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感想・レビュー・書評
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細胞擬人化お仕事コミック第5巻。スピンオフは多くあるが、一応、本編はこの巻まで。
この巻のお話は<ピロリ菌>、<抗原変異>、<サイトカイン>、<悪玉菌>、<がん細胞II>。
この巻では3巻で登場した「一般細胞」が、全体を通じてお話の牽引役となる。華々しく活躍する免疫細胞に比べて、自分の人生はつまんない・・・とたそがれ気味。散歩の途中で、「にゅーにゅー」鳴くかわいいものが数匹、溺れているのを助ける。だが、どう見ても細菌。本当は免疫系に報告しなければいけないところだが、かわいさにほだされる細胞くん。匿っているところを白血球(好中球)に見つかってしまう。だが、この細菌にはすごい力があって、というのが<ピロリ菌>のお話。
結局、細胞が連れている細菌は善玉菌の乳酸菌(だから「にゅー」と鳴くのねw)であることが判明。親切な白血球は、細胞が乳酸菌を仲間たちのところに返しに行く案内をすることになる。普段咽頭に住む細胞にはなじみのない腸管組織。しかしそこには抗原変異したインフルエンザがいた(<抗原変異>、<サイトカイン>)。
数々の苦難を乗り越え、乳酸菌たちはそれぞれの仲間のところへ帰っていく。残るは後1匹。だが行く手を悪玉菌にさえぎられる(<悪玉菌>)。
そして腸の奥にはさらなる強敵が待ち構えていた。2巻で出てきたがん細胞。免疫細胞たちに恨みを抱く彼は、体内に潜んで復活の機会を窺っていたのだ。
「はたらく細胞」史上、最大の戦いが始まる・・・!(<がん細胞II>)。
善玉菌と悪玉菌、免疫系が認識する自己・非自己と対立するもののせめぎ合いとなる巻。
がん細胞が言う、「必要な命と不要な命 それが決められているのは どうしてだろう?」というセリフがなかなか深い。「正義の味方」である白血球は、殺される側に立ってみれば殺し屋である。「身体」を守るために殺したり殺されたり。
ならば、いっそそんなことが起こらないように、「身体」を滅ぼしてしまえばよいのではないか?
がん細胞の「教義」は、危険思想のようで、実はかなりの説得力も孕む。
そして、制御性T細胞は、がん細胞を「身体の一部」と認識し、当初は彼を守りに走る。
がん細胞の思うようにはさせない!と奮起する、白血球やNK細胞、そしてキラーT細胞改めメモリーT細胞だが。
ここでダークな戦いが展開されるかと思いきや、決め手となるのは、え、それ・・・!? 制御性T細胞さんも、あれ、そんなのありなの・・・?
最後は爆笑展開でまとめるがこの作品の長所でもあるというところか。
細胞擬人化ストーリー、当初は半信半疑で読み始めたが、なかなか絶妙な勘所で楽しく読ませる。作者のギャグセンスに脱帽である。
体内にはドラマがあるのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
はたらく細胞 1〜5巻まとめ読み。
以前から気になっていたし、アニメもちょっと見たし、私ならとっくの昔に読んでいてもおかしくない、と自分でも思うんですが、ずっと先延ばしになってました。
人体の免疫細胞系の働きを、擬人化してわかりやすく物語にしたコミックス。
言葉として聞いたことはあるけれど、実際に何をしているのかわからなかった血球系・リンパ系のいろいろな細胞くんたちをざっと知ることができてよかったです。
おすすめできる作品、ではある。
こっからは、超個人的な感想…。
(ってそもそも、ブクログ自体が個人的な感想なわけだけど…)
なんとなく、私にはちょっとスプラッタ表現・バトルマンガ風演出がいまいち受け入れづらいというのか何というのか…。すごく好きな漫画…というところには入れられない気がします。ごめんなさい。1つ1つの細胞ではなく、組織として動くような感じにしてくれたらもうちょっとじっくり読めたかも…。具体的にはわかんないけど。いろいろとスピンアウト作品が出ているようですが、ここまでにしておきます。擬人化してない免疫系のわかりやすい書籍、ないかな〜。 -
乳酸菌、マジかわいいー♥ヨーグルトとか、ヤクルト飲むときの自分の気持ちが変化しそう、つか摂取量増えた。がん細胞は他人事でないので、仕組みにさらに理解を深めました。制御Tさん…。続きは出ないのかなー。