WIRED (ワイアード) VOL.32 「DIGITAL WELL-BEING」デジタルウェルビーイング特集(3月14日発売)

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制作 : WIRED編集部 
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  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910045920491

感想・レビュー・書評

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  • この書は、
    手に取ることのオシャレさ、が
    買う動機の8割ではないか。

    たしかにスタイリッシュだが、
    その内容は、
    本質に切り込む深さや
    時間が経っても色褪せない普遍性には欠ける、
    と私は思った。

  • 全部に目を通せないまま3年が経過したので一旦手放してみることにする

  • 「ANAの乗ると元気になるヒコーキ」「カントリルラダー」「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも全てがウェルビーイングな状態にあるという」「国連の幸福度ランキングは世界54い」「ネガティブ体験の少なさで言えばトップ10」「みんな違って、みんないい。は詩人金子みすゞの有名なフレーズである。これは文学としては素晴らしいが化学としては価値を持ちにくい」「電通のバイタリティノート」

  • ミラーワールドを筆頭に今まであまり聞けなかった話を読むことができてよい。

  • フィリピン旅行の長いトランジット待機中に読了。
    相変わらず密度の濃い内容。みっちり。

    Highlights
    □ 自分を知る。広く考える。
    □ Gallup社のウェルビーイング調査
    □ ステラ・マッカートニーの環境への取り組み


    □ Gallup社のウェルビーイング調査

    ウェルビーイングの3要素
    ・人生の評価
    ・ポジティブ体験(よく眠れた、学んだ、笑ったなど)
    ・ネガティブ体験(カラダの痛み、ストレス、怒りなど)

    地域別の傾向
    ・北欧 人生の評価が高い
    ・中南米 ポジティブ体験が多い
    ・東アジア ネガティブ体験が少ない

    統計結果
    ・経済的要因は一定程度まで人生の評価や日々の体験に影響するが、ある値を超えるとあまり関係しない
    →お金で買えるウェルビーイングの頭打ちポイント
     ・ポジティブ体験 60,000ドル/年
     ・ネガティブ体験 75,000ドル/年
     ・人生の評価 95,000ドル/年
     ※一人当たり。家族人数がN人なら√N倍する必要がある。

    ・お金以外にウェルビーイングに影響を与えるのは「人との繋がり」。
    ギャラップ社の調査では「あなたが困ったとき、助けてくれる親戚や友人はいますか?」にはいと答える人のウェルビーイングは高い傾向にある。
    そのような人の存在は収入が5倍になるのと同等の影響力がある。


    職場のウェルビーイングを測る(ギャラップ社のQ12)
    わたしは仕事のうえで、自分が何を期待されているかわかっている
    わたしは自分がきちんと仕事をするために必要なリソースや設備を持っている
    わたしは仕事をするうえで、自分の最も得意なことをする機会が毎日ある
    この一週間の間に、良い仕事をしていると褒められたり、認められたりした
    上司あるいは職場の誰かが、自分を一人の人間として気遣ってくれていると感じる
    仕事上で、自分の成長を後押ししてくれる人がいる
    仕事上で、自分の意見が取り入れられているように思われる
    会社が掲げているミッションや目的は、自分の仕事が重要なものであると感じさせてくれる
    会社の同僚は、質の高い仕事をするよう真剣に取り組んでいる
    仕事上で最高の友人と呼べる人がいる
    この半年の間に、職場のdれかが私の仕事の成長度合いについて話してくれたことがある
    私はこの一年の間に、仕事上で学び成長する機会を持った


    ギャラップ社の顧問を務めながら、主観的ウェルビーイングの学術研究を進めてきた心理学者のエドワード・ディーナーが、共同研究者の大石繁宏とルイス・テイとともに、2018年時点での研究領域全体の概要をしめすレビュー論文を書いた。
    このペーパーの興味深い点は、過去40年ほどの間に行われてきた世界中の研究結果から、人々が主観的にウェルビーイングを享受したり、または損ねたりすると感じる要因を網羅的に挙げていることだ。天候から収入レベル、居住地域における宗教性の強弱の度合いや政治腐敗の有無まで、実に多種多様な条件を切り出して、人々のウェルビーイング感覚との相関が研究されてきている。

    しかし、ウェルビーイングを巡るテクノロジーの設計も、下手をすれば、「こうすれば幸せになることが科学的に判明しています」という情報を鵜呑みにする人をいたずらに増やしてしまいかねない。そうではなくて、個々人が、その時々の他者や環境との関係性に応じて生成変化し続ける「より善き生」(ウェルビーイング)を自律的に捉えるための哲学的方法こそが必要なのだと思う。
    □ 自分を知る。広く考える。
    例えば、コカコーラは私の秘密を知っていて、上半身裸の男のコマーシャルを見せてくる。ライヴァルのペプシは高度なアルゴリズムを使っていないので、ビキニをきた女の子のコマーシャルを流す。自然とわたしはコカ・コーラを買い、なぜそうしたのかは意識していない。自分でコークを選んだと思っているのに、実際はハックされていたわけです。
    (…)
    昔は自分に対する理解を深めることはなくても、誰かがあなた以上にあなたを知ろうと競争を仕掛けてくることもありませんでした。でも今やその競争が激化しているので、自分で自分のことをよく知らなければならない。
    (…)
    いま哲学を学ぶべきではないかとわたしは考えています。


