透明カメレオン (角川文庫) [Kindle]

  • KADOKAWA (2018年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・電子書籍 (411ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 声は良いが、その素顔はちんちくりんな男:桐畑が恵という女性と出会い、そこの常連陣とともにその女性のとある計画に荷担させられていく物語。
    さすがの道尾小説と言うことも有り、伏線回収や読ませるストーリー、キャラクター造形がとても良い。早漏防止剤やメールアドレスのさりげない伏線にはとても驚かされびっくりしてしまった。なんともバカな作戦にも見えるが、「確かに」と思わせるような展開でとても面白かったです。ストーリー面は少し長ったらしさも感じたものの桐畑と恵の恋の行方やクライマックスにかけての怒濤の展開にはとても感動しました。
    そしてキャラクターのみんなが生き生きとしていて、皆がそれぞれに重い過去を抱えその人たちが出会うBarの名前が「if」という名前なのも腑に落ちました。そしてなによりも主人公の人生がしんどすぎてもう...という感情になりました。恵と幸せになって欲しい...。
    感動だし、みんな好きになると思うので是非読んでみてください!

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    桐畑恭太郎:諏訪部順一
    三梶恵:上田麗奈
    輝美ママ:渡辺久美子
    百花:高橋李依
    レイカ:村瀬歩
    石之﨑:稲田徹
    重松:山路和弘
    三梶父:大塚明夫
    マサシ:西山宏太朗
    桐畑直美:竹達彩奈
    後藤:関智一

  • 深夜ラジオの人気パーソナリティ 桐谷恭太郎は、「ものすごく素敵な声の持ち主」だが「とても美男子とはいえない顔をしていて、生っ白い肌の中肉中背で、分厚い眼鏡をかけていて、髪の毛がもさもさで、着ているものも垢抜けない」うぶで奥手な童貞男(34歳)。恭太郎がラジオの収録終わりに通うバー "if" は、クセのある常連のたまり場。そんなifに突然、見知らぬ若い女性がびしょ濡れ姿で入ってきて、「コースター…」と呟いた。

    三梶恵、何て図々しい女なんだ! 気弱な恭太郎と気のいいお仲間たちを平気で厄介事に巻き込むなんてけしからん! 言うなりになる恭太郎たちもどうかと思うし、何と現実感のない嘘っぽい話なんだろう、と思いながら読み進めておりました。終盤には安っぽいドタバタ劇もあったりして、一体どういう結末になるのやら、と思っていたところ…。嘘っぽい話の辻褄が合っちゃうというか、違和感のないストーリーにうまく纏まっちゃいました。やられた!

  • 透明カメレオン
    **著者**: 道尾秀介

    『透明カメレオン』は、冴えない容姿と“特殊”な声を持つラジオのパーソナリティ、恭太郎が主人公です。ある雨の日、行きつけのバーでびしょ濡れの美女に出会い、彼女の企てた殺害計画に巻き込まれてしまうというスリリングなストーリーです。

    道尾秀介さんのユーモア溢れる表現や言葉が、物語を一層楽しませてくれます。ミステリーの謎解き要素もありつつ、読者を引き込む展開が続きます。最終的には、仲間を思うシーンもあり、心温まる結末に繋がります。ドキドキあり、笑いあり、感動ありの三拍子揃った物語で、読後の満足感が高い一冊です。

  • 道尾秀介氏得意の終わり方になりそうでウキウキしてラストスパート掛けてたらどっかで見たことあるようなウェットな展開にしようというバイアスが見られ少し萎えながら読了。

  • 題名の意味はよく分からない

    評価 2.9

    audible  12時間13分
    kindle 411ページ

     声だけが優れているとされるラジオパーソナリティの恭太郎が主人公。そうは言っても見栄えもそこまで酷くはないはずとも思うが、どうやら相当なものらしい。
     序盤は行きつけのバーとそこに集う登場人物の紹介から始まるが突如三梶恵が現れる。恭太郎の嘘がバレそうでこっちもドキドキして読み手が滞るが、当然あっという間にバレる。
     彼女の父親の復讐で敵を打ちに行くことになるのだが、いくらなんでも殺人の共犯になるのは理解しにくいし、透明カメレオンの話も少し弱い。
     なんかちょっとありえない話でついてくのも大変。不法産廃業者との戦いも、行き当たりばったりで爽快感や達成感は得られない。
     最後にどんでん返しのように登場人物達の不幸話が明らかとなり、トリは主人公の家族の死。ラジオでの話が伏線となっているのだが、確かにさほど面白くもないエピソードが続くなとは思っていた。
     爽快感のないストーリーからの不幸話でのどんでん返しで個人的な評価は高くはならない。ただ、人生色々と不幸なことは起きるわけで、その際に受け入れ得る形に変えて認容していくというのは精神的な安定には有効だし、なるほどとも思う。単なるごまかしではなく、もしかしたら僕も含めて誰もが無意識のうちに行っているのかもしれないと感じた。

  • さすが道尾秀介さん
    最高のエンタメだった!
    最後の最後、あらら…うるうるきちゃいました!

