現実世界で前衛としてアタックするツーマンセル。跋扈する疑似人格やプレAI、財閥、脳死者、クローン忍者を潜り抜け、ハッカー視点で紡ぐサイバー・ハードボイルド!地球上からスペースコロニーにまで舞台は遷移、再読必至の難解さも良しか(1984年)

  • 25年前に知人に勧められた本。本棚整理で出てきた手帳のメモが頭の片隅にあって、先日何かいい本は無いかと探していたら偶然見つけ、25年の時空を超えて読むことになった。

    1980年代にここまでのSFを書けるってすごい。映画「マトリックス」の題名や基本設定はこの作品から来てるんだろうな。無法地帯やドラッグ漬けから始まるハードボイルドSFかと思いきや、ミッションインポッシブル的なチームプレイ、人工培養や人体改造、AI、他人の意識に入り込む疑視など、もう要素満載すぎてSFファンとしては目が眩む。麻薬によるアップダウンの描写とか、ディックっぽいところもイイ。

    ただ、訳なのか原作なのか、人物名や設定が説明一切無く、しかも飛んで出てくるので、かなり読みにくくて、何度も戻って読まざるを得ない。昔の文庫みたいに「主な登場人物」を付けてくれるとありがたいかも。でも、この読みにくさが味なのかもしれない。

    25年前に勧めてくれた知人は誰か忘れてしまったけれど、この作品を読む機会を与えてくれて感謝です。
    基になった作品、続編、スピンアウトもあるようなので、楽しみに本屋で探してみよう。

  •  サイバーパンクの先駆け金字塔と賞賛される本書だが,以前に読もうとしたときは,「千葉市憂愁」を読み終わったあたりで挫折した。登場人物を把握できず,独特な用語を把握できず,何が何だかわからなくて物語に入り込めなかったのだ。
     今回は何が何でも最後まで読むつもりだったので頑張ったが,やはり一度目とそれほど変わらない理解度で最後まで行ってしまった。冬寂(ウィンターミュート)って?構造物?氷?転じるって?プログラムの名前なのか実在の装置の名前なのか人物なのか仮想人物なのか仲間なのか敵なのか,とにかく把握できない。ケイスとモリイの会話だけはかろうじて楽しめた。
     それでもこの物語が描く世界は1984に書かれたなんて信じられないくらい2020年に読んでも陳腐化していなくて凄いことはわかったし,その後の多くの作品や世界観に影響を与えたこともわかった。ウィリアム・ギブスンにとって日本は未来だったそうだが,千葉市に始まったり,そこかしこに日本のメーカーの名前が出てきたりするのはそのためだろうか。

  • 最高のトリップ。

  • 「麻薬の効き目は特急列車のようだった。白熱した光の柱が前立腺あたりから脊柱を突き昇り、頭蓋の縫合を、短絡した性エネルギーのX線で照らし出す。歯の一本一本が歯槽の中で、音叉のように歌いだし、完璧な音程でエタノールのように澄みきっている」

    何喰ったらこんな刺激的な文章書けるんですか?

  • 設定が難しくて理解出来ない展開も多かったですが、電脳世界のSF特有のオシャレさを感じるお話でした!この本に影響を受けた作品がたくさんあるのも納得です。

  • 20年くらい前に読んだけど覚えてないので再読に

  • 1986年に日本語訳が出版されてすぐ読み、その世界観にしびれた。いつか再読しようと思いながら、いつしか蔵書は行方不明となり、今回kindle版を購入して読んだが……。れれれ、わからん(^^;)。
    第1部、第2部まではなんとか食らいついていったが、それ以降はもはや未知の領域。当時籍を置いていたSFサークルでも読了したのはぼくだけで(まあ理解したとは言わないが)、多少の優越感に浸っていたのに。『マトリックス』と記憶がごちゃごちゃになってしまったのかも。
    この後に控えている2冊はしんどいなあ……。

  • 1984年発表。その後の『マトリックス』や『攻殻機動隊』などに影響を与えているのが分かる。著者のギブスンはバラードなどニューウェーブのSFを読んだ人だそうだ。

    物語は千葉シティーで売人になりさがっていた電脳カウボーイのケイスが、元軍人のアーミティジとその用心棒モリイと出会い、ニューヨークで機材を、イスタンブールでは仲間を一人()など手筈を整え、大掛かりなハッキング作戦をするという話。標的は軌道上に浮かぶ財閥都市のAI、じつはAI(ウィンター・ミュート)自身が自身を縛る結線を解除させようとチームを派遣したのだった。

    最後はウィンターミュートと〝ニューロマンサー〟という人格が結合して《マトリックス》になり、別の星の知性と交流しようとする話。

    強い女モリイや、アーミティジの過去などが印象的。

    「旅行などは肉のやることだ」(p.148)

  • SFの名作、ということで読んだもののすっごくわかりにくく時間がかかった。
    サイバーパンクっていう退廃的な世界観とかなんとなくマトリックスとかのちのSF作品の原点になってることは理解できたものの、固有名詞が多すぎて覚えられないし、独特の世界すぎてなかなか理解が追いつかない。
    文章の意味不明なかっこよさも含めて、厨二時代に読んでおくべき一冊だったかも。。

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著者プロフィール

ウィリアム・ギブスン
William Ford Gibson
米国のSF小説作家、脚本家。1948年、サウスカロライナ州コンウェイ生まれ。1984年発表の「ニューロマンサー」(ハヤカワ文庫刊)で長編小説デビュー。本作のヒットによって〝サイバーパンクSF〟と呼ばれる文学ジャンルが確立した。以後、「電脳」三部作、『ディファレンス・エンジン』、「橋」三部作など数多くの著作を発表している。ハリウッドからも早い段階から注目されていたものの、彼の原作である『ニューロマンサー』『クローム襲撃』なども映画化の案アナウンスは出るものの実現にはいたらなかった。ギブスンの関わった映像作品には以下がある。脚本を執筆した映画『JM』(1995)、短編『ニュー・ローズ・ホテル』を原作とした『ニューローズホテル』(1998)、テレビシリーズ『X-ファイル』の2エピソード(「キル スウィッチ」「ファースト・パーソン・シューター」)の脚本を執筆している。

「2022年 『ウィリアム・ギブスン エイリアン3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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