ボクたちはみんな大人になれなかった(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ❇︎

    時間が過ぎても忘れずに心に残る、
    いつかの自分やどこかの誰かが、
    きっと感じたであろう思いや言葉が、
    あちこちにぽつんと佇んでる。

    どこかに置いてきてしまった、
    いつかの自分に、
    ありがとうと、さよならを告げる
    そんは小説でしょうか。


    〜〜〜〜〜〜
    ・どこに行くかじゃなくて、誰と行くか

    ・必ず朝が夜になるように、いつかは終わる

    ・ありがとう。さよなら

  • リアリティがある作品。
    自分の好みがフィクションとかSFモノだったのであまり合いませんでしたが
    構成、描写、言葉の表現の仕方がすごく上手です!!!!

  • 好きな洋服屋の、オーナーさんに貰った本。
    クリープハイプの歌をそのまま小説にしたら、こんな感じかな。死ぬまで一生愛されてると思ってたよ、みたいな。愛は行き止まり。僕は鼻詰まり。元気でね。みたいな。
    途中入り込み過ぎて、自分の体験を読んでるのかと思ったけど、バイトはむげん堂ではしてないし、円町も行ったことないし、当時の彼氏とも文通してないし。
    でも、主人公たちを他人とは思えないこの気持ちを評すると、大人になれなかった、ということなのかも。
    でもハッピーエンド。

  • リラックスしたい、肩の力を抜きたい時に読む本。

    それぞれの話の描写や感情はリアルで想像できることが多く、共感する部分多いが、全体の構成が時系列ではなく色々と入り組んでいる。
    この、入り組みが良さも出しているのだろうが、そのまま時系列の方が、より感じる部分が多くなったのではないかと思う。

  • 忘れられない恋人。
    思い出スイッチが入り、ふと現在の中に現れる過去の思い出達。主人公の生活エリアが、自分の生活圏だった事もありすっと入ってきた。

    人生のいろんな分岐点。
    今と過去を行き来しながら、
    忘れられない恋人を思い出す。

    未練がましさも自分に酔うでもなく、
    タンタンとしていて、感傷的でもあって、
    「なんかいい」本だった。

    わたしにも忘れられない恋人はいる。
    いまさらどうと言う事もなく
    私は幸せな生活を送っている。

    今時の言葉で表すなら
    エモい。そう。エモい小説だった。

  • 大人になってから若い時の恋を思い返すというストーリーに心惹かれて読み始めましたが…。

    すみません、感情移入はできませんでした。
    おそらく主人公は私と同世代ぽいので、ところどころ懐かしい雰囲気が漂っていて、バブルがはじけているのにまだバブルにすがるような雰囲気?空気感?が見事だなぁと思いましたが、本筋の方では心に刺さらず…

    大好きだったっていうけど、別れる前、他の子に関心行ってるやん。

    でも、昔付き合った人のFacebookやインスタが出てくると心ざわつくのは分かる気がする。

  • 私はニュートラルよりややダウンな時に、村上春樹氏の空気感が読みたくなるが、その空気感に似ている印象だった。感情の凪。第三者的な距離感。現実感のあ物語。最後少し希望のある感じが村上氏とは違って、それもよかった。本屋に行く機会が減ったので、人にオススメきくのも新たな出会いがあってよいなぁ。

  • 話のストーリーとしてはいたってシンプル。
    昔の彼女のFacebookを発見した男が、間違って友達申請してしまい、それが承認されるまでの間に付き合ってた時期の生活を回想する話、である。

    あらすじだけ書いてみると全くそそらない。この出来事が小説になると思えない。だって、ただスマホをタップして承認を待つだけの話だよ。しかし、その、ただの承認待ちの物語は沁みるラブストーリーに昇華されているのだった。

    著者は40代。自分と年代が近いようで、見てきた東京の風景が重なる。あの頃の空気感。若い頃の恋愛の恥ずかしさ。急激に変化した世界。ああ、同じ時期に近くにいた人だ。これは自分の物語でもある。そんな錯覚を感じて痛くて楽しい不思議な読書体験となった。

    年代の近さが大きな要因だと思うが、著者の文章が素敵である。ただの日常が著者の文章によって味のあるスナップ写真のように切り取られていく。なんとなく撮影した写真が、後々かけがえのない宝物になるような感じだ。これが文才というものなのかもしれない。
    「諸行無常」をこれほど切なく描けるなんて。

    1990年代の東京で20代を過ごした人には鏡を見るような小説であり、とても価値のある物語だと思う。
    一方で他の年代の人が読むと起伏の無い萎びた中年のノスタルジーにしか感じないのかもしれない。

  • 「君が思い出になる前に」が頭の中で流れ出した。それが読後感だった。私は35歳、男。著者の九つ下ということになる。ここ、読書メーターの感想が優れない。賛否両論というよりは、否が優勢に見える。私は賛側に一票を入れる。帯の煽り文句以上に心に食い込んでくるものがあった。

    しかし、それが言葉にできないでいる。否は描きやすいように感じる。だからここのレビューがこういう状態なのだろう。「こういうこと自分にはなかったなぁ」という共感が、なぜか胸を締め付けた。一文一文の表現がページをめくりたくさせた。

  • 一言で言い表すのは難しいけれど、ストーリーに引きこまれてあっという間に読みきってしまいました。困難もあるけれど、前を向いて生きていく。そういうふうに受け取りました。


    2017年6月30日発行
    2020年5月31日読了

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著者プロフィール

1973年生まれ。小説家、エッセイスト。
2017年、小説家デビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』がベストセラーとなり、2021年秋、Netflixで映画化、全世界に配信、劇場公開された。
小説の著書に『これはただの夏』、エッセイ集に『すべて忘れてしまうから』『夢に迷って、タクシーを呼んだ』『相談の森』『断片的回顧録』がある。最新作は『それでも日々はつづくから』(新潮社)。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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