赤い羊は肉を喰う (幻冬舎文庫) [Kindle]

著者 :
  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • Kindleのリコメンドに出てきた作品。
    五條瑛は当然初めて。もちろん、刺激的なタイトルに
    惹かれて購入。僕の「タイトル買い」は往々にして当
    たる場合が多いのだが、果たして今回は・・・。

    舞台は八丁堀、従業員数3名の超零細調査会社に勤務
    する男が主人公。下町の風情を残す街で気楽に働いて
    いたのだが、ある日を境に八丁堀に不穏な空気が。幾
    つか重なる偶然に不信感を持った主人公が、その謎に
    迫って行く・・・という内容。

    正直、導入部の展開の遅さに若干いらつきを感じたが、
    ストーリーが展開し始めた瞬間に夢中になった。ここ
    で起こる出来事は1件の殺人とラストの大事件の他は
    取るに足らないモノばかりなのだが、それらが連鎖し
    ていく様に静かだが確かな「凄まじさ」があり、次の
    展開が気になって仕方無い。こういうミステリーもあ
    るのか、とすら感じた。

    まぁ、読み終わっても「計数屋」という仕事がどんな
    モノなのかイマイチよく解らない(^^;)し、ラストの
    あっさりした雰囲気も食い足りない感はあるのだが、
    個人的に思い入れのある八丁堀という街の風景描写の
    絶妙さで相殺。事件の起こる場面にイチイチピンと来
    るのが嬉しかった。

    小難しさはあるし、文章量も大したモノなので手を出
    しづらい作品ではあると思うのだが、心理学系の作品
    に興味のある人なら刺さりそう。本格ミステリーが好
    きな人もぜひ!

  • 集団心理を操る相手にあらがう、若旦那。
    人の心って、難解で怖い、でも信じたいな。

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著者プロフィール

大学時代は安全保障問題を専攻。大学卒業後、防衛庁に就職し、調査専門職として勤務。退職後、フリーライターを経て1999年に北朝鮮問題を題材とした『プラチナ・ビーズ』で作家デビュー。2001年『スリー・アゲーツ』で第3回大藪春彦賞を受賞。

「2018年 『焦土の鷲 イエロー・イーグル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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