心がつながるのが怖い 愛と自己防衛 [Kindle]

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想・レビュー・書評

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  • 孤独は死へと至る病。
    愛と安全は両立せぬ。


    自分の気持ちに逆らうと、大きな孤独感に襲われないだろうか?
    愛されている確信が持てず、相手と意見が異なるのに、場に従ったからだ。

    事実を置き去りに、その行動は、愛する人から拒絶されたことの徴しになる。
    これを繰り返せば、どんどん自分に価値を感じられなくなってしまう。

    傷つくこと、喪失を恐れるようになり、関係が大切なものにならないように、
    さまざまな戦略を編み出して自己防衛せざるを得なくなる。

    自己防衛はやがて習慣となり、人格の一部となる。
    すると、気のおけない友達や家族になったかもしれない人たちとの
    出会いやお近づきを排除するのがデフォルトになる。
    結果、無条件信頼できる人が周囲にいない状態となる。

    恐ろしいネガティブフィードバックの渦に飲み込まれてしまうのだ。


    信念は変えてもよい。それは学びかもしれない。
    行動は自制してもよい。それは思慮深さかもしれない。
    でも、自分の気持ちに逆らって自分を欺くのはやり過ぎではないか?

    「誰かと近い距離に身を置く」と「双方向に好ましい」が
    運良く両立したとき初めて「愛のある親密な関係を築く」ことができる。

    安全をとる(傷つくことを確実に避ける)なら「他人と距離を置く」しかない。
    しかし、その代償として「愛のある親密な関係を築く」ことなく死ぬことになる。


    孤独が死へと至る病なら、つまるところ、
    「他人と距離を置く自己防衛」は「死へと至る病」である。

    「100%の安全」と「1%の愛と99%の安全」ならどちらが好きだろうか?
    自分のいまの気持ちに逆らわなくてよい。好きな方を選ぼうではないか。

    命に関わる病を患っている人は、しばしばポジティブな方向に変化する。
    「どうしてもっと早く、一番大切なことをしなかったのだろう?」

    わたしたちは習慣に支配された生き物だ。
    大きな圧力にされされない限り、慣れていて(=安全だと
    思い込んでいる)同じ道を歩き続けようとする。

    自己防衛という古いパターンを変えたいという欲望は、
    そのように生きてこなかった人生についての痛みと不満から生まれる。
    これは愛と勇気への大きなモチベーションになる。


    自己防衛するのは悲しみを感じる力が優れているからだ。
    そして、悲しみを感じる力は、愛の感じる力でもある。

    今より微かに他人を信頼する、その1%のリスクが治療薬になる。
    原子一個分の勇気を、行きつ戻りつ育てて行けばよいのだ。


    本書を読んで、わたしはそう自分に言い聞かせた。

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  • 子供の頃に親から受けた心の傷が、如何にその後の人生に悪い影響を与えてしまうか改めて知る事になった。そして、一度閉じてしまった心の窓は、生涯その人の行動の足枷となってしまうものだ。

  • 心が繋がるのが怖いと思うときはいつも読みます。心が繋がるのが怖いと思う瞬間、手が震えて動悸がして逃げ出したくなりますが、読んでると落ち着きます。
    第6章のタイトルは誤訳だと思います。英語の原文タイトルも読みましたが、僕なら「あるがままに」と訳します。

  • 期待していた内容ではなかった。

    事例もぼんやりしていて問題点も解決法もよくわからなかったし、結局何が言いたいのかも理解できなかった。親との関係がどうやら問題らしいということはわかったけれど、それも抽象的な表現が多くいまいち「これだ!」という気持ちにはなれなかった。

  • タイトルでは「自己防衛」となっていますが、防衛機制についての一般向け書籍。おもしろそうなので読んでみました。
    登場する主な機制は投影、分離、退行、歪曲、攻撃者との同一視など。

    防衛機制とは、「自分自身が気づかないうちに悲しみをブロックし、体験すべき痛みから引き離し、痛みを自分の性格に統合させないようにします」ととてもわかりやすく書かれていました。
    たとえば投影の考え方として「彼らは、もし妻に問題がなかったら、上司が無理解でなかったら、その他さまざまな外的な障害がなかったら、自分は幸せでよい人生を送れるだろう」というあたりも(正確かどうかは別として)まあそういう気持ちになることあるよね、というものが多いようです。

    ただ転換の説明の「iPhoneを絶えず持ち歩きFacebookを」という解説はちょっと「正しい」かどうか気になるけど。。

  • 短いけど深い。なんとプライム無料版で読めた。愛着障害、毒親との関連が強い。自己防衛(フロイト)は意識的に用いれば有効だが、自己防衛が無意識化すると人間関係に問題が生じる。幼児期に解決されなかった危機に似た状況に置かれると、自分でも知らず知らずのうちに発動してしまうケースが多い。大人になればそれほど危険がないにも関わらず。無意識化された自己防衛戦略が人格の一部となる可能性がある。ある感情を意識したとしても、陰にもっと重要な感情が隠れていないかどうか(大半の感情は「怒り」として感じやすい、特に男性)。恐怖、不安、悲しみや渇望を直に感じること。両親をより現実的な視点で捉えなおすこと。社会性という仮面を外す。

  • 怒りや不安に覆い隠された悲しみから逃げずに向き合うことが大切らしい.ただ,自分が自己防衛を使っているのか使っていないのか,果たしてどうなのかよくわからずに釈然としない感じ.

  • 心がつながるのが怖い 愛と自己防衛
    著作者:イルセ・サン
    知らぬ間に心の壁をつくる仕組みとそこから抜け出す方法を公開。「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」に続く
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • タイトルで気になったので買いました。私たちは自分自身の目標や感情、願望に鈍感になるために様々な戦略をとることがあるようです。

    私の場合は今このレビューを書いているときにそれが起こりました。
    youtube → 間食 → 昼寝 といった感じです。
     
    この本では鈍感になろうとしたり他者と距離を置こうとする防衛機能がどのように作られるのか、またそれをなくすにはどうすればいいのかが書かれていました。

    わたしにとってはグサグサと刺さる内容のことばかりでしたので、人と距離を置いてしまうという人にはおススメしたい一冊です。

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