新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    叙述トリックに定評があり、「THE ドンデン返し」のジャンルでは代表作の1つだと伺い、読み進めました。
    結論から言うと、どこが引っかけポイントなのかをかなり警戒しながら読み進めていたので、途中でオチがある程度読めてしまいました。笑
    前評判の高さ故に、些かハードルを上げすぎたのかも。
    とにかく読んでいて目を背けるほどグロテスクで、ブっとんだ内容に終始していました。
    が、作中に魅力的な人物が登場しなかったり、僕個人に響く台詞などが殆ど無かったため、個人的にはかなり薄い内容だったと、残念ながら思ってしまいました。。。

    とはいえ、蒲生稔をはじめ、作中には頭のブっ飛んだ人物ばかり登場していて、読んでいて単純に面白かったです。
    個人的には、途中で出てきた教授が一番ブっ飛んでいて、病んでいたな~と思いました。
    僕の周りにも、尻尾を出さないだけで、こういった種類の人間がいるのかもしれませんね。
    そう考えるとゾクゾクしてしまいますね!


    【あらすじ】
    永遠の愛をつかみたいと男は願った―。
    東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。
    犯人の名前は、蒲生稔!
    くり返される凌辱の果ての惨殺。
    冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。

  • やられた!
    読了後、解説などを拝見してハッとする。
    あれも、これも!?
    文章に、様々なトリックがあったことに、すごく驚かされる。

    グロに耐えることができるなら、叙述的な部分や、小説の面白さを感じることが出来るに違いない。

    以下、ネタバレあり(備忘録)。


    愛を求めるあまり、歪む性癖は、異常者そのものである。
    異常者である犯人とは誰なのか。その人物に辿り着くための読者の思考の巡りこそが醍醐味であろう。

    息子を疑う雅子。
    父である稔を疑う息子。
    同居している稔の母。
    娘の愛。

    稔が息子であるかのように錯覚してしまうことで、作者の意図にまんまと嵌ることになる。
    しかし、息子は誰よりも先に、父である稔のことを疑っている人物である。
    息子の部屋で赤黒い血を発見した雅子は、当然のように息子を疑う。しかし、それよりも先に稔の犯罪を疑う息子が、庭に埋まった人体を見つけて掘り返している。ビデオについても、息子が父の犯罪ビデオを部屋で見ている際に、雅子が部屋を訪ねてしまったことで誤解が生まれている。もちろん読者も誤解することに一役買っている。

    最後に稔を止めようとした息子は、稔によって殺されることになった。雅子は遺体を確認し、異常者である息子の死を目にする。
    本当の異常者である父の稔は、帰宅し母を殺しおかす。亡き父と母の性に関する記憶が稔を歪め、母に本当の愛を求める性的倒錯の結末へと向かわせた。

    表現に曖昧さを加え、読者を導くトリックにジワジワと感動させられる。

    犯行の描写はかなりキツい。

    読了。

  • 叙述トリックミステリーの代表?として読んだ。
    人物トリックだったか、、、。
    内容はグロくてしんどかったけど、でも先は気になって、って感じでサクサク読めた。

  • 若い女性を殺しては屍姦し、乳房を切り取ってお持ち帰り。身の毛もよだつ猟奇的連続殺人事件を巡る叙述トリックもののミステリー。

    物語は犯人(稔)、息子を案ずる母親(雅子)、そして事件を追う元刑事(樋口)、三者の視点・異なる時間軸で描かれていく。

    読み終わってただただ唖然。ええっ、そうなの? 全く腑に落ちない。そもそも辻褄合ってるの? 稔と雅子のパート、ざっと読み返してみた。確かに「休講する」とか元々違和感を感じてた部分は読み返して腑に落ちたんだけど、稔は自ら大学院生だと名乗ってるじゃん! 部屋から出てくる息子に雅子が押し倒されるシーンはどう解釈するのよ(まあ、一応解釈出来ないこともないけど、息子の思い詰めた行動もかなり不自然だよなあ)。

    「現代本格における叙述トリックものの代表作」(解説)かあ。「葉桜の季節に君を想うということ」を読んだ時も感じたモヤモヤ感・気持ち悪さ。何とも後味の悪い作品だった。