  • ラジオのパーソナリティをする主人公も、バーの仲間たちも良い人たちだし、コミカルな文書に笑いながら読んだ。が、最後に各々の影を知り、切なくなった。
    恵を受け入れられた(半強制的だったりするが)のは、辛い過去があったからなんだろうなと思うと、過去はなかったことにして、みんな、笑っていて欲しいと思った。

  • "特殊な声"をもつ冴えないラジオパーソナリティの主人公が、いきつけのバーに現れた美女から殺人計画を手伝わされることに。
    シリアスな中に差し込まれるバーの仲間たちとのドタバタ劇もまた一興。嘘が嘘に塗り固められ疑心暗鬼になる中、最後には優しい嘘が浄化してくれた気がした。二人のその後も読んでみたい。

  • ラジオのパーソナリティを務める桐畑恭太郎。
    人見知りで彼女すら出来たことのない桐畑は、顔の見えない世界で偽りの自分を演じる。
    表の顔は、いわゆる”リア充”。
    学生時代は野球部に所属し、友人も多く、毎日のように出歩いている…といったように。
    そんな彼の元に「桐畑恭太郎の大ファン」だという女性が現れる。
    女性は、桐畑の知り合いで今隣にいるイケメン(ニューハーフ)を桐畑だと勘違いする。
    ここで、ついた嘘が思わぬ事態を生む。

    自分を繕うために使ってきた嘘は、いつしか、
    自分の大切な誰かを救うための嘘へ変化する。

    強引な設定が気になる箇所はあったが、最後の展開にとても感動した。
    「嘘」に対するイメージが変わった。
    嘘には自分や大切な人を悲痛から救う力もあるのではないだろうか。
    過去を変えることはできなくても、嘘によって過去を上書きすることはできる。
    使い方によっては、人を傷つけ、自らの信用も失う。
    しかし、必ずしも嘘が悪いとは限らない。

    人は言葉で傷つくが、その心を癒すのも、言葉である。
    自由であり不自由な言葉を使いこなす為には嘘も必要なのかもしれない。

  • あるラジオパーソナリティと仲間たちの愉快な日常、、、ではなかった、もう少し複雑な話。でも最後読み切るまでは分からない。面白さは十分星4以上だが、消化不良があり星3にした。

    主人公がBarのみんなや恵に振り回されるところ、キャラクター同士のやり取りは面白い。
    しかし話が真実まで二転三転するため、終盤になっても大筋を捉えづらかった。

    最後の数ページで唐突にBarメンバーたちと主人公の過去が明かされる。
    余韻が欲しいのに種明かしが一方的で、「あ、終わり?」と少し物足りなさを感じる。
    恵だけじゃなくて全員集結、励まし合う感じで終わってほしかったという印象。

    起こってしまった出来事は変えられない。
    ラジオの創作に昇華するとトラウマから回復できる、というのが興味深い。
    それを提案して実行する主人公の、ラジオに対する熱意もひしひしと感じられる。
    ただ喪失体験は時間が解決することもあるだろうから、いつか本人の口で出来事が語り直されれば、真に受け入れたことになるのかな、と思う。

  • 【2022年28冊目】
    最初から最後の方までどうなるのか予想がつかないままでしたが、この話がどう感涙話になるのかしらと思っていたら、なるほどなの展開に。電車の中で涙が出そうになりつつも、終わり方としてはここで終わるのか…!と思う気持ちが大きかったです。

  • ラジオが好きなひと、またはかつてラジオが好きだったひとに、すごくハマる気がする。
    ラジオ久々に聴きたいな。

  • 何がほんまか嘘かわからんままどんどん話がすすんでいく。
    最後らへんは、なんかようわからんまますすんでいく。
    いい意味か悪い意味か、だまされたかんじ。
    展開が速くテンポ良く読んでいけるのはGOOD!!

  • 声が良すぎるラジオパーソナリティが主人公のお話。いつもの道尾作品らしいドタバタ劇だが、いきなりラスト辺りに重たい話をぶち込んてくるのがちょっと…だった。確かに大切なものを失ったショックとかは大きいのは分かるけれども、この人たちはこんな悲しいことがあったんですよ!と急に言われても、てなってしまった。それまでのハチャメチャ展開が冷めてしまったのが残念。ただ伏線や話の盛り上げ方は嫌いじゃないので、なんとも難しい。

  • ラジオパーソナリティがひょんなことから出会った女性のとある計画に巻き込まれていく話。
    恵がとんでもない女だなと若干引いていたのだが、真相に近づくにつれ不器用で強がりな女の子なんだなと思った。そんな恵にみんなも寄り添って仲間になって一緒に闘って、いい友達になったんだなとちょっと心がほんわかした。
    他の仲間も重たい過去があったけど桐畑を中心に少しずつ前に向き始めていていいなと思った。
    後日談とかちょっと気になるなぁと思った。結局恵と桐畑の関係はどうなったんですかね?

