幻宮は漠野に誘う 金椛国春秋 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 今作から遊圭は金錵国を出て、新たな世界観でストーリーが展開される。新しくルーシャンという強い味方も現れて、どんどん心も体も逞しく成長する遊圭の姿が手に取るように分かる。

    もはや史実なんじゃないかと錯覚するくらい緻密に練られた設定で、唐や漢の時代の後宮システムや王朝そのものや文化が体感できるような内容に毎回圧巻。
    難しい単語も多々出てくるけれど、ストーリーのおもしろさが優に勝ってどんどん読み進めたくなる作品。
    自作も楽しみ。

  • 後宮編ではいつも明々や玄月に守られ、病弱で頼りなかった遊圭が、今度は男として活躍!馬や駱駝に乗って砂漠を超え、戦を経験する中で、本当に「男」らしくなった!男になったということは、次巻からは恋愛要素もあるのかな?明々にもっと登場して欲しいー!

  • 面白かったです。

    ただ、専門用語? が多く、なかなかページが進まなかったかな、、、
    シリーズ第四巻めは、主人公遊圭が皇帝の命により、はるか遠い砂漠の国に嫁す妹公主のお付き女官として付き従うという出だしです。
    もちろん、それは建前で、男の彼が女装して異国の後宮に潜入するからには皇帝の密命を帯びているわけです。
    前巻でやっと星家の生き残りであるということを公表し、逃走するための女装から解放された遊圭ですが、またもや女装する羽目になりました。

    はるかな砂漠の国へと至る過酷な長旅の様子など、異国情緒たっぷりに描かれる長編は読み応えがあります。
    ただ、その分、かなり本格的な歴史物の趣が漂い、ラノベに慣れた読者には少しとっつきにくい部分があるかもしれません。
    私も年末年始の忙しい時期もありますが、内容的に面白い割にはサクサクとページが進まず、挫折しかかったこともありました。
    何とか時間をかけて読破できて、良かったです。
    ラストは良かったですね。
    第一巻は、族滅の法で一族皆殺しにされた遊圭が自らも逃走しているという緊迫のシーンから始まった本作。
    追跡の手を逃れるために可憐な容姿をいかして「少女」となり、後宮に潜伏した遊圭が様々な事件や試練を通し、人と出逢い自らも成長してゆく過程が丁寧に描かれてきました。
    遊圭の気苦労を物語りを通して自分も体感してきただけに、四巻めとなる本書で彼が元服の儀を無事に迎えられたシーンは、母のような「?」気持ちで感動しました。
    感動のあまり、息子の元服に涙してしまいました、、、
    何故でしょうか、この物語を読み遊圭の生き方を見ていると、私は何か勇気が湧いてきます。
    たった15歳の男の子が生命の危機に瀕しながらも、他者を思いやり、また持てる智慧を最大限に働かせて試練を乗り越えてゆく姿に、とても感銘を受けるのです。
    彼が漸く元服を迎えたことで、物語はまた一区切りのようです。
    これから先の彼の成長を見届けたい想いはあるので、また続きを読むこともあるかもしれません。

  • さらに面白くなった。この巻が一番だね。

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著者プロフィール

1966年島根県生まれ。神田外語学院卒業。プログラマー、介護職などを経て、現在ニュージーランド在住。2013年、第4回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、受賞作を改稿、改題した『天涯の楽土』でデビュー。著作に「座敷わらしとシェアハウス」「金椛国春秋」「親王殿下のパティシエール」シリーズ、『狩猟家族』『蒼天の王土』『マッサゲタイの戦女王』『霊獣記 獲麟の書(上・下)』がある。

「2023年 『蒼天の王土』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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