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感想・レビュー・書評
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かつてはマルクス主義史観の影響から、封建制下で庶民は困窮し、庶民文化などは存在しえなかった暗黒の世紀とされた江戸時代。
その後、ソ連崩壊と共にマルクス主義の権威は失墜し、前近代の日本の歴史にも新たな光が当てられるようになった。
江戸時代の外交体制を鎖国とよぶが、かつてはネガティブなスタンスで語られることが多かった。
しかし、見方を変えればそれは、海外との通交・貿易の窓口を管理することで幕府の支配を強化する積極的な外交体制と言える。
天下泰平の世がおとずれ、徳川幕府による平和を謳歌した江戸時代人は、身分の上昇ではなく農工商分野での経済的台頭にエネルギーを注ぐようになり、各産業は飛躍的な発展を見せた。
豊かな経済成長を下支えとして、江戸時代人は衣食住や教育、娯楽としての舞台や旅行など、健康で文化的かつ最大限に楽しめる生活を楽しんだ。
もはや江戸時代は暗黒時代ではない。
それは、現代令和日本を生きる我々が忘れつつある、自らの生活を自らの創意工夫やアイデアで楽しくしていこうという前向きな生き方が織りなした、誇らしき伝統文化を誕生させた時代なのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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