テクノロジーの地政学 シリコンバレー vs 中国、新時代の覇者たち [Kindle]
- 日経BP (2018年11月22日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (411ページ)
感想・レビュー・書評
-
この本が発売された2018年末時点において、中国とシリコンバレーのテクノロジービジネスについて、「人工知能」
「次世代モビリティ」「フィンテック」「小売り」「ロボティクス」「農業・食」の観点から紹介した本。
日本は個人情報を多く取得できている企業がないから、多くのデータが必要なAIでは成長の見込みがないば、データ無し学習、つまり強化学習ではチャンスがあるとのこと。確かに一理ありそうな気はするけど、そもそも日本はAIの研究が遅れてるといわれてるぐらいなので難しいだろうなと思う。
それにしても、アマゾンGoの1店舗にかかる費用に驚き。だいた、1店舗作ることに設備投資が100億円~1000億円必要と予想されてるらしい。そりゃあ、バイト雇った方が安いだろうなと思う。カメラによる画像処理はやっぱり限界がありそうな気がするので、もっとRFIDが安くなったらそれこそ無人店舗が広がりそうな気がする。
食の話について、最近はタンパク質の多いコオロギを食用に利用している企業が多いらしい。そういうのは聞いたことあったけど、コオロギに似たバッタとかはどうなんだろう。最近、アフリカでバッタが大量発生して問題になってるようだけど、バッタを食用にできたら大量に獲得してビジネスに利用する企業とかでてきそうだけど。
この本にはいろいろ中国やシリコンバレーの会社が紹介されてたけど、その中で気になったのが、小田剛さんという方が中国でたちあげたというアレスカライフという会社。「コンテナ式植物工場」というビジネスらしいけど、食糧問題の解決ができて安全性の高い野菜を作ることができるらしい。新興国のアラブ首長国連邦や南アフリカにも進出しているのだとか。
そもそも、海運用のコンテナは世界で1200万台ぐらいが利用されてない状態で、安価に購入できたり、場合によっては無料でもらえるということで、ここから「コンテナ式植物工場」がうまれたらしい。コンテナがそんなに余ってるということがまず驚いた。
それにしても、このシリコンバレー(アメリカ)と中国の間に挟まれてるのが日本なんだなと「おわりに」で書いてあって思った。日本は少子高齢化で人口減少社会になっていくのだから、この二国とうまく折り合いをつけて生きていけたらいいのだけど。
ただ、そういう意味ではもう少し日本の事例も紹介してほしかったなと思った。たまにソフトバンクの話はでてきたけど、日本の会社についての話は少なかった印象。まあ、主題じゃないから仕方ないけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人工知能、次世代モビリティ、フィンテック・仮想通貨、小売り、ロボティクス、農業・食テックの6つの分野について、米中の技術・ビジネストレンドと注目スタートアップを紹介した書。2018年11月発行。
注目すべきは、インシュアテックとオルタナティブ・プロテインやクリーンミートかな。何れにしても、全体を概観しているだけなので、シリコンバレーや中国の有望スタートアップを把握したい、といった目的がない限り、得るものがあまり多くない書だな。 -
IT業界の最新事情を知ることができた
アップデート主義
プラットフォーム外のユーザーを巻き込むキャンペーン -
アメリカ・シリコンバレーと中国のテクノロジー産業の動向を比較することで、テクノロジーの未来像を読み解いた本。
シリコンバレーと中国の現地動向に詳しい専門家と共に現在のテクノロジー産業の現状を解説するだけでなく、マーケットトレンドや分野ごとの注目スタートアップ企業も紹介しています。
今後のテクノロジーの動きを知るにはアメリカ・シリコンバレーだけでなく、中国にも注目する必要があります。 -
中国のテクノロジー分野での驚異的な伸びを見ながら、日本が停滞している現状に歯がゆい思いをする。