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- / ISBN・EAN: 4988061866604
感想・レビュー・書評
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LOVE SONG
Blue Flower
ANTI-HERO
夜桜
Monsoon Night
Food
SOS
Re:set
ドッペルゲンガー
エデン
すべてが壊れた夜に
Witch
スターゲイザー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2枚組アルバム、「Lip」はポップな面、「Eye」がダークな面と分けられている。もう一つのアルバムでは統一感が持てないので2つにしましたという感じ。そのくらい音楽性が広がっている。こちらのほうがエッジが立ってる感じで、英語詞も多い。歌詞はするどく大人っぽい。けれどメロディメーカーの才能はかわらないのであくまでポップ。
いい曲はいくらもあるが、例えば「Re:set」
♪夢だと思って眠ってみるけど いつまで経っても醒めない現実 君はもういない
♪喉も頭も口も左手も肩も目玉も爪も心臓も髪も産毛も耳も下顎も腸も尻も陰茎も麻痺していくような眠ってくような膝からベッドに落ちていく
陰茎なんて言葉が歌詞に出てくるのは初めて聞いた -
好きな曲多かったな新曲。
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『LIP』が寓話的物語要素に満ちているならば、『EYE』は思わず目を逸らしたくなるような物に満ちているように感じた。同時にそういった部分にこそ目を向けなくてはいけないんだよというメッセージも感じさせ、つまりは私の好きなセカオワ成分が充満した作品
1曲目の”LOVE SONG”からしてそのノリは全開。愛を冠したタイトルなのに内容は子供の頃は素晴らしい大人に成れると思っていても、時間がその想いを赦さないといった歌詞。
だけど同時に子供時代の弱さを忘れるなと説いているよう
実写版進撃の巨人の主題歌となった”ANTI-HERO”と”SOS”。映画は見ないままだけれど、”ANTI-HERO”からは巨人を駆逐するために魂を燃やしたエレンの覚悟を、”SOS”からは巨大な力に押しつぶされようとしている人々の静かな祈りを感じさせるような曲だった
どちらもこれまでのセカオワとはこれまた違った印象を受けられる曲に仕上がっている
”Witch”は”天使と悪魔”、”Love the warz”などで訴えてきたテーマの延長線にあるように感じられた
祭り上げられ非難される人を「魔女」、それを裁く人を「彼等」、傍観者として「僕等」を定義しつつ、曲の後半では「彼等」だけではなく「僕等」も加害者ではないか、そしてその意見を「面白いこと言うねぇ」と茶化す。それでいながら頭空っぽにして踊れば「僕等」も「彼等」も同じだと歌い、更には「魔女」まで一緒に踊らせようとする
曲調は癖になりそうなものなのに、歌詞の内容は恐ろしいものに仕上がっている点には興奮させられる
そして締めとして用意されたのが”スターゲイザー”。このアルバムの中では価値観を転換させるような曲が展開されてきたが、ラストの曲では何もかもを等価値に歌っている
星の下では何もかもが等価値で、頭がおかしくなりそう世の中であっても空を見上げれば星は変わらずに瞬いている。それはある意味救いなのかもしれないと感じさせる
『LIP』よりも少しだけ残酷さを増した本作の最後を彩る曲としては申し分ない一品であるように思えた