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感想・レビュー・書評
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以前読んだ『数学する身体』でこの概念と本が紹介されていたので読んでみた。もとは1933年に書かれた本で2005年に岩波文庫に入ったらしい。
生物はそれぞれの知覚に沿って「環世界」があり、その中で暮らしている。マダニは表皮全体に分布する光覚と、哺乳類の皮膚腺から出る酪酸を嗅ぎつける嗅覚、毛のない皮膚を見つける温度感覚で生きている。豊かな森の色や風を感じる機能はないし、感じる必要もない。
限られているという点では人間も同じことがいえて、イルカやコウモリがわかる超音波は聞こえないし犬ほどの嗅覚もない。四肢と筋肉を制御する中枢と運動機能がついているけれど、チーターのような速さはない。
まるでそれぞれの個体がシャボン玉に包まれたような環世界の中にいる、という考え方が面白い。わかりあえるというのは無理で、わかりあうための共通の知覚や反応すら生物同士では共有できない。それでも絶妙なバランスで成り立っているのが不思議になる。 -
Twitterで感想を書いてる人がいたので早速借りてきた。そう。そうですよね。ここでは其々異なる種の動物における「環世界」について教えてくれてますが人間、というか、友人家族恋人でもそうですよね。
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いろいろと驚きがいっぱいな割に、すぐ読み終わる本。
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9/27
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「知覚」と「作用」からなる環世界。生物は目的をもって作られるわけではなく、ただそう設計されているだけ。
定義はそこまで厳密ではありませんが、この切り口は面白いし使いやすいです。何かを経験する前後で世界が変わって見えたり、芸術に触れたときに作家が見ている世界観が垣間見えたりしますが、これを「環世界」と呼んでもいいのかも。 -
1933年に書かれたとは思えない。今こそ環世界の違いについて考えるべき時代が来ていると言えるのではないか。
呪術的世界についての言及が面白かった。お化けとかは主観的にありありと存在することが説かれている。それって国家や神が幻想であると強調するハラリの言説の根本ではないか。などなど。-
1933年のコンセプトとは思えない、環世界。呪術的世界にも言及があってお化けとか存在しないが主観的にはありありと存在するものを示しているが、...1933年のコンセプトとは思えない、環世界。呪術的世界にも言及があってお化けとか存在しないが主観的にはありありと存在するものを示しているが、それって国家とか神とかじゃんか2022/09/04
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NDC(9版) 481.78 : 一般動物学
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環世界って概念はなぜこんなにもぼくを惹きつけるのだろう、、、