スリー・ビルボード 2枚組ブルーレイ&DVD [Blu-ray]
- 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988142366115
感想・レビュー・書評
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ミズーリ州の寂れた道路に掲示された巨大な3枚の広告看板。そこには警察への批判メッセージが書かれていた。
設置したのは、7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)。犯人は一向に捕まらず、何の進展もない捜査状況に腹を立て、警察署長ウィロビー(ウディ・ハレルソン)にケンカを売ったのだ。
署長を敬愛する部下ディクソン(サム・ロックウェル)や町の人々に脅されても、ミルドレッドは一歩も引かない。
その日を境に、次々と不穏な事件が起こり始め、事態は予想外の方向へと向かっていく……。
前半は警察や警察に味方する町の人々や田舎町の閉鎖的な事無かれ主義に苛立つけど、中盤からはどんどん独善的になり暴走していくミルドレットやミルドレットに感化されるある男の暴走する正義に背筋が凍る展開に、「本当の正義とはどこまでが正義なのか?」「愛や赦しは憎しみを越えるのか?」を突き付けられるサスペンス映画。
警察やマスコミに対して一歩も引かないだけでなく、犯人探しを邪魔する者を誰であれ正義感を向けるミルドレットを演じるフランシス・マクドーマンド、最初は尊敬するウィロビーを非難するミルドレットに対しての反感からミルドレットに味方する者を迫害するがあることからミルドレットを助けるディクソンを演じるサム・ロックウェルの演技、どんどん独善的に犯人に憎しみを募らせるミルドレットやある男の暴走する正義そして憎しみを越える赦しや絆が、印象的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画館にて。
予測不能な展開と、
哀しみと怒りの中にあるダークなユーモアに振り回されるように、
引きずられながら見終わった。
母親と警官の不思議な交流は、
どこかラブロマンスのようでもある。
コーエン兄弟を初めて観た時のような強烈な魅力。 -
この映画はサスペンスの体を装っているが
見ている人に勝手な思い込みを植え付けては、それを裏切り
価値判断を揺さぶり続ける作品だ。
このサスペンスの技法で人を穿って見てしまいがちになり、
登場人物誰一人共感できないのに、いつの間にか自分も同じように
人を簡単に決めつけてしまっていることに気づかされる。
これが偏見の元なのだろうか。
まんまと炙り出されてしまった。
良質な映画とはこんな作品のことを指すのだろう。
登場人物たちは深い喪失感や愛情や正義感や希望が複雑に絡み合う中
偏見や思い込みで負の連鎖を続けてしまう。
しかし、一人ひとりは頼り甲斐のある母であり、家族思いの亭主であり、
母親思いの息子であったりと愛すべき隣人たちなのだ。
行きすぎた行動は理解しがたいけれど、なんとも複雑な感情に襲われる。
近年の分断化されたアメリカの状況をニュースなどで見て
なぜここまで同じ国、ましてや同郷の人同士で憎しみ合うのか
到底日本人の私には理解しがたいのだけど、
この映画を通して白黒つけられない人間の業をまざまざと見せつけられてしまった。
そしてそれは他人事ではなく、私の中にも偏見の種は存在するということを痛感されられたのだった。
エンディングは私たちに委ねられた。
負の連鎖を続けるのか、断ち切るのか。
正義を貫くのか、赦すのか、
ここでもやはり単純に白黒つけようとしている自分に気づかされる。
世の中は自分が思うよりも複雑で混沌としているのだ。
またしても、まんまとしてやられるのだった。 -
ここで結末⁈
ってめちゃこの後を観たいんだけど…笑
この映画、広く浅く見せつけられて何を語りかったのか、複雑に薄っすらとわかる気がするんだけどハッキリ簡潔には語れないっす。こんなエンディングだし、さらに考えさせられてしまう。すっきりしないけどいろいろ考えるって事なら五つ星クラス! -
90年代のハリウッドを彷彿とさせる、良作。
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★3.5
これまたサスペンス系でオススメされていたので借りてみたが、これはヒューマンドラマですね。
人と人は影響しあって生きている。
誰かを尊敬し、誰かを傷付け、誰かに許され、誰かを許し。 -
娘をレイプして殺した犯人を逮捕できない警察を非難する看板を立てた母親の話。無事に仇をとれるといいね。