深紅の断片 警防課救命チーム (講談社文庫) [Kindle]

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  • 少女が閉じ込められている。
    声を変えた匿名の119番通報が入る。
    救急隊の真田隊長らが廃業した販売店に向かうと、処分待ちの大型冷蔵庫の中に血塗れの少女が監禁され、その背中にはドイツ国旗のようなシールが貼られていた。
    さらに次の犯罪が続く。

    救急隊がメインというのも珍しく、その勤務体系や活動内容も事細かに描かれており、普段見えない大変さも知ることができる。
    トリアージタッグがキーになっている話ではあるけれど、たくさんの要素の問題が詰まっている。
    ほんの少しの事象からどんどん悲劇の渦が大きくなり、いろんな人の人生の道が狂っていく。
    事件は解決するが、問題の根幹は「知る」ことしかできない。
    何もない日常が本当に脆い土台で支えられているということに気付かなければならない。

    コロナ渦で過酷な状況下に置かれている方はたくさんいるが、日々人命と向き合っている消防隊員にも一日でも早く平穏が戻ることを祈念する。

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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