- Amazon.co.jp ・電子書籍 (181ページ)
感想・レビュー・書評
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- 創造的な出来事の九十九・九パーセントは、「今までになかった、過去にあった出来事の組み合わせ」。
- 継続性や一貫性、安心、安定が人間の「美しい」と感じる美意識の基になっているんじゃないか。逆に言うと、それまで見たことがないもの、経験したことのないことには不安や危機感を覚える。それは人間が生き延びるために必要な本能的な感覚とかセンスだったのではないか。AIは恐怖心がないから人間の美意識から自由に最適解を計算するので、人間だと絶対選択しないような選択をする。
- AIでもミスや失敗、事故は必ず起こる。その原因や理由をちゃんと説明・釈明出来るかが、社会が受け入れるかの鍵になる。
- AIの決定までのプロセスはブラックボックスだが、人間は結果が向上すればそれで良いとならず、「なぜ」「どのように」という疑問に答えてほしいという気持ちが残るのではないか。
- ひらめき・勘を働かせるには、インプットばかりでなく、整理したりムダなものを削ぎ落としたりする時間が必要なのではないか。生物は目を進化させるために他の器官を鈍くさせるよう進化した。
- 人間には、わからないから踏み出せる、見えないからこそ挑戦できる、という面は間違いなくある。
- 自分が予想しなかった結果や出来事が起こったときに、そこに深く疑問を持つ、自分なりに原因を考えていく。「無理だろう」とあきらめて、誰もやっていないことに敢えてチャレンジする。これらが他の人と違うことをする方法だ。
- 今まで自分がやったことがないとか、経験したことがないとか、そういう 羅針盤 が利かない状況に身を置くことが大事。
- 失敗してもやることが大事。実際にやってみるプロセスの中に学べること、吸収できることがある。プレッシャーがかかるときにこそ能力が花開く。
- 四十代になると、今までの経験に基づいて、知らず知らずのうちにブレーキを踏んでいることが多くなります。だから意図的にアクセルを強めに踏むくらいでちょうどいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
将棋
サイエンス
対談 -
ノーベル賞学者中山教授と永世7冠羽生善治氏との対談集。両者の活躍するiPS細胞の最新状況、将棋会の状況から、人口知能(AI)まで、トップランナーである両氏だからこその興味深い対談です。中山教授のソフト語り口、羽生氏の幅広い興味が相まってスラスラ読める内容になっています。知的好奇心が旺盛な人が出会うとこんなに刺激的な対談ができるのかと感心しました。
それにしても、羽生氏の博識ぶりが際立ちます。将棋のAIもあり動向も抑えられているのでしょうが、どこの研究者がどんな研究をしてるか、まるで研究者のように引用がスラスラ出てきます。羽生氏でなければ、編集の力と言いたいところですが、抜群の記憶力を持つトッププロ棋士なので、あながちそうとも言い切れないところが、また驚きです。 -
対談形式。面白い。
羽生さんが「棋士が次に指す手を選ぶ行為は美意識を磨くことにかなり近いものなんです」対し、AIはその美しい盤面というものを判断したり感じたりすることがないからそこが強い手に繋がる場合もあるし、というような事を言ってて面白い。
タイトルの内容「未来」に関することはもちろん、二人のこれまでの人生・判断に関することなどの経験や考えも語られていて読み甲斐がある。