アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」 (集英社新書) [Kindle]

著者 :
制作 : 野田サトル 
  • 集英社
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感想 : 9
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感想・レビュー・書評

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  • ゴールデンカムイきっかけでまんまとアイヌ文化に興味を持たされました。
    すごくいいきっかけをいただいたと思います。
    このネタバレが凄くて、この本きっかけでまたゴールデンカムイ読み直しました。
    ゴールデンカムイからアイヌに興味をもったワタシみたいな人もいれば、この本から漫画に興味を持つ人もいるのではないかと思いました。

    教科書でたったひとことで済まされていた文化もこんなにも尊いと気付かせてくれたゴールデンカムイにも、この本にも感謝しないといけないです。

  • 北海道民なのに知らないことだらけでした...
    最近ゴールデンカムイの漫画を読み、アイヌへ興味を持つようになりました。すると、今まで自分が素通りしてきたことが気になるようになりました。知らないって自分の幅を狭めてしまうことになるんだと改めて気付きました。ゴールデンカムイはフィクションと現実を混ぜたものでしたが、この本はゴールデンカムイのアイヌ語監修者による解説本だったので難しすぎず、ライト過ぎず入門書として読みやすかったです。アイヌ文化、アイヌの物語など知りたい人にはおすすめです!

  • 読了。アイヌ語や文化についての理解が深まる。自分のようにゴールデンカムイを読んで興味を持ったアイヌ文化初心者に最適の一冊。内容もよかったけど、優しい語り口や、作品や作者へのリスペクトがそこここに感じられて読んでいて気持ちのいい文章だった。こういう文章を書けるようになりたい。

  • アイヌの文化について書いてあってそこそこ面白かった。
    漠然と平和な民族なのかなという根拠のない思い込みがあったが、村同士の戦になると急に皆殺しになるとか、結構印象と違うんだなと思った。でもそういえばアイヌ神謡集の方で他に戦の歌があって…とか、そっちはもっと激しい感じだと聞いたような気もする。
    アイヌの中での信仰とかはどうなっているのかあまり深く追求したことがなかったので、そういう風になってるんだ…と興味が出た。

  • マンガ『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修として製作に携わってきた著者が、タイトルの通り、アイヌ語という独特の言語は勿論のこと、アイヌ文化でマンガを読み解いていくのですが、むしろその反対、ゴールデンカムイからアイヌ文化、言語をヒモ解いている要素も多いと感じました。
    アイヌ民族は文字を持たなかったため、
    言葉のみで後世に伝承していったそうです。
    カムイ(神)はアイヌの生活の中のいたるところに存在し、とても身近な存在で、もはや環境の一部であったこと、合理的な考えに基づいてのカムイとの関係や生活が営まれていたところなど、書ききれませんがとても興味深かったです。
     アイヌ文化に触れる第一歩としてこの本は読みやすいと思います。
     マンガを読んでいなくても、それなりに分かりやすい内容なのでは、と思います。(しかしマンガの流れが分かっていればもっと楽しめるでしょう)
     北海道開拓のときに私たち和人(日本人)が抑圧せず、有効的な関係を築けていたら、この素晴らしい文化がしっかりと残っていただろうにと思うと残念でなりません。
    アニメしか観ていませんでしたが、この本と一緒にマンガの方も読んでみたいと思います。
    2020年、北海道の白老町に完成したウポポイ(国立アイヌ民族博物館)や新ひだか町にあるシャクシャイン記念館と新ひだか町アイヌ民族博物館なども訪れて、もっとアイヌ文化に触れてみたいと思いました。

  • ゴールデンカムイに否定的なアイヌもいるらしいけど、少なくともこの監修の中川さんは丁寧に仕事してるんだなぁと思った。アニメは見ていないけど、アニメでアイヌの表現をより正確にするために変更した部分もあるとのことだったので見てみようかな。

  • 北海道で行われた家族療法学会の市民講座で『ゴールデンカムイ』の一コマが出てきて、あこれ絶対面白い、とピンと来て読み始めた。めちゃめちゃ面白くて19巻(当時)一気に読んだ。勢いづいてこの本も買った。

    まずは著者である中川先生の姿勢と文章が心地よい。深い専門知識をこんなに分かりやすく噛み砕き、優しく(易しく、ではなく)一般に知らせてくれることの偉大さ。監修におけるリアリティとフィクションのバランスについて語られる箇所があるが、希有なバランス感覚を持っておられるのだと思う。漫画に対する理解や感動も深く、フチのアイヌ語に訳が付いていなかったエピソードのところは鳥肌が立った。

    漫画のおかげでこの本にも出会わせてもらい、アイヌ文化に思いをはせる。消えつつある豊穣なものをとどめ、様々な形で展げようと活動している人たちがいる。それもアイヌに生まれた人だけでなく、というのがすごいことだ。どうしても実学に走りがちな世の中で、こういうところに文化の価値があるのだ、と感じさせられる。

    この手の解説本?としては、目的を見失わず美しい形に着地した極地なのではないか。参考文献も少し買い足した。漫画の次巻を待ちつつ少し知識を広げていってみたい。

  • 監修者による公式副読本
    作中での取り上げられた具体例をもとに
    アイヌ文化について入門的に解説する一冊
    原作につかず離れず可もなく不可もなくの印象
    原作は最初の方しか読んだことなく
    完結したら読もうと思っている
    ものすごくたくさんあるシリーズのひとつだが
    昨今の例にもれずようよう終わりそうもないので
    とうめん読めそうもない

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著者プロフィール

1955年生
1981年 東京大学大学院人文科学研究科言語学専修課程中退  文学修士

研究内容
1980年代後半にいたるまで、ごくわずかの口承文芸資料と数百語の基礎語彙の記録しか知られて いなかったアイヌ語千歳方言の文法、語彙、口承文芸に関する記述研究が中心。その成果を『アイヌ語 千歳方言辞典』という形でまとめたが、さらに語の用法についての詳しい記述を続行中。また1990 年から、アイヌ語の北に隣接して話されるニブフ語の研究に着手。北方諸言語の類型論的考察に必要な 基礎データを収集している。

主要な所属学会
日本言語学会  日本民族学会   口承文芸学会(理事:1995−現在)

社会的貢献
関東地方に在住するアイヌ人の団体のために定期的にアイヌ語の講習を行う。一般社会人のためのアイ ヌ語学習サークル「銀の滴講読会」を主催。アイヌ語学習サークル「パルンペ」を主催し、アイヌ語に よる投稿誌『パルンペ』を刊行する。

主要な研究業績
著書
『アイヌ語をフィールドワークする』(大修館書店 1995)
『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館 1995)
『アイヌの物語世界』(平凡社ライブラリー 1997)
『エクスプレスアイヌ語』(中本ムツ子と共著、白水社 1997)

論文
「ア

「1995年 『アイヌ語千歳方言辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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