日本一カンタンな「投資」と「お金」の本 [Kindle]

著者 :
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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感想・レビュー・書評

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  • これまでお金と投資に関する本は色々読んできたが、その中でも本書は一番分かりやすかった。

    本書は過去に投資で失敗し、投資を辞めてしまったサラリーマンに対し、先生が投資について大切な姿勢や考えを語るという物語調で前半は書かれており、後半は著者による投資ノウハウが書かれているいわば実践編となっている。

    お金と投資に関して大切な考え方を物語で分かりやすく学びながら、なおかつ実践的なことは後半で学べるという、投資を志すなら一番初めに読んで欲しいぐらい分かりやすい本だった。

    2冊目に「12万人が学んだ投資1年目の教科書」を読むとより投資について理解が深まるのではないかと思う。

    いかに印象に残ったことや重要だと思ったことをまとめる。

    印象に残ったこと、重要だと思ったこと。

    リスクとはマーケットが変動することではなく、投資を途中でやめてしまうことだ。
    →日々のマーケット変化に動じない、投資の軸を持つ

    投資とギャンブルの違い
    投資→誰も損をせずみんなが得をするプラスサムゲームなビジネスモデル、資本主義社会を豊かにさせるための行為
    ギャンブル→誰かが得をすれば誰かが損をするゼロサムゲームな娯楽

    投資とトレードの違いとは手法が異なる
    投資→中長期的に(5年以上)株を買って保有し、高くなった時に売る。
    トレード→目先の株価の価格差に注目して短期売買する。

    投資は当て物ではなく正確な情報と確立された理論に基づいて分析をし、リスクをとること。

    お金がお金を産む、資本が資本を産む
    →長期投資で1ドルが年利7%で200年経つと60万ドルになる

    資本主義は「経済行為の自由」と「生産財と財産を個人で所有できる」を基軸とする社会

    近江商人の「三方よし」のように、自己の利益、顧客の利益、社会の利益が一致しないとビジネスは永くは続かない。

    日本人は「投資にはリスクがある」、アメリカ人は「投資しないのがリスク」と考える

    リスクとは「危険」ではなく、「将来の結果が確定しておらず変動すること」あるいは「結果が不確実であること」
    →「確定していないから不安」と考えるのか、「確定していないからこそチャンス」と考えるのかで大きな違いがある。

    会社が成長していく限り株価はずっと上がっていく

    ケインズ「『投資とは資産の利回りをその資産の存続期間の全体に渡って予想する活動』であるが、『投機とは市場の心理を予想する活動』である」

    第一に、モノの値段はその価値とはかけ離れることがある
    第二に、相場は実需だけでなく期待でも上下する
    第三に、投機の対象となる暴騰と暴落が起こりやすい
    第四に、資本主義ではバブルは付き物で、カネ余りの時期はバブルが起きやすい
    第五に、バブルは必ず崩壊して相場は暴落するが、いつかは事前に分からない

    いくつものバブルを乗り越えなければ長期投資でリターンを得ることはできない。

    コア・サテライト戦略
    コア資産→これから5〜10年使わないお金を長期分散投資で、じっくりと腰を据えて運用をする資産。比率9割
    サテライト資産→ハイリスク・ハイリターン資産。比率1割

    卵を一つのカゴに盛るな

    株価が高値なのか割安なのかという判断自体が、リスクを取ることになる
    →迷って投資を辞めてしまったり、余計な時間を取られるため

    相場は楽観と悲観の間を行ったり来たりする

    個人投資家がバブルを上手く乗り切るには2つしか方法がない。
    1.卵を一つのカゴに盛らない。資産を分散すること。
    2.積立投資をして時間分散をすること

    彼を知り己を知れば百戦殆うからず by 孫子

    冷静で合理的に行動できる人とは、物事を楽観的にも悲観的にも捉えないで、起きている現実をそのまま受け入れることができる人である。つまり、目の前で起きている現実が悲惨なことでも、都合の悪いことでも、目を逸らしたり、自分の都合よく解釈したりせずに、ありのまま認識すること。

