ロード・エルメロイII世の事件簿 (1) (角川コミックス・エース) [Kindle]

著者 :
制作 : 三田 誠/TYPE-MOON  坂本 みねぢ 
  • KADOKAWA
3.20
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感想 : 3
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感想・レビュー・書評

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  • 本日は、小太郎くんから頂いた「ティーンズによるブックガイド」をご紹介します。

    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

    ティーンズによるブックガイド……
    (by 小太郎)
    『ロード・エルメロイII世の事件簿』1……らしくないミステリー……謎解きの始まり……。

    ぼくが、この作品を読んだのは2週間前……。
    だが、ぼくが面白いと感じた最初の地点はこの作品ではなく、2006年から2018年までに16シリーズも制作され、他にもスピンオフ作品等がある『Fate』である。
    参照↓↓↓↓↓
    https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1516353266

    『Fate』は、ぼくが個人的に好きな広大な世界観のアニメ物語なのだが、これはその外伝だ。
    主人公、エルメロイは『Fate/Zero』という『Fate』シリーズの、主人公よりも主人公らしい、と言われている登場人物である。
    『Fate』シリーズというのは「聖杯」という人類の願望器を巡って、7人の魔術師たちが、召喚した《英霊(サーヴァント)》という歴史上の過去や未来に存在する人物……<英雄><反英雄>……と呼ばれる者達を7体召喚して英霊同士を戦わせ、冬木の地で争う物語だが、他の登場人物(キャラクター)達の関係性が気まずくなってゆくなかで、エルメロイⅡ世(ウエイバー・ベルベット)と征服王イスカンダル(ウエイバーのサーヴァント)は、唯一理想と夢を分かち合う、友のような、臣下のような形になる。が、征服王イスカンダルは、英霊たちの戦いに敗れ、冬木の地を去ってしまい、ウェイバー(ロード・エルメロイⅡ世)もまた、生き残った英霊ギルガメッシュによって殺されるはずだったが、ギルガメッシュがイス!
    カンダルとウェイバーとの約束に心を傾かせ、ウエイバーを殺さずに見逃したため、ウエイバーは、ただ一人の第四次聖杯戦争の生還者として生き続けることとなるのだが、その後生の話を描いたのが、この『ロード・エルメロイII世の事件簿』なのだ。
    そうしてこの作品は“事件簿”と書かれている通り“探偵もの”で、主人公のロード・エルメロイⅡ世はこの本では私立探偵になっている。
    しかし『Fate』シリーズには「聖杯」戦争の因果が必ず付きまい、そこに魔術というものが存在する。
    ミステリー好きの方はお分かりだろうが、物理の法則を曲げるものが存在するならば、本格ミステリーはありえない……(と僕は思うのですが)……事実、エルメロイII世も“現代魔術家”と呼ばれている魔法の使い手である。なので推理と言っても魔術に関する配置(術式を整えるもの)や超常現象の原理や法則から、東野圭吾のガリレオ風に犯人を割り出し証拠を見つけるのだ(エルメロイ自身は魔法はあまり使わない)。
    作中では、たまに犯人が死人であったり、精霊であったり、はたまた世界そのものであったりするので、いっそ犯人なんていないもの、と考えた方がある意味面白いかもしれない。
    (ここから先はネタバレ注意‼︎)

    登場人物の一人、エルメロイの弟子のグレイという少女は《アッド》という喋る霊装を所持している。
    これは、対死霊用の魔術霊装で、本来の姿はアーサー王が反逆の騎士モードレッドにとどめを刺した槍であり、この“最果てに輝ける槍(ロンゴミニアド)”則ち神器を身につけた彼女は、ウェイバー(ロード・エルメロイ)の師であるケイネス・エルメロイを殺した“剣の英霊(セイバー)アーサー王”の生き写しだった為、エルメロイから「自分が最も見たくない顔」といわれ、何時もフードを被るように命じられている。
    こういうところは本編のファン心理をくすぐるうまいやり方だと思う。
    それに物語のなかで頻繁に、征服王イスカンダルとの約束がエルメロイ本人の口から語られるので、これを読むならやはり、予め、背景となる『Fate/Zero』を見ておいて欲しいと思う。
    放映中のアニメも沢山あるので、百聞は一見に如かず!
    是非見るべし。
    そして、この本を読むにあたっては、英霊(サーヴァント)についての歴史や伝説なども知っておくと物語の世界観がより深いものになると思う。
    ぼくは、このシリーズで気になったサーヴァントの名前を調べることで、歴史系だけでなくいろんな知識を得ることが出来た。
    教科書で最初に出てきたときは、メソポタミア文明になど、あまり興味を惹かれなかったが、ギルガメッシュやエルキドゥなどの登場人物に魅力を感じ、もっと深く知りたいと思い、歴史や背景にある文化について調べ様々な事を学んだ。
    神々の登場する「神話」や所業。その時代に関わりのある人物や物や文明の流れ全てに興味をそそられた。探偵があらゆる角度から犯人を追い詰めるように…。

    最近は、子どもはこの手の小説はあまり読まないと聞いたが、どうしてだろう。
    ぼくは、これからもこのライトノベルをドンドン読みたいと思う。
    自分の世界を拡張するためにも……。

    2019/09/26 更新

  • まず素晴らしい点は総ルビです。総ルビです。そしてとにかく美麗です。ここまで美しいコミカライズを私はあまり知りません。すごい。シリーズ最後まで続きますように!

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著者プロフィール

人気実力派イラストレータ―。小説など書籍のカバーイラストも手がける。今作で初の漫画連載作品。

「2017年 『嵐ノ花 叢ノ歌 ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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