アリス殺し 〈メルヘン殺し〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • そもそも、あの 「不思議の国のアリス」の中の白兎などのキャラクターのセリフの「ああいえばこういう」さがしっかり出てて、いい意味でイライラできた。^_^

    淡々とほとんど会話文で進んでいくので、登場人物が多い物語が苦手なわたしとしては少し読むのが時間かかってしまったかなー。

    トリック、ぐるぐるしてて追いつけなかった。
    頭のいい誰かが書いた解説読んで落ち着きたいです。

  • 不思議の国と現実と、絡み合う世界観の構造が面白かった。この発想はすごい。
    何を言ってもネタバレしそうでコメントに困る。
    あの人が、あの人で、なるほど…。けっこうミスリードされてた。してやられたり!
    ときどきグロいので、これから読む人はお気をつけて。
    ビルが可愛い。

    この本を読んでみて、そういえば本家不思議の国のアリスをきちんと読んだことがないと気づいた。
    小林さんのメルヘン世界のヒロインの名前が付いた殺人の作品を読む前に、きちんと本家を押さえておこうと思った。

  • 文学系YouTuberベルさんの動画で紹介されていたので、読んでみた。
    殺人方法がとてもグロテスクな上、描写がとても上手いので、場面を想像しながら、読み進めたら、気持ちが悪くなった。仕方がないので、文字だけを追って、極力場面が想像しないようにして、読了した。小説、しかもミステリーで、こんな読書の仕方、したことないよ!
    ラストのどんでん返しより、物語のはじめで、亜里が「この一言で世界が崩壊しようが知ったこっちゃないわ。そもそも世界は最初からこうなっていたんだもの。そうでしょ?」(p.41)と、物語の核心に迫る発言をしていて、印象に残った。
    読書体験が強烈すぎて、続編は出ているけれど、読むかどうか検討中。

  • 大学生である栗栖川亜理がいる世界と、アリスのいる「不思議の国」の双方で犯人不明の殺人事件が起こる。不思議の国の住人と現実世界に住む人間とは繋がっており、どちらかが死ぬともう一方の世界の人物も死んでしまいます。
    アリスは犯人に仕立て上げられ、真犯人をさがすため蜥蜴のビルとともに証拠を集めていく。


    グロテスクだと聞いていましたが、意外といけました。
    そんなことよりも物語の中のどんでん返しが見事で、まんまと2回も騙されてしまいました(笑)
    ミステリーは刑事が難しいこと言ってて、推理も想像力がないとなかなか理解できないというイメージで正直苦手意識がありました。
    それでも小林泰三さんが書くミステリーはどんどん読めて、面白かったです。ほかのシリーズも読んでみたいな(o^^o)

    あと、わたしは「不思議の国のアリス」を読んだことがありませんがそれでも楽しめる内容でした♪
    原作も読んでみたいなぁ、また違った見方ができるかな。

  • いやーめっちゃおもしろかったぁ〜
    最初、読んでいて会話の馬鹿さ加減にイライラしてきたので・す・がぁ!!この馬鹿がクライマックスにいくにつれて
    いい味出してるんですよ〜もう〜馬鹿最高ー\(^^)/
    時々グロシーンなどあるんですが
    馬鹿なのでほんわかグロになっております笑笑
    いやー本当よかったぁ〜このアリス殺しってシリーズ化しているのでもちろん全部読破します!
    しゃあー追い課金やぁぁぁぁぁぁぁー!!!
    チェストぉぉぉぉぉー!!
    ……エアコンをーーぶっ壊す!笑笑
    今年の夏は暑そうですね!熱中症には気をつけないと
    ありがとうございます!

  • 「不思議の国のアリス」の世界観を保ったまま、見事にホラー(サスペンス?)を展開している作品だった。
    そもそもこの本の語り口はすごく独特だ。本の最後の解説によると、この本はひどく論理的であるらしい。私はこの評価が腑に落ちない。非論理を鍋で煮て論理の糸を抽出している。そんな雰囲気を感じた。きっとこれは、不思議の国に限らず、登場人物同士の迂遠な会話によるものだろうと思う。けれどその中に確かにある論理の糸を手繰り寄せていくことで物語は着実に進んでいく、私はそんな印象を覚えた。

    亜里がアリスではないという叙述トリックに、私は「ずるい!」という気持ちになった。でも、こういう前提をひっくり返してくるお話は好きだ。

    途中で出てくるスナークは、ルイスキャロルの「スナーク狩り」から来ているはずで、不思議の国にとってはある種異物だ。スナーク自身の持つ不思議さが、この作品の雰囲気を増幅させていると思った。

    魔法使いの夜にもスナークにまつわるキャラクターが存在する(こちらはルイスキャロルの童話を魔術として行使する「魔女」のお話)ので、そろそろスナーク狩りを一度読んでみたくなった

  • めちゃくちゃ面白かった!!!
    初めから最後までずっと楽しく読ませてもらった。
    これまでそれほど本を読んできたわけではないけど……
    今まで読んできた中で一番好き。
    本なのにこんなにグロさを感じて脳内に映像が流れるって凄いな〜って思った。
    私が求めていた本!って感じです。
    ワクワクドキドキハラハラ。
    でもたまにクスッと笑ってしまう。
    ぜひたくさんの人に読んでもらいたい!!

  • 小林泰三さんの作品はいつも驚かされることが多い。今回の作品も2転3転としていって、読者も騙されるスタイル。不思議の国のアリスが好きな人はぜひ読んで欲しい

  • 読み始めたときはみんなの回りくどい会話についていけるか不安になったんだけど、それでも読んでいくうちに惹き込まれるし、次はどうなるの!?とドキドキしながらページ捲りました(笑)面白かった!
    次の巻ではどうなるんだろう?めちゃくちゃ気になる…

  • 不思議の国の夢を見るという栗栖川亜理。
    不思議の国で人が死ぬと現実でも人が死ぬ。二つの世界の繋がりに気付き始めた亜理の元に、自分も不思議の国の夢を見るという人物が現れる。夢の中で事件の容疑者になってしまった亜理はどうなってしまうのか。

    前半が冗長。
    容疑者になって死刑が迫っているとはいえ、全く緊迫したシーンがないので、ハラハラもドキドキもない。なので、事件にさして興味が持てない。現実でも積極的に事件の捜査をするわけでもないので、物語と自分の距離がぼんやりと遠い印象を受けた。のめり込むには吸引力が足りなすぎる。

    犯人が分かってからは悪くなかった。
    真犯人によってようやく事件模様が語られると、やっと事件がクリアに見えて、興味も湧いてくる。私の心の準備ができていなかったので、謎解きパートが突然始まって置いてけぼりにされてしまったが。作者のやりたかったことは分かった。しかし、やりたいことありきで、無理矢理繋げたような印象を受けた。仕掛け一つ一つを成立させ得るのを偶然に頼りすぎていると感じた。

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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