Kindle版読了。
2年前の社交界デビューの日に起きたある事件の所為で秘密を抱える事になった21歳貴族令嬢ヒロインと、ヒロインの初恋相手で一途で生真面目な21歳カタブツ騎士ヒーローとのすれ違いラブストーリーです。
2冊続けてヒーローがカタブツ騎士設定を読みました。
ヒロインとヒーローの出会いは10歳の時でした。
ヒロインの初恋はヒーローでしたが、18歳の社交界デビューの日に遊び人の王弟に初めてのキスを奪われてしまいます。
初めてのキスはヒーローと…と夢見ていたヒロインは自分が汚されてしまったとひどく落ち込み、互いに惹かれ合っていたヒーローを避けるようになってしまいます。
それからは事情を知って慰めてくれた夫人達と共にいるようになると、ヒロインは「未婚なのに夫人達のサロンに出入りする、ふしだらな娘」と噂を立てられるようになってしまいます。
…とにかく、一途にヒロインだけを想い続けてきたヒーローのお陰で無事に結婚出来た訳ですが、初キスを奪われた事をヒーローに告白出来ないのがそんなに重々しい「秘密」になるの…?と、現代感覚に慣れてしまった自分には良く分かりませんでした。(^_^;)
あらすじを読んで、ヒロインの秘密って「もしかして、ヒロインが王族の生まれとか…?」と予想したのですが、秘密の方向性が全く違いました。
初Hは、結婚式後の初夜だったのが良かったです。
ヒロインはもちろんSJでしたが、子供の頃から一途にヒロインだけを想い続けてきた生真面目で堅物なヒーローなので、当然DTだったのは嬉しかったです。
ただ、ヒロインの初めての絶頂の様子が、洋モノAVを見ている気分になりました(笑)。
時代の弊害なのか、ヒーロー義母とかヒロイン母とか、病んでいる女性が多かった作品でした。
今作は、ヒーローと出会った事でヒロインが毒親から解放される話だったように思います。
あと、性被害に遭った女性が「お前に落ち度があった」と言われるのは現代にも共通していて、読んでいて哀しくなると同時に悔しくなりました。
更には、同性愛者が登場したり、王弟が未遂だったとはいえ実兄の妻である王妃にも手を出していたりと、かなり異色で重め展開のTL作品だったと思います。
タイトルと表紙絵の明るさとのギャップが凄すぎでした。
生真面目で堅物なヒーローが、嫁姑問題では迷う事なく嫁のヒロインの味方になってくれたので、かなりイイ男でした。
タイトル通り、ヒロインを溺愛してくれるヒーローだったので救われました。
ヒーローが惹かれたヒロインの勇敢さが、王弟の事件を解決する事に役立ったのが良かったです。
誤字脱字が多かったです。
その中でも、「お前」が「あ雨」になっていたのは驚きました。