DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2019年 10月号 [雑誌] (戦略採用)
- ダイヤモンド社 (2019年9月10日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌
- / ISBN・EAN: 4910059691097
感想・レビュー・書評
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人事、採用に関わる方はぜひ読んでおきたい本。
アメリカでもHRtechは、まだ大成功とまでは程遠いことが書かれている。
ハイパフォーマーだけを採用するには、経歴や適性テストをしてAIで判定させても面接が主観的であるため、機能しないとのこと。
・スクリーニングからマーケティングへ
採用はマーケティングという考えは非常に大事だと感じています。
自社に関心のある人、応募する人を広く集めてそこから適性を見抜き採用するスクリーニング型が一般的だった。
それに対して既存社員を分析し、適性の精度を上げる。
適性のある人を市場に、どこにどれだけいるかを仮説立て、
その層が興味を持ちそうなイベント(インターンなど)を実施して自社への関心を高めていくマーケティング型を勧めている。
ソフトバンクがこれを実施してこれまでに無いハイレベル人材を採用している。
・非同期型ビデオ面接
ゴールドマンサックスの超画期的な採用手法。
非同期型ビデオ面接と言われ、事前に面接官の質問が録画されたビデオの回答を自分で録画して提出するという手法。
下がると思われた応募数はあがり、これまで物理的に応募できなかった層からも応募が来たという。
また、このビデオを複数の人が見て合否を判断するため、面接官個々による合否基準を標準化が可能になっている。
ビデオは実際には専用のアプリから提出でき、編集が出来なくなっている。
人で買ってきた会社だからこそ、ここまでチカラを入れていくのだと思いました。
ここ最近で読んだHRの記事で大変優れた記事たちが集まっている価値ある雑誌だと思います。
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さすがに採用の特集は、採用に関係ない人にとっては興味が薄い。かつて採用を担当していた身ですが、それでもあまり読む気がしなかった。
最後の論文、専門分野が自分を苦しめるっていう話も、かつて同誌で聞いたことがある議論でした。 -
ー 我々人間は、意図のよくわからない相手から、自分の現状や、「真の」素晴らしさ、改善のためにしなければならないことを指摘されても、よい働きはできない。
卓越性を伸ばせる唯一の機会は、自分のことをよく知り気にかけてくれる相手から、その人が体験したことや感じたことを教えてもらった時ー特に我々の中で本当に有効な何かが発揮された瞬間を見つけて、教えてもらった時なのである。 ー
『フィードバック:3つの誤解』は、フィードバックの正しいあり方を教えてくれた。
誤解1:人は他者を正しく評価出来る。
誤解2:人はフィードバックで欠けているものを学習することが出来る。
誤解3:優れたパフォーマンスは普遍的で、分析可能で、説明可能である。 -
採用の投資対効果はどうはかるか…。
採用した直後にはわからないし、10年後にもわかるのか?考えたこともなかった。
他に「フィードバックの誤謬」など。 -
海外の翻訳記事は読みにくいが、ソフトバンクの採用戦略は内容もありうなづけるものだった。フィードバックの誤謬記事はこの先何度か読み返すかもしれない
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フィードバックの誤謬
相手のパフォーマンスに対して「フィードバック」しても、成功や卓越性の助けにはならず、むしろ学習を阻害する
・理由1 評価には客観性がない。フィードバックはむしろ評価者側のバイアスを反映し、それは不可避である。
・理由2 ヒトは脳神経学的に、すでに一番優れているところが一番成長しやすい。ゆえに「学習」とは自分自身の強みを理解することが出発点。また、弱点や欠点ではなく「うまく行っていること」にフォーカスされたときこそ学習効果は最大化する。
・理由3 卓越性には特異性があり、失敗に注目しても卓越性の実現方法はわからない。フィードバックがもたらすのはせいぜい凡庸なパフォーマンス。
卓越性を引き出すために?
・成果を探し、それに注目させる
・相手の卓越性を見たときの直感的な反応を、相手に対しリプレイさせる
・卓越性が発揮された瞬間にリプレイすると鮮やかに理解できる
フィードバックを求められたら?
解決策は相手の中にある。
・いまうまく行っていることは何か
・過去、同じような状況で何が役に立ったか
・何をやるべきと思っているか、現状への有効策は何と知ってるか
専門性のワナ 豊富な知識・経験がリスク
そうならないために?
・新しい PJ や任務についたら、染み付いた理論、思い込みかもしれない仮説を3つ以上書き出し、丁寧に再検討する
・新鮮なアイデアに触れ続ける。非専門的メンバーから反論や意見をもらう。若手に考えを発表させる。異なるタイプの人を訪ねたり迎え入れる。お手本となる人・仲間をつくる。
・なじみのない仕事、仕事以外の新しいことに挑戦する。犯したミスから学ぶ時間をつくる。