風ヶ丘五十円玉祭りの謎 〈裏染天馬〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

著者 :
  • 東京創元社
3.84
  • (7)
  • (13)
  • (12)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 111
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (276ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  裏染天馬シリーズ第三作は短編集。元気な高校生たちが活躍するこのシリーズは、短編集で日常の謎の方が素直にしっくりくる。ほっとするというか。
     短編集で描かれるお話は、この前に刊行されている長編『体育館の殺人』の二週間後だったり、『水族館の殺人』の十日後だったり、私は未読だが次に刊行されることになる『図書館の殺人』と時期的に重なるらしき描写があったりと、他作品と結構密接に関係している。時系列が明示されているというだけでなく、人物の背景や人物同士の関係性などの描き込みも前作での言及を受けて深まっていて、連載漫画(小説)を読んでいるかのよう。
     各章扉に配された田中寛崇さんのイラストで、天馬、柚乃、香織、針宮さん、早苗、鏡華のビジュアルイメージが明らかにされたのも嬉しい(妄想の余地がなくなったともいえるが)。

    ・「天使たちの残暑見舞い」には、真相に驚かされた。面白かった。人間消失ものなんだけど、音の演出が効いてるのがユニーク。
    ・「針宮理恵子のサードインパクト」微笑ましい。みんなええこや。ほっとする。
    ・「その花瓶にご注意を」で明るみに出た世間の狭さ、読者は嬉しい。
    ・「おまけ 世界一居心地の悪いサウナ」では、彼らの関係性もそこまで深刻ではないのかもと思えてほっとした(ほっとしてばっかだな)。

    • たださん
      akikobbさん、お返事ありがとうございます♪

      なるほど。
      両立するというのも、また気になりますね。
      私の中では、基本猫背の痩せ型、顔は...
      akikobbさん、お返事ありがとうございます♪

      なるほど。
      両立するというのも、また気になりますね。
      私の中では、基本猫背の痩せ型、顔は細面でややロン毛、将来は髭がとても似合いそうな、やさぐれ感と、前髪に隠れて見えない片目の直向きさが、危うくも程良いバランスを取った感じといいますか・・・こんなところで語ってしまい、すみません。
      一度、誰かに言ってみたくて(^^;)
      2023/10/12
    • akikobbさん
      具体的ですね!いや素敵です♪
      作中では「端正な顔立ち」と書かれていますが、たださんのおっしゃる「猫背」や「やさぐれ感」に通ずるもっさり感が、...
      具体的ですね!いや素敵です♪
      作中では「端正な顔立ち」と書かれていますが、たださんのおっしゃる「猫背」や「やさぐれ感」に通ずるもっさり感が、私もあると思います!
      瞳も印象的に書かれていますよね。「危ういバランス」、いいですね〜
      2023/10/12
    • たださん
      ありがとうございます(*'▽'*)
      具体的すぎましたが・・・
      もっさり感もいいですね!
      徹底的に駄目な部分はあるけれど、ちゃんとやるべきこと...
      ありがとうございます(*'▽'*)
      具体的すぎましたが・・・
      もっさり感もいいですね!
      徹底的に駄目な部分はあるけれど、ちゃんとやるべきことを分かってるのが、彼の良いところで、そんな感じが、顔立ちにも出ているんじゃないかなと思いました。
      2023/10/12
  • #読書 #読了 #青崎有吾
    『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』

    夏祭りの屋台で300円のたこ焼きを買い、500円玉を出した柚乃、しかしお釣りに100玉は含まれず、4枚の50円玉だった。

    ・もう一色選べる丼
    ・風ヶ丘五十円玉祭りの謎
    ・針宮理恵子のサードインパクト
    ・天使たちの残暑見舞い
    ・その花瓶にご注意を

  • 体育館の殺人を読んでファンになりました。 今作は短編集で謎自体はちょっとしたものでしたが、シリーズファンなら出てくるキャラクターにニヤニヤできます。 本格ミステリーの合間にどうぞ

  • Audibleにて。
    裏染天馬シリーズの短編集。
    殺人事件ではなく日常の学園生活のなかの謎解きということで、より気軽でラノベ要素増し増し。
    私は本編の後にこれを読んだが、いくつか本編の幕間を語っているところがあり、おもしろかった。

  • 五十円玉二十枚の謎をモチーフにして表題作を作った、ということだったので、ちょっと期待して購入。あの謎、好きだったんだよね。

    で、完全に勘違いしてたんだが、これって1冊ものだと思ってたら、シリーズ3作目やったんやなー。やられた。読んでたら、前作、前々作を読んでることを前提とした記述があって、失敗したなー、と思ったわ。まあこれだけ読んでも大丈夫ではあったのだけど。

    うーん、個人的には微妙かなぁ。正直な感想を言うと、有名な過去の作品の寄せ集め、みたいな印象。

    平成のエラリー・クイーン、とでかく出とるけど、探偵役は金田一はじめみたいだし、他の登場人物や雰囲気も「どこかで見たことあるな」って感じで。なんだろう、僕の穿ち過ぎなのかもしれないけど、なんとなくオリジナリティに欠けるように感じられた。

    登場人物に珍しい名前をつけるのも、すでに西澤保彦が飽きるほどやってるしなぁ。中途半端さが否めない。

    また登場人物に感情移入もできないんだよなぁ。どいつもこいつも演技過剰というかなんというか。キャラと言うか性格を作りすぎている。こんな変な人間ばっかりやとしんどいやろ?もう少し普通のやつはいなかったもんかね?

    内容も本格ではないし、なんと言えばいいのだろう。エンタテインメントかな。そういう意味ではミステリではあるのだけど、本格じゃない。でも空気は本格にしようとしている。と言うか、謎解きをメインにしているので本格っぽいのだけど、本質的に本格じゃない。そのへんがやはり違和感を助長させるのだろうな。

    どうなんだろう、第一作から読んだらまた違うのかな?第一作と第二作で登場人物に馴染んでから読むとまた違う感想を持つのかな?

    でも僕はこれ以上このシリーズはいいや。他に読みたい本は山ほどあるし。そっちを優先させたい。

    個人的にはオススメしません。悪くはないけどオススメする要素がない。もちろん合う合わないはあると思うけど。

  • 裏染天馬シリーズの短編集。水族館の後、体育館の前のエピソード。殺人ではなく、日常の謎がテーマ。針宮、早苗、鏡華たち脇役も大活躍。最終章は、天馬の父親もついに登場。
    私は、ミステリーも好きだけど、日常の謎も大好きなのだ。(殺人ものの本格ミステリーは立て続けに読むと、気持ちが重くなるしね…)これからもこのシリーズで日常篇も沢山出してほしいな。
    作者はちょいちょい女性同士の色恋を挟んでくる。アニメ好きらしいので、こういうものも好きなんだろうなぁ。

  • 引きこもりオタク探偵。今回は短編集。
    ミステリーパートがしっかりしてるのが好き。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

★小説家/推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース! 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス ♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青崎有吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×