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感想・レビュー・書評
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テーマ:税金
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日本の税制について概観できる本。
税金は悪であり取られるもののように捉えがちだが、次の点
・日本国の主権者は国民であること
・国民が国の運営費として拠出するものが税金であること
を踏まえると、暮らしやすい国にするためにはそれなりにお金もかかるだろうし、出すべきお金は出した上でそのお金が適切に使われているかを国民がチェックしなければならないのだろうなと思った。 -
日本の税の仕組みをざっくりとまとめて見るにはちょうどいい本だ。
誰のための税金というところからはじまり
所得税、法人税、消費税とメジャーなところだけでなく
相続税、酒税等物品税、地方税もふれていく。
とかく日本は源泉所得税と年末調整で大半の人が終わってしまうので
どのように、あるいはどのような意図で徴税されているかが見えにくい。
それでも、税金が本来的には国民の付託を受けた行政が
国民のために使っていくという前提で
国民の了承のもと徴税されるという建て付けになっている以上
ただ受け身で差し出すのは違うし、個人的に節税に励むと言うのも違う。
税はそれぞれのお金の動きを特定の方向に誘導することがある。
それだけで決まると言うこともなくても、家族の形についてだとか
雇用関係のあり方だとか、あるいは国際的な取引の形について。
どのような社会を望むかを
社会の構成員が考えることのできる制度の中にいる我々にとって
税金というのもその望ましい社会に対する一助になる。
こうした著者の問題意識がよく分かる一冊だ。
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人的控除の中に配偶者控除がある。配偶者控除はその名前からして、日本の伝統的女性像である「内助の功」を税法上優遇したものであるかのような主張があるが、それは誤解である。(中略)
まず専業主婦を前提に考えてほしい。専業主婦は、いくら家事労働に専念しても、そこから所得は生まれない。つまり無所得者である。そうすると、無所得者には、国家は生活保障をしなければならないはずだが、婚姻中はお互いに扶助義務があるので、これを前提に国は生活保護を支給しない。そこで、婚姻中は所得のある者がない方の「健康で文化的な最低限度の生活」のための支出を負担することになる。(p.38-39)
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基礎控除が基本で、それを所得のある方に移し替えたという作りですね。
だから、パートで働いている時に基礎控除があって配偶者控除があるというのは
実は二重に控除していて政策上の配慮ということになる。
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ビールが発泡酒という類似品を生み出したのは、ビールの税率が異常に高かったからである。(中略)
一九五〇年代の大蔵省(現・財務省)関係者の解説(中略)によれば、ビールはその大半が家庭以外の料理店で消費されており、そうした料理店に出入りできる層は社会的に裕福な層であることが高税率の根拠とされてきた。(p.169-171)
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時代の変化を無視して税率が高かったビール。
最近はようやく少し下がる方向で調整が入りつつありますが、それでも他のものより高そう。
ひとつひとつ見ていくと面白いです。 -
就職して、給与明細を毎月見るようになり、控除という言葉をよく見て、よく分からず年末調整の書類を記入していた。
6万くらい住民税、所得税、健康保険料、年金で引かれてる。
なんとなくそれらを理解せず受け流しているなかで、これってどこかで教えてもらったっけ、中学の公民?高校の現代社会?今選挙期間でちょうど選挙方式とか、国会のこととか学び直したいと思っていたんだけど、公民と現代社会って超大事だったんじゃない?
当時は自分の生活から遠くて、関心が持てなかったけど、今日図書館で中高の教科書展示していて、中学国語と高校の論理国語と文学国語と倫理学をペラペラめくった。 倫理学興味深かった、高校で倫理やりたかったな。
複雑で理解しきれないところがあった。
お金のやりくりを自分でして、お金を稼ぐようになった人は、みんなに身近な話で、強力な共通の話題になるから、この本のお話をしたら、楽しいと思う。
今日は、2022年7月8日。
神奈川選挙区の立候補者をNHKの選挙サイトで比較していた。
多くの候補者が税金引き下げと言っている。
軍事費は、与党が引き上げ、共産、社民、が引き下げ。
それはみんな、税金が下がったらいいと思うだろう。
でも、その減った分は、どうやって補うの?
大企業の内部留保、金持ちへの課税強化で本当に補えるの?
補えなかったら、困窮者へ回るお金の引き下げになったりしませんか?
また、教育費が安くすると多くの立候補者が言っているが、そのお金はどこから持ってくるの?
そういう分からないことがたくさんある。
そういう分からなさから、税金を下げるという党は、軽率に当選したいからそう言っているのじゃないかと疑ってしまう。
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減税を主張する政治家と増税を主張する政治家の両方がいるのは何故か。人々は増税が嫌いだが、税金とは本来公共資金の確保であり国民に返ってくるのではないか。というか税金ってたくさんの種類があるけどよく分かってないな...。
こういった問題意識から本書を手に取ったが、大正解だった。
所得税、法人税、消費税、地方税(固定資産税、都市計画税)など、全体に対する規模感と概要及び問題点について、簡潔かつ十分丁寧に説明がなされていると感じた。
一度読んでおくと、物事の見方への理解が深まるかもしれない。