歪んだ波紋 [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 報道の誤報を巡る短編4編と、小説全体をまとめる最後の1編という構造。よくできていると思う。

    ふだんマスメディアの報じているものは、結構無条件に信じてしまっている。我々は、ニュースに腹を立てたり、同情したりしながら、世の中の動きを分かったつもりになっている。
    しかし、ニュースの中には、誤報や、ひどい場合には意図的な嘘が潜んでいるかもしれない。

    よく考えてみると恐ろしいことだな...と。

    塩田さんの「罪の声」はそのまま「グリ森事件ってこういう事だったんじゃない?」と思わせる説得力があった。この小説においても、う~ん、と唸らされた。
    もう一度、読み返してみたい小説。

    本屋大賞2019 1次投票第25位

  • 5編の短編からなる本書、新聞報道の誤報 虚報が関連する人びとを傷付ける話から始まるのだけど、実はすべての話は繋がって行く!
    後半には電波報道の誤報虚報問題にまで広がって、ネット社会の情報の怖さや脆さとジャーナリズムの在り方は如何にあるべきかの提議を含みながら見事にリンクさせてのエンディング♪
    いやいや参りました!まさに現代の課題と問題点を炙り出していて 否応なしに考えさせられました。やっぱり上手いです

  • 読んでいて色々思い巡らす話だった。
    以前、テレビ収録に観覧で参加したことがある。
    生放送の観覧はそれまでに何度か経験はあったが収録は初めてでとても興味深かった。特に「今から放送では流れる予定のロケ映像がまだ撮れていませんのでロケ映像を見ているていでお願いします」と言われたときは本当に興味深かった。後日放送の編集具合が。
    見ているていの映像のシーンもそうだが、他のシーンでもその時に見た反応ではない反応をワイプで編集されていて、発信されるものすべてを鵜呑みにするものではないと改めて知れて本当にいい機会だった。
    そういうのも含めて、色々これからの自分の情報の取扱いについて考える一作だった。

  • 新聞記者の世界の歪み、ノンフィクションの事件をベースにしてあるので実感がわいてくる、今見てるニュースが真実なのかフェイクなのか、境界線がわからなくなる。

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著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年には『罪の声』『騙し絵の牙』がそれぞれ映画化された。

「2022年 『朱色の化身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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