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感想・レビュー・書評
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文化人類学は社会のデザインとも関係あるが,この本では交換と貨幣を扱った7章で暗号資産との類似性も指摘している.
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旅先のカフェに置いてあり、最初の2章を読んだらなかなか面白かったので購入。日々の生活の中で当たり前のように捉えている前提に対して「現代の日本人が抱いているそういう考え方は、実は当たり前ではないんですよ」と世界の広さを教えてくれる良い一冊。
13人の著者によるオムニバス形式なので若干書き方や質にバラつきがあるのは否めない。
文化人類学を私が楽しむ一つの理由は、せっかちな我々がつい簡単に下してしまう価値判断(これは「良い」とか「正しい」とか)を相対性によって保留させるところにあるのに、著者の思想や価値観をちらつかされると、ちょっと萎えてしまう。
その点で、「モノと芸術」の結びの段落は大変良かったので、やや長いが引用したい。
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…くり返しを強いる制度によって知覚は自動化し、決まりきった枠の外に出られなくなり、私たちはどんどん息苦しくなっていく。そんなとき「世界を変えよう」とうずうずしている芸術たちは、目の前にある制度や境界を超えた関連づけの方法へと魅惑的に私たちを引きずりこんでくれ、生の全体性にもとづく豊かな発想へと導いてくれる。そして人類学が芸術をつうじて示すことができるのは、まさにこのような意味での創造性なのだ。 -
文化人類学を使って、複雑な現実を考えるためのお手本集。
執筆陣が意図したとおりに、日常的に感じずにはいられない社会的な歪みの根源を考える上での道具箱となっているのではないだろうか。
個人的には、貨幣に頼らない、持続可能でフラットな関係性に基づくコミュニティーの形成について考えていきたいと思う。 -
人文知って正直ようわからんな…と思って数年、COTENラジオなどを通じてなんとなくその外円が見えたかなあと思いつつ、書籍で体系的にインプットしたいなと本屋を物色していた時に出会いました。
「もともとこの本は、大学で文化人類学を学ぶ学生に向けた教科書になるはずだった」という前書きの言葉のとおり、まさに入門書で、自分のようなミーハーのためのガイドとなるような本でした。
各部各章すべてに、普段なんとなく生きている中では得られない視点がふんだんにちりばめられていて、あっという間に読み終えました。
あとは参考文献から次の本を見つけて買おうと思います。 -
他の人の世界の見方を理解できるようになりたい。(おそらくなれないけど…)
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ケアと共同体の話が面白かった。
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日本の気鋭の文化人類学者たちによる文化人類学入門書。
テーマごとにエッセンスがまとめられており、読みやすかった。 -
ようやく読了。
文化人類学の入門書としては良くできていると思います。「当たり前を疑う」ために文化人類学はとても役に立ちます。昔、ちょっとだけかじったことがあるのですが、その頃を思い出して、また少しかじってみたくなりました。
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むかしかじることになったきっかけは、この本でしたね。
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様々な事柄が絡み合う、複雑さに満ちた世界そのものを描き出そうとする文化人類学。一見、無関係に見えることを比較対象にしたり、「常識」だと信じる物事の切り分け方とは違う枠組みをもってきたりして、考える。生活、男女、会社や仕事、経済や文化、国家など・・・「あたりまえ」の変化に今どのように向き合うか?本書は、古典から最前線までの文化人類学研究から生まれた「思考のための道具箱」である。【中央館3F図書389//Ma82】【OPAC: https://opac.lib.niigata-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB28043601】