- Amazon.co.jp ・電子書籍 (286ページ)
感想・レビュー・書評
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報道の誤報を巡る短編4編と、小説全体をまとめる最後の1編という構造。よくできていると思う。
ふだんマスメディアの報じているものは、結構無条件に信じてしまっている。我々は、ニュースに腹を立てたり、同情したりしながら、世の中の動きを分かったつもりになっている。
しかし、ニュースの中には、誤報や、ひどい場合には意図的な嘘が潜んでいるかもしれない。
よく考えてみると恐ろしいことだな...と。
塩田さんの「罪の声」はそのまま「グリ森事件ってこういう事だったんじゃない?」と思わせる説得力があった。この小説においても、う~ん、と唸らされた。
もう一度、読み返してみたい小説。
本屋大賞2019 1次投票第25位詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
5編の短編からなる本書、新聞報道の誤報 虚報が関連する人びとを傷付ける話から始まるのだけど、実はすべての話は繋がって行く!
後半には電波報道の誤報虚報問題にまで広がって、ネット社会の情報の怖さや脆さとジャーナリズムの在り方は如何にあるべきかの提議を含みながら見事にリンクさせてのエンディング♪
いやいや参りました!まさに現代の課題と問題点を炙り出していて 否応なしに考えさせられました。やっぱり上手いです -
新聞記者の世界の歪み、ノンフィクションの事件をベースにしてあるので実感がわいてくる、今見てるニュースが真実なのかフェイクなのか、境界線がわからなくなる。