免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ (ブルーバックス) [Kindle]
- 講談社 (2019年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (319ページ)
感想・レビュー・書評
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免疫力は高いほうがいいわけではない。多くの生活習慣病は慢性炎症。過剰な免疫の結果。
自然免疫機構と獲得免疫機構の総和が免疫力。
風邪を起こすのは、ライノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス。インフルエンザは15%程度。
抗菌薬と抗生物質はほぼ同じ意味。抗生物質は自然界のもの。抗菌薬は化学的に合成されたものを含む。
インフルエンザは気道の上皮細胞に感染する。特定の細胞や臓器に感染する。
うがいの効果は諸説ある。花粘膜や上気道下気道には届かない。風邪予防は、手洗いうがいなどいろいろな手立てを組み合わせること。
風邪のうち、上気道にインフルエンザウイルスがあればインフルエンザと言われる。
麻疹は感染力が強い。フィジー島で4分の1が死んだことがある。
ジェンナーは種痘のワクチンを自分の息子ではなく使用人の息子に摂取した。
生ワクチンは、生きたものを感染力を低下させたもの。
アジュバントとは、ワクチンと一緒に投与する免疫補助物質のこと。
ワクチンの効果持続期間がある。インフルエンザは4か月までと短い。
基本再生産数と集団免疫閾値で流行が決まる。
麻疹は基本再生産数が12~18と高い。ポリオは5~7、
インフルエンザは1.4~4、集団免疫は30~75%必要。
麻疹のワクチンは2回打つ必要がある。
高齢者のインフルエンザワクチンの効果は20%程度。
タミフルはWHOは必須医薬品リストから外している。
インフルエンザかなと思ったとき、慌てて医者に行かないほうがいい。抗インフルエンザ薬はある程度の効果しかない。
がん細胞は、免疫抑制機構を逆手にとって、がん免疫を無効化させている。獲得免疫機構を阻害する。
キムリアを厚労省は許可した。白血病や悪性リンパ腫に使用。
花粉症ワクチンの第一相試験が始まった。
リンパ球の流れは、筋肉をゆっくり動かすこと、風呂などで体温を上げることでよくなる。=免疫力が強くなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エビデンスという意味でちょっと弱いしもっと図が欲しい
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緊急レポート 新型コロナウイルス感染症COVID-19 本格的流行に備えていま「私たちができること」
まえがき
第1章 病原体の侵入・拡散を防ぐからだのしくみ
第2章 ワクチンとはなにか
第3章 ワクチンを接種する前に知っておきたいこと
第4章 感染症別―ワクチンの現状と問題点
第5章 免疫記憶とはなにか
第6章 がん免疫療法は「不治の病」を克服できるのか?
第7章 「夢の新型ワクチン」研究の最前線
第8章 「免疫力を強くする」のウソ・ホント
あとがき -
奇しくも極めてタイムリーな書物となった。
今回の新型コロナウイルスの騒動については、ウイルス禍そのものよりも、正しい情報へのアクセスについて強く考えさせられた。世間はあまりに科学的な知見を軽視しすぎでは、と思えるような言説もしばしば見られた。
本書は免疫機能に関する基本的な知識を身につけるには適切であろう。我々がよく思う疑問に対してもQA方式で触れていて、それほど前提知識がなくとも理解できる。
こういうことこそ、義務教育で教えるべきだと思うし、むしろ社会に出てから学びなおすべき内容でもあると感じた。 -