13・67 (文春e-book) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりにページを捲る手が止まらない小説に出会った。最初から最後の一文まで、読み終わった後の余韻まで素晴らしく良かった。読めて良かった。
    ただ、訳者の方が後書きで「翻訳の結果としての日本語」を書いたと記していたが、それが本当に残念だった。「大圏」くらいわかるので造語を使わず注釈付きでそのまま書いてほしかった。どこまで原文通りなのか全て疑いの目で見てしまう。ところどころ言葉の訳し方も不思議だった。とても勿体ないと思う。

  • 一気に読めて、読み終わった途端にむむ?と最初からもう一度読みたくなるんだから、面白本には違いない。
    なるほど各種年末ランキング上位もむべなるかな。

  • 我が人生一のミステリー小説の中の一作品!

  • 最後の話の終わりが予測できず面白かった。社会派と本格派の組み立てがこのようにできるとは思わなかった。種明かしが長すぎる感じがした。

  • 近年、チャイニーズSFにいい作家がどんどん出てきているので、ミステリーもどうかと思って試してみたら、最高の警察ミステリーにめぐり逢いました。

    香港警察で名探偵と呼び声の高いクアンの、顧問時代から新人時代に遡る形の中編6つ、全て粒揃いの秀作。

    時間を戻ることで、登場人物の人間関係や信頼関係がどのように構築されたか納得できるし、何より騙され感がすごい。香港の歴史や時代背景も織り込まれ、読み応え十分です。

  • 「あるかもしれん。ないかもしれん」クワンは両手を広げて、笑った。「事件のディテールなど、九割は役に立たん。しかし、往々にして、残り一割のなかに事件を解決する手がかりがあるんだ

    自分が担当する技術分野の日英ポータルサイトを読むようにしました。研究者や設計者から聞けた情報では聞いた時点でもう遅い。常に自分から情報を取りに行く必要があると感じています。

    先日もある会社の知財情報に関する問い合わせを受けました。その会社のニュースを把握しておらず、少し時間下さい、となってしまいました。自分でニュース読んでたら、はいこれです、すぐに提供できただろうに、と思います。

    技術情報仕入れるだけでなく、知財屋として常にその情報を知財に結びつける習慣が必要だと思います。

  • 2013年、2003年、1997年、1989年、1977年、1967年と時代を遡っていくミステリー。
    ミステリーとして、ちょっと過度に感じるくらいのロジカルさと、アジアを舞台にしたヒューマンドラマの泥臭さというか、韓国映画などにも通じるような"痛み"を感じるくらいのリアリティとのアンバランスさが絶妙。
    著者のあとがきにあるように「本格ミステリ」と「社会派ミステリ」とをブレンドした作品で、"香港"という場所の特異な歴史を縦軸に、類似作品の見つからない圧倒的なオリジナリティを生み出している。

    とくに"社会派ミステリー"としての部分は本当に読み応えがあり、「正義とは何か?」という問いに対し、香港の歴史があってこそ導き出される登場人物たちの行動に惹かれるものは多かった。
    政治に波乱はありつつも、すでにどっぷりと"先進国"になってしまった僕らの国では味わえない「正義のゆらぎ」。日本国内でも昭和史を扱う作品に感じるような、"今時分が平和だからこそ言える「この時代を経験してみたい」と思わせるほどの熱"のこもった作品だった。

    一方で、"本格ミステリ"の部分にはちょっと物足りなさを感じた。各章はちょっと出来過ぎなくらいの着地点が毎回用意されていて、それはそれで気持ちいいんだけど、あまりにも出来過ぎでちょっとコミカルにすら感じられるほど。社会派部分の濃度が強すぎるからこそのバランスかもしれないけれど、もう少しリアリティ路線でもよかったんじゃないかと思った。
    あと、時代が少しづつ遡っていく短編集ということで、全体を通した大きな流れというか、"最後まで読んでこそわかる第1章で描かれたものの意味"があるんだけど、ここに"本格ミステリ"としての仕掛けがもう1つ欲しかったというか。
    どうしても構成上期待してしまう展開が、「ああ、そっちからのつながりか…」という、ちょっと"拍子抜け"という感情も持ってしまった。。

  • 読んだ!面白かった‼︎

  • 中国語にて読了。やはり小説は原語で読むに限ると思う。エンターテイメントとしては非常に面白かったが、文学ではない。また香港知らない人でも気軽に楽しめるとは思うが、香港を知っていると百倍面白い小説。

  • FBで知人がおすすめしていて、一気読みしました。同作者の本、年末にまた読んでみようと思います。

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著者プロフィール

●著者紹介
1975年生まれ。香港中文大学計算機学科卒。台湾推理作家協会の海外会員。2008年、短篇「ジャックと豆の木殺人事件」が台湾推理作家協会賞の最終候補となり、翌年「青髭公の密室」で同賞受賞。2011年『世界を売った男』で第2回島田荘司推理小説賞を受賞。2014年の連作中篇集『13・67』は台北国際ブックフェア大賞など複数の文学賞を受賞し、十数ヵ国で翻訳が進められ国際的な評価を受ける。2017年刊行の邦訳版(文藝春秋)も複数の賞に選ばれ、2020年刊行の邦訳の『網内人』(文藝春秋)とならび各ミステリランキングにランクインした。ほかの邦訳書に自選短篇集『ディオゲネス変奏曲』(早川書房)がある。

「2021年 『島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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