  • 序盤が退屈で、読むのをやめようか迷いました。
    でも、道尾秀介さんの作品が好きなのでグッと我慢。
    終盤でめちゃめちゃ面白くなって、登場人物達の背景が明かされる場面では、号泣レベルで感情移入して読んでいました。やはり道尾秀介先生。最後まで読んでよかった!
    ……が、私の印象では、終わりが唐突過ぎました。
    起承転結の「転」で終わって感じ。
    尻切れトンボみたいなラストじゃなければ★5つです。

  • 最近読んでいたものがことごとく神の視点・三人称だったので、こちらを読みはじめてすぐ一人称の「自分は」「僕は」と物語られる本書が新鮮に感じた。そしてすべらかな文章ですっと物語世界に入っていけたので、いわゆる<つかみはOK>だ。
    そこに裏表紙の売り文句「感涙必至のエンタメ小説」とくればもう期待しかないはじまりなのに…。

    う~ん、高評価の人が多い本書だけれど、星は3つかなあ。

    なんだろう、なかなかいい線ついているのに、なんかもわもわしてもったいない。
    ラジオパーソナリティの語りの部分なんてラジオをそのまま音で聞いているかと思わせる臨場感だし、登場人物たちの造形も悪くない。救出する場面なんて実際はらはらどきどきさせてもらったし、タイトルにもなっている「透明カメレオン」にまつわる部分はかなりぐっときた。
    (p144 
    あのカメレオンをもう一度飼いたいと、僕は大人になってから何度か思った。しかし、それはなかなか難しかった。見えるものしか見えなくなってしまったのは、いつの頃からだろう。)

    でも「感涙必至」のはずなのに、涙のなの字も出なかった。
    まあ、脳天気に見える人でも悔やんでも悔やみきれない悲しい過去を背おって今を生きているんだというメッセージは伝ったけど、う~ん、それだけかな。

    これがたとえば、不倫で妊娠した百花さんが今回の<事件>を通して命の尊さに目覚めシングルマザーでも生んで育てる決心をしたとかならまだしも(いや、それではまったくありきたりだけど…)、これだけの「切った張ったの世界」を体験したみんなのその後がまったくなくて、最後の最後になって「実はね…」ときたのが「みんな悲しい過去を背負っている」って話。

    格闘とは無縁の人間がこれだけの大立ち回りを演じんだから、あとはこれだけ広げた大風呂敷をきれいにたたんでくれさえすればよかったのに、その後に語られたストーリーは斜め上からのどんでん返しで、うーん、このもやもやした読後感は、つまるところ「私が欲しいのはこういうエンディングではなかった」んだと思った。

    思えば私は作者の道尾秀介さんとは合わないのかもしれないなあ。
    これまでに代表作といわれている「カラスの親指」「スケルトン・キー」を読んだが、そういえばどちらも最後が「う~ん、微妙…」だった。(今、どっちも自分の読書記録を確認してきた)
    どちらも<どんでんモノ>だったんだよねえ。
    たしかに最後のどんでん返しに向けて途中いろいろ仕掛けてあるし、この方はこういうことがやりたいんだろうなあと思うが、私個人としては、「そこはどんでん、いらなくね??」という感じがすることがある本書だった。

  • 道尾秀介だから、ミステリー要素があると思って読んだけど、ほとんど無いエンタメ小説

    目読しやすい本だった、終盤は結構良い話な雰囲気だった
    でも、よくできたトリックがあるわけでもないし、伏線が凄いわけでもないし、読後の満足感は低い

  • 三梶恵がなかなかに不愉快な存在で、途中、何度か読むのをやめかけましたが、ラストはまずまず良かったです☆ただ、人におススメするほどの作品では無いかなあ??

  • ラストシーンの主人公の話は、逃げや弱さを否定せず、弱さを持つ人間にこそ寄り添ってくれる作品だと思ったけど、終盤までの展開が好みじゃなかった。

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著者プロフィール

2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』がベストセラーとなり、以後、『シャドウ』で本格ミステリー大賞、『カラスの親指』で日本推理作家協会賞、『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞、『月と蟹』で直木賞を受賞。累計部数は700万部に迫る。

「2022年 『DETECTIVE X CASE FILE #1 御仏の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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