始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎 (集英社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • キングダムを利用した、中身のない本。
    と、思って購入したら、大間違い。

    キングダムを通じて、
    過去の中国から、現在の中国までの成り立ちを、
    丁寧に解説してくれている本書。

    秦が他の六国と違い、
    中華統一できた理由や、
    中国の思想の変遷等々。
    すごく楽しく読ませていただきました。

  • 2019年に購入した本書を再読。
    キングダムのストーリーにそって、中華の歴史を解説してくれるから、とても分かりやすい。

    秦王政が誕生した時、すでに秦は他の6国は異なる国に変貌していた。
    他の国では、封建制が根強く残っており、各地の将軍、有力者の権力もまだまだ強く、中央政府の力はそれほど強くなかった。

    それに対して秦は、地方権力者の権力を潰し、中央政府(王)が直接、民を支配できる仕組みに改革した。
    よって、国王の意のままに動かせる軍隊が圧倒的に多くなり、それが昭王の時代の領土拡大に貢献した。

    そして、誕生したのが、嬴政である。
    まさに、この時代に相応しい、中華を統一するために生まれてきたような王である。

    嬴政は、中華統一後、他の国の封建制を廃し、秦と同じように中央が直接支配できる仕組みに作り変えようとした。
    しかし、性急に変革をしたため、各地で反発が高まり、始皇帝崩御の後、わずか3年で秦は滅亡してしまう。

    しかし、秦が滅んだ後も、中国では繰り返し、始皇帝が試みた国造り(法治国家・中央集権体制)をお手本にする。
    ローマ帝国は二度と復興せず、ヨーロッパは、いくつかの国に分裂したままである。

    始皇帝がいなければ、中国もヨーロッパと同じように、いくつかの国に分裂したままだったのではないかと筆者は指摘する。

    たしかに、あれだけの広大な領土に、多種多様な文化、言語の人が入り乱れて暮らしているのに、一つの国にまとまっているのは、凄いことなのかもしれない。

  • 紀元前1,000年からの中国を学ぶのにおすすめ!

    残念ながらキングダムを読んだことがない。しかし中国の歴史を学ぶ上で「秦」という国から目を逸らすことはできず、さらには手軽に読めそうな書籍を選んだ。

    『始皇帝 中華統一の思想』
    20年も続かなかった秦だったが、現在の中国に通ずるものがある。中国4,000年とはよく聞く言葉だが、現在の中国の政治にも2,000年を超える歴史があると言えるだろう。

    過去に中国大陸を統一した国や、その仕組みを知った上で、巻末の「おわりに」をぜひ読んでいただきたい。

  • キングダムが面白いものだから、史実の部分はどうなっているんだろうと思って読んでみた。キングダムの特に今進んでいるエピソードの肝は、そちらはマンガを楽しみにしてくださいと断ってあり、肩透かしをくらった感もあるけど、節度ある行動ではあるだろうな。ただ、じゃあつまんなかったかというとそうではなく、とても面白くてあっという間に読んでしまった。秦という国は歴史を400年早めたという。それはなぜかという話がとても刺激的だった。法家という思想はすでにマンガにも出てきているし、もちろん中高の歴史で学んでもいる。それが今にいたるまで中国の根底に流れる思想の大きな部分を作ったというのは、なかなかひきこまれたな。マンガにつられつつ、もっと大きな愉しさを味合わせてくれた本だったね。

  • 興味深かった。

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2018年 『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2019年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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