    重要なのは感情ではなく、損得「勘定」

    損失を嫌うので、株価が下がってもあらかじめ決めた通りに損切りができない。損失が現実になるのが嫌だから。
    →買値の呪縛

    高値覚え→4000円の株価が2000円まで安くなったのだから割安ではないかと考えてしまう

    安値覚え→下落した2000円の株が反転し始めて絶好の買い場だったとしても、最安値の2000円が印象に残ってしまい、ここで買ってもさらに下がるのではと考えてしまう。結果、買いのタイミングを逃してしまう。あるいはまた下がるのではないかと恐れてより利益が出る前に途中で売ってしまう。

    投資判断は、過去の株価ではなくその時点の投資対象の将来価値の予測から考えるのが基本である。

    投資したことを忘れるのが一番ストレスのない方法

    投資ではリスクとリターンをセットで考えるのが大前提。自分が取っているリスクに対して最大のリターンを得るために最も効率的な資産配分で分散投資をする。

    いくらまでの評価損になら耐えられるか

    投資を習慣化、仕組み化する
    →毎月積立投資

    ①世界株式型のインデックスファンドに投資する
    ②ファンドのコストは基本的には低いものを選ぶ
    ③iDeCoとNISAの驚くべき節税効果
    →iDeCo。1.入り口で掛け金が全額所得控除になる。2.運用期間中の運用益に対して通常20%取られる税金が非課税になる。3.出口について、60歳以降に受け取る際に退職所得控除などが使える。
    (企業型確定拠出年金に参加している会社員は月2万まで積立可能。)
    4.60歳になるまで引き出せない。

    →NISA。一般NISA(年間120万×5年間で600万円までNISA口座で投資可能)とつみたてNISA(年間40万×20年で800万円まで投資可能)

    著者オススメのファンド10選
    1.eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
    2.eMAXIS Slim新興国株式インデックス
    3.楽天・全世界株式インデックス・ファンド
    4.セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
    5.キャピタル世界株式ファンド
    6.スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド(愛称:ライジング・サン)
    7.グローバル ・ヘルスケア&バイオ・ファンド
    8.楽天・インカム戦略ポートフォリオ
    9.楽ラップ
    10.楽天ターゲットイヤー2030/2040/2050

    1〜3はインデックス、4は独立系運用会社、5〜7はアクティブ、8はインカム、9はロボアドバイザー、10はターゲットイヤー

  • 投資とお金について、とてもわかりやすく説明されていた。特に、日本とアメリカの株価の成長の違いや、お金に対する考え方が勉強になった。

    学んだこと
    ・過去を振り返ると、20年の間、日本株はほとんど上がっていないが、アメリカの株価は3倍になっている。

    日本は、1989年12月に、3万8915円の株価をつけた。けれど、1990年に不動産、株式バブル崩壊、2000年代初頭にはITバブル崩壊、2008年にはリーマンショックがあり、最近回復基調にあるといっても、まだ当時の株価に届かない。

    対してアメリカは、1990年代から今まで、上げ下げはあっても株価は上昇を続けている。20年前のNYダウは約8000ドル。今は2万4000ドルくらい。20年もの間、日本株はほとんど上がっていないのに、アメリカの株価は3倍になっている!

    期間を30年にし、平成元年から見ると10倍だそうだ。そうだったのか!知らなかった・・・。今後、NYダウに興味をもっていこうと思った。

    ・アメリカは、自分で土地を開拓して、ビジネスを立ち上げてきた社会。リスクをとって豊かになることが当たり前の人生モデル。日本人は、働いたお金はきれいなお金、投資の成果は汚いお金という先入観を持っていることが多い。そのため、アメリカでは、ビジネスで豊かになることも、投資で豊かになることも区別がないが、日本は区別がある状態になっている。

    ・日本は金融資産のうち、50%以上が現預金。対してアメリカは、現預金が13%程度で、株式・出資金・投資信託が48%。アメリカでは、投資商品を持つ割合が高いと聞いてはいたが、こうした具体的な数値を知ってまたびっくり。