    でも世界には、アメリカとは違うルールを持つ政府も存在する。テック企業がそこに気づくのがあまりに遅すぎました。「Time Well Spent」が広まり、「人間は脆弱だからネットに使う時間に制限をかけてあげよう」という流れになっていますが、もっと大きな問題には取り組んでいません。民主主義の考え方を広めるにはどうしたらいいかとか、若者たちの心の病や疎外感が広まり、過去8年に10代の女の子の自殺率が2倍になったこととか、僕たちは、もっと包括的な視点を持ち、人間にとって良いことは何か考えるようテック業界を作り直していく必要があるんです。


    □ ステラ・マッカートニーの環境への取り組み
    エンバイロメントフレンドリーなブランドだって知らなかった。
    これをプチプラでやれるものかしら

    ・オーガニックのコットンを使用
    ・消滅の危機にさらされた森林からの素材を避ける
    ・石油由来の化学繊維を減らす
    ・マネキンの主原料は生分解可能なサトウキビ
    ・店内の電気はEcotricityが提供する風力発電の電力
    ・クリーンエアのスタートアップAirlabsの空気清浄システム利用
    ・毛皮は使わない
    ・PVC(ポリ塩化ビニル)は有害だから使わない
    ・レザー商品はポリエステルをベースとしてスキンフリースキンとよばれる繊維で作る
    ・環境損益報告書を作成
    ・サプライチェーンに関わる全ての場所を直接訪問して契約(3年かかった)
    ・5年間で品質とサステイナビリティが合格基準に達しているサプライヤーや繊維工場の詳細なデータベースを作成
    ・繊維工場と一緒に環境に優しい素材を開発
    ・リサイクル可能な素材
    ステラとデザイン部門が何らかの素材を欲しがると、バーグカンプ(チーフ・マーケティング・オフィサー)のチームが動き出す。「デザインチームの所に行って、例えば「今シーズンはアンティークっぽいヴェルヴェットが欲しい」って聞いたとするでしょ。そうすると、2年待ってって言われるの」とステラは話す。

    ファッションブランドからテクノロジーブランドへ
    …バーグカンプはステラのデザインに使えそうな新素材の開発者たちと会ってまわる→パートナーシップを結ぶ
    ・TIPA(イスラエル):プラスチックの代替素材(生分解可能な植物性)→包装材に使用
    ・Bolt Threads(アメリカ):人工素材MyloとMicrosilk。動物や環境を犠牲にしない。→アニマルレザーやシルクの代替
    ・Colorifix(イギリス):遺伝子組み換え技術を使った染料(従来の十分の一の水でOK)
    ・Evrnu(アメリカ):使用済みコットンをセルロース系繊維に分解するリサイクル技術

    自社持ち出しでやる。補助も受けていない。

  • SDGsに並んで重要なテーマ(らしい)、ウェルビーイングについて論じている。今号も面白かった。

  • 厚みと文字サイズから受ける印象とは異なって、読み終えてみるとあっさりとした内容でした。

    その中でもどっしり重みがあったのは、対談『人間はハックされる動物である』でしょうか。その訳は、話者がそうだから、にほかなりませんが、社会、政治経済、テクノロジー、哲学と認知へと、縦横無尽に議論が展開されます。
    ウェルビーイングとはもちろん関係がありますが、別のテーマの中にあっても不思議でない記事でした。

    その他は、比較的口当たりのよい味わいでした。

  • Digital Well-Being
    より良い生き方は一つではない(宗教ではない)。苦しみや不健康を修復・回復し、ネットやスマホにハックされない有意義な時間を取り戻すという一般的な定義にとどまらず、テクノロジーを使って増幅、拡張していく。GDP志向で経済成長をしてきたが、生活満足度や幸福度は先進国の中で超低空飛行中。何をどうすればいいのだろうかという問題に、真っ向から向き合った作品と言えるだろう。
    barefoot nature fixなどの言葉が並ぶ。スマホにハックされている現代人、社会に出たら周囲の人たちの考え方や価値観、人生の質によって自分の人生に影響を受ける。だから、解放され、自由に自然のままに近づく。ヴァンで生活するおじさんのヴァンライフが人気だ。実現可能な人生、それをデジタルにハックされている状態からの解放と読む。まさに、マトリックスの世界といえよう。
    もう一つ、水口哲也氏が語る「五感」の概念に囚われていることへの気づきが大きい。確かに五感で判断するという風に固定観念がある。しかし、実際には5つでは感覚が足りるわけがない。ウェルビーイング=快と定義することで、いわゆるゾーンに入った状態、アクティブに意識的に動いていて、いつでもニュートラルにいることができる。CDでアルバムとして順番通りに聞いていく。Appleだろうとスポティファイだろうと、その日の気分ということで。

  • 特集のテーマは、デジタル・ウェルビーイング。ディストピアを描くSFを読むとAIやバイオテクノロジーの負の側面に目を向けてしまいがちになるが、そもそも人類が創り出してきたテクノロジーは本来幸福のために最大限活用されるべきである事を改めて感じる事が出来た。

  • ウェルビーングのためのスマホツールを似たようなものを使っているが、データの蓄積が以下に自分をよく振り返るために役立っているかについては強く共感。

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