システムの問題地図 ~「で,どこから変える?」使えないITに振り回される悲しき景色 [Kindle]
- 技術評論社 (2018年2月17日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (250ページ)
感想・レビュー・書評
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久しぶりに以前の研究分野の本を手にした。退職してからは、社会問題を含んだ解決が容易ではないテーマの書籍は避けていた。が、つい図書館の棚に配架されていたものを借りてきた。正月だもの。
今となっては考えるのは気が重いが、いろいろ思い出されてくれた。ユーザー企業におけるIT部門の位置、そしてユーザー企業に対するベンダーの位置の低さからくる様々な問題、愚痴をよく述べている。蔑まれている不幸もさることながら、ITエンジニア自身がそれを甘んじて受け入れているところに問題がある。自分たちこそが一番価値の高く難しい問題の解決を担っている意識を高めてほしい。そして、業務改革の醍醐味をゾクゾクと感じるようになってほしい。初夢。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった。ベンダーの営業・開発・運用、ユーザー企業情報システム・業務・購買部門という複数のステークホルダーの中でどのような思惑があって全員が望まないアンハッピーエンディングになってしまうのかが、口語形式で書かれている。
私自身は情報システム部門にいるが、自分の会社の構造で当てはまること当てはまらないことを確認することができた。
当てはまらないことも多かったのが発見で、意外と悪くない部分も自分の会社にはあるのだなぁと思えた。
例えば弊社では情報システムの契約・発注に購買部門が一切口を出してこない。なぜ他部門と同じように値下げ交渉してくれないのか、と思っていたが、もしかすると上層レイヤーで文中にあるような話がされていた結果だったのかもしれないと思った。 -
若者のプロジェクトマネージャーとベンダーを活用しているユーザー企業には読んでほしい本。経験済みの身からするとそうだね、で終わってしまう。こういう本をユーザー企業は読むべきだがきっとこういう本に興味があるユーザー企業は少ないだろうな。
メモ
最近は期初に予算を決めるユーザー企業が多く、不透明な中では難しい。 -
問題地図シリーズの「システム開発」版。整理された問題構造の絵を見ているだけで多くの部分で共感できる感じます。重くなりやすい「問題」というテーマを扱っていながら、親しみやすい平易な文体のため読みやすいです。
問題の解決策も提示されていますが、実際の現場には固有の問題も含まれているので、上手く自分で解決策の調整をする必要があるように思います。
問題構造の図によって、自分たちが抱える問題の整理できることと、これまで気付かなかった着眼点を得るのに役に立つ本です。 -
IT屋が理解してもらえないことに対する愚痴が多いが、言っていることはベンダー、発注者側の経営、PJマネージャー、運用者全員を巻き込み、値段ではなく、業務プロセスをよくわかったうえで、納期や価格も安定した状況でPJに取り組もうということです。