    現預金が13%しかないというのは、自分だったら不安になる。それだけ、アメリカでは投資が普通で、リスク許容度が高いのだと感じた。そして、それはアメリカがそれだけ成長してきたから投資の価値があると感じるのだとも思った。

    アメリカでは株価が伸びているという成功体験と、ビジネスを立ち上げるといったリスクをとる社会背景が、保有資産を投資に回すという行動に結びついているのだと思った。

    ・長期投資というのは、20 年間で3倍になるリターンを享受すること。ただ、これは言うは易し、行うは難しで、 10 年、 20 年と投資を継続できる人はそれほど多くはない。

    ・資本主義についての理解がないと、長期投資を継続することは不可能。

    ・過去 30 年間で見ると、日本株のパフォーマンスは先進国で一番悪い。

    ・NYダウとは、正式名称はダウ・ジョーンズ工業株価平均。30銘柄を選出。厳選された銘柄。
    S&P500とは、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数。米国企業の中から500銘柄を選出
    ナスダック総合指数とは、NASDAQ取引所に上場している全銘柄を対象

  • 投資とは何か?お金の教養と育てるための第一歩を後押しする。
    前半で語られる、諸外国で株価やお金の価値が上がっているにもかかわらず、日本の株価が上がらなかった――経済成長・発展していなかった――事実を突きつけられる。「失われた20~30年」である。
    対話調の物語で展開されるお金の話は、読んでいて頭に入りやすい。
    初心者向けの投資や心理用語解説でもある、と思った。
    お金とは何か、資本主義経済の仕組み、投資というものが長期にわたるもの、インデックスファンドの推奨など、山崎元『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』( https://booklog.jp/item/1/4905073243 )とも内容が被る。

    2020年に入って、少し古い?情報になりつつあると思いつつ、資本主義経済の根本は変わらない。

    Kindle Unlimited 読了。

  • ざっと太字だけ流し読みした。
    普通のサラリーマンである隆一が、先生と呼ばれる人に投資の基礎知識を学ぶ。

    物語調に書かれており、要点だけを抑えたい人には文量が多すぎるが、資本主義についてなど基礎からわかりやすく学びたい人には向いていると思う。

    心の持ちようなど、長期投資に対する姿勢について重点的に学べた。

  • 投資とは飛行機に乗っているのと同じで、途中で必ず揺れるが、その揺れに耐えられれば目的地まで辿り着ける。投資への心の持ち様が大いに勉強になった。

  • 4年ぐらい前に出版された本なので、自信を持ってお勧めする商品の中には既に微妙に思えるものがあるけど、隆一という主人公が勉強する小説形式の部分はわかりやすくて面白い。

  • 信託に集結するようなありがち系。読みやすく初心者向けに思う。

  • 投資を始めるきっかけになった本。物語形式・会話形式になっているので、初心者でもサクサク読めました。
    この本だけでは本格的に投資をするには足りないのだとは思いますが、はじめの一歩を踏み出す動機付けになること間違いなしです。

  • ・不確定の将来に投資するからこそ、リターンを期待できる。

  • 投資をやめてしまう人が多い
    積み立て投資の平均継続期間は、たったの2〜4年

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著者プロフィール

1973 年神戸市生まれ。山一證券株式会社を経て、メリルリンチ日本証券にて個人富裕層への資産運用コンサルタ ントに従事。留学のため退社し、米ブランダイズ大学にてMBAを取得。帰国後、2006 年にFP法人ガイアを設立。金融機関に属さない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)の先駆けとしてメディアからも注目を受ける。50~60代の退職準備世代・シニア世代を中心にライフプランや資産配分を提案し、これまでに同社を訪れた相談者は約6000人にものぼる。主著に『会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり 方』(クロスメディア・パブリッシング)、『損しない投資信託』(朝日新書)などがあり、累計10万部を超えている。

「2016年 『最短で老後資金をつくる──確定拠出年金こうすればいい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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