インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル [Kindle]
- 日本能率協会マネジメントセンター (2019年6月30日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (508ページ)
感想・レビュー・書評
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思想と実践を統合的に理解するとはどういうことかについての一例を体験することができる。今学期の臨床教育学(京都大学)のテキストになっている。他方で、隣接する宗教学や教育哲学の、正統的な(テキスト中心主義的な)伝統宗教理解・人間発達論の視点をどこまで統合できているのかは考えてみたい。例えば著者は、ある立場や思想を包含して超えることには、包まれる思想立場が深ければ深いほど大きな代償と失敗のリスクが伴うことに警鐘を鳴らしている。しかしそこで、インテグラル理論が、ユダヤ的な他者論の色濃く出たブーバーやレヴィナス、パスカルの思想をどこまで包含できているのか、それらを統合するために払われるべき犠牲が払われていないのではないか、という疑問がある。他者を自己が簡単には包めないながらにその他者に自己と同じ神性が宿るという考えと、その神性な他者は絶対に包めないという考えは、同じ他者の神性を扱っていても自己の態度に微妙な違いが出てくるように感じる。
また、「包む」ことに関して西田の絶対無の思想との比較で理解できれば、今後の日本哲学界がどれだけ真剣にウィルバーを受容できるか考える糸口になる気がした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何も裏付けがない妄想
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【2022年4月入社 村西さんオススメ】
理論をベースにしているので少しおかためな内容ですが、人・組織・社会が発達するってどういうことだろう?ということを考えさせられる本です。発達心理学・自己変容などのキーワードにピンとくる方にはおすすめです! -
人類における成長とは、外と内の四象限のスパイラルの健全さを高めるための行動を起こす必要がある。
いまの人類が多様性を認め合っているのは、世界が統合する全長と言える。でも、もし多様性を祝福するだけではミームごとで対立が起こる。だから、もう一段階上がって「統合」する必要がある。大体の成長は、一回解体してから統合するというプロセスを踏む。
でもその成長の先に何があるんだろうと思った