- Amazon.co.jp ・電子書籍 (306ページ)
感想・レビュー・書評
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マーケティングで出てくる「バンドワゴン効果」「マシュマロテスト」など一度は耳にしたことのある主要な心理テクニックが数々登場しつつも、ストーリーと笑いを交えて語られるので読んでいて楽しい。
個人的にこの本を読んで日常に役立ったり、メリットがあるだろうなと感じるのは
・マーケティングに関する仕事をしている人
・お金のブロックを少しでも解消したい人
・主体性を持ちたい人
・お金の遣い方を見直したい人
・主体性をもちたい人
・お金を貯めたい人
実際に私はこの本を読み終わって、お金は大事という考えは変わらないものの、価値に注目する視点が広がったように感じている。
仕事に役立つTipsもいくつかあったし、友達にオススメしたい一冊だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今話題の「行動経済学」を具体的なエピソードと共に学べる本だった。
経済の話の時には人は抽象化されて心理的な要素は排除されて論じられることが多いのかと思う。
しかし、行動経済学では人間が不合理と考えられる行動をとる時、人を完全に合理的な存在でなく、感情のある人間としてどのように考えてお金を使っているのかを説明していた。
価格の相対化や心の会計項目、公平性などは個人で何かお金を使う時でなく企業が価格に関する決定する時にも知っておくべき内容だと思う。
合理的に考えれば同じかむしろ得なのに消費者の反発を得る背景はこの本の内容で説明できるのだと思った。 -
人がなぜ不合理なお金の使い方をしてしまうのか、行動経済学で解説する本。いかにもありそうな架空のお金にまつわるエピソードがあり、その裏にある人間の特性を解説する構成。「こう振る舞うべき」というより「このように振る舞ってしまうから気をつけよう」という本。
よく「お金をどれくらい使ったか分からないからクレジットカードは怖い」という意見に対して「自動で記録されるクレジットカードの方が、現金よりも使った額が分かりやすい」という反論がされる。これはどれくらい使ったかを「数値」で考えるならば正しい。しかしどれくらい使ったかを精神的な痛みで考えるならば間違っている。クレジットカードは消費と支払いのタイミングにズレがあり、手を動かす量が小さいので、「支払いの痛み」は現金よりもはるかに小さい。お金の管理を数値ではなく痛覚で管理している人にとって、「クレジットカードは怖い」という認識は正しいのだ。
この本を読むと、人間がお金の使い方をその都度判断するのは無理があるように思える。お金を賢く使うためには、セイレーンへの対策をしたオデュッセウスのように、冷静な段階で適切な仕組みを構築するのが最善であると言える。