    岡本孝子の「夢をあきらめないで」、懐かしい。流行ったのは35年くらい前だったかな。あの透明感ある名曲と猟奇的殺人のミスマッチも、作為的なものだったんだな。

  • “ラストが衝撃的な1冊”で有名らしかったので購入。
    最後の数ページで、ん?え!?となり、読了後はポカーン…となりました。
    そして考察サイト読んで答え合わせ(笑)
    私もまんまと騙されました。

    犯人目線では、どう被害者の女性達と出会って、どのような方法で殺害したかが描かれているのですが、よく文章でここまで気持ち悪いものが描けるな…と変に感心してしまいました。
    よく“1番怖いのは人間だ”って言うけど、
    犯行の描写を気持ち悪いな、怖いな、と思いながらも、面白くて読み進めてしまう自分の事も怖くなりました。
    この一冊でお腹いっぱいになったので、間に平和な本を挟んでからまたミステリーを読みたいと思いました。

  • よかった!!今まで人生でネタバレせずにこの作品を読めて本当によかった!!と読み終わった後に「十角館の殺人」以来の感情が湧き上がってきた!ネタバレ厳禁のミステリの名著!!

    毎回読み終わって「えええっ!!!」ってなってから何故想像できへんかったんや自分!?しっかり読んでたはずやのに何故??って悔しい気持ちになるけどミステリを読んでそうなってる時が一番好きかも

    ミステリってほんまに面白いなぁ〜  ★★★★★

  • 若い女性相手に猟奇殺人と屍姦を繰り返す蒲生稔、愛する息子の行動を不審に感じる蒲生雅子、稔の被害者の一人と交友関係のあった元刑事の樋口の三人を語りとし、物語は三人の視点を切り替えながら進行する。冒頭にプロローグではなく「エピローグ」が配され、稔の最後の犯行に三人が一同に会すシーンと、稔のその後が描かれる。第一章では最初の事件が発生する約3カ月前にまで巻き戻り、冒頭で描かれた稔の逮捕にいたる事件の経過を辿る。展開の都合上、当事者である稔だけは他の二人よりも一ヵ月ほど過去となっており、最終の十章に向けて次第に時間差が縮まり、最終的にエピローグのシーンで合流する流れとなっている。

    稔による凄惨な犯行シーンはあるものの(グロテスクな描写が苦手な方は注意)、途中登場する精神科教授の猟奇犯罪への解説などもおざなりに感じ、読み進むほどに退屈さが増して作品の内容に対して不安を覚えた。しかし最終的には、出版から長らく経つにも関わらず、本作がなぜ人気を保ち続けているか、その理由を知ることができた。過程を退屈に感じてしまったこととオチの性質から再読するのは厳しいだろう点も含め、昨年読んだ他の著名なミステリー作家のある代表作と同じ方向性の作品でもあった。

  • SFとミステリーは苦手な部類なんだけど、心情描写とか犯罪心理学とかが面白くてするする読めた。
    女は男に殺されるためにセックスしてる、内臓を槍で刺されてる、みたいな考えが興味深かったのと、教授の、「無から有になった生き物は無機物に戻る習性があるから自傷行為・自殺をする」だとか、「あるいは死なないために自分以外の身近で死を感じていたくなる」っていう解説が好きだった。

  • 思わず目を背けたくなるほどのエグい描写の数々。読んでいて気持ちのいいものではなかった。登場人物の視点や時系列がコロコロ変わるので、慣れないと読みにくいかもしれない。最後読み終えた時、呆然となった。見事としか言いようがない。

  • 最初はこの物語を、読んでいいのか?自問自答
    の日々、、が!!ラストの衝撃力はやべーっすまじで!
    何が起きたのかすらわからないほど放心状態
    思いがけずTVにドロップキック!
    ぶっ壊れました^_^
    ありがとうございました!!˚✧₊⁎❝᷀ົཽ≀ˍ̮ ❝᷀ົཽ⁎⁺˳✧༚

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著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に、『人形はこたつで推理する』にはじまる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』『裁く眼』『怪盗不思議紳士』『凜の弦音』『修羅の家』などがある。小説の枠を越えマルチに活躍し、ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作でも知られる。

「2022年 『監禁探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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