リヴァイアサン2 (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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  • 古典「リヴァイアサン」の後編。17世紀の欧州、特に英国の情勢を背景に、国家と人民の在り方を説いている。なるほどと思わせる記述が多かった。参考になった。

    「いかなる行為に及ぼうとも、主権者は臣民によって罰せられることはない」n253
    「国家を制定する目的は、全員の平和と安全を守ることにある」n258
    「一人の人間が国家を代表する場合、それは君主制である。集まる者全員から成る合議体が国家を代表する場合、それは民主制である。一部の者が国家を代表するのは貴族制である。これら以外の国家体制はあり得ない」n405
    「君主制の下で不満をかこっている人々は、それを専制と称する。また、貴族制に嫌気がさしている人々は、それを寡頭制と称する。同じように、民主制の下で悲嘆に暮れている人々は、それをアナーキーと称するのである」n412
    「雄弁家(主権を持った合議体から贔屓にされる者)は、人を傷つける強大な力だけは持っているものの、守るための力はわずかしかそなえていない。なぜそのように言えるのか。非難するときは、弁明するときほどの雄弁さは必要ないからである」n478
    「統治形態の構成要素の寿命には限りがある。そうである以上、君主のみならず議会全体の寿命もいずれ尽きる」n556
    「アテナイ人やローマ人は自由であった。すなわち、自由な国であった。だがそれは、個々人がおのれの代表者に反抗する自由をそなえていたということではない。代表者が他国民に対し抵抗、侵略を企てる自由をのそなえていた、という意味なのである」n953
    「主権制度の目的とは、臣民相互の平和を保ち、共通の敵から身を守ることにある」n996
    「「法を奪い去られたら、何が自分のもので何が他人のものか、たちまち分からなくなる(キケロ)」したがって、所有権の導入は国家のなせる業である」n1539
    「国家の蓄えは、他でもない、不測の事態に対処するのに必要なものによって決まる」n1585
    「法が存在しないところには罪も存在しない」n2372
    「主権が存在しないところでは、犯罪も存在しない」n2379
    「主権者は(君主であるにせよ合議体であるにせよ)、主権者としての権力が信託された目的を果たさなければならない。それは、人民の安全を確保するということである。ここで言う安全とは、各人が単に生命を維持することだけを指すのではない。その他の、あらゆる暮らしの豊かさも含意される」n3162
    「人民に教育をほどこすことは、主権者の義務である」n3237
    「以下のことははなはだしい誤りだということを人民に知らせておく必要がある。主権を持った代表者のことを貶(けな)すこと。代表者の権力について自説を述べ、議論を戦わせること。敬意を欠いたやり方で代表者の名前を使い、その結果として代表者に対する人民の畏敬の念や、服従の心構え(国家の安全を保つのに欠かせないもの)を損なうこと」n3273
    「もし世界中が人口過剰になった場合、最終的な解決策は戦争である。それは各人に勝利か、さもなければ死をもたらす」n3413
    「総司令官たる者は、務めに精励しないといけない。また、度胸のよさ、親しみやすい人柄、度量の広さをそなえていないといけない」n3533
    「「司令官として実力がある」「配下の兵士を大事にしている」という評判に足るものであるなら、それがすなわち人望なのだ。人望があれば指揮下の将兵から、「わが身の運命を司令官の温情に託そう」という意欲や気構えを引き出すことができる。また、反抗的な、あるいは怠惰な兵士を罰する際に、厳しい態度で臨むことができる」n3535
    「純然たる自然状態(言い換えるなら、主権者でもなければ臣民でもない人々の、絶対的自由の状態)は無政府状態にして戦争状態である」n